大手回答の中小への波及を期待/自動車総連

(調査・解析部)

[労使]

自動車の06春闘は、大手の登録組合12組合中7組合が賃上げについて有額回答を引き出した。定期昇給相当分6,900円に賃金制度改善分1,000円を加えて7,900円を要求したトヨタと、賃金制度維持分と改善分を合わせて7,000円を求めた日産がそれぞれ満額回答。ホンダは1,000円の賃上げ要求に対し、600円を回答した。スズキ、ダイハツ、ヤマハも賃金改善分(ヤマハは賃金改定原資相当分)1,000円を獲得。日本特殊陶業は賃金カーブ維持分の6,800円に3,000円を加算して要求し、6,800円プラス2,000円を獲得した。

この他、近く新賃金制度を実施する予定の富士重工は、「制度構築時に賃金改善分の原資を充当する」との表現にとどまった。マツダは賃上げ要求そのものにはゼロ回答だったものの、経営側から要求額と同額分の1人平均年間1万2,000円分を「カフェテリアプラン」という福利厚生制度で増額するとの提案があり、組合はこれを受け入れた。

一方、一時金でも、大手のほとんどで増額・満額が続出。マツダ、日野、いすゞの賃上げゼロ回答組も一時金は満額で応えている。

全体では約1200組合中、912組合が何らかの賃上げを要求している。自動車総連は15日、「組合員の働きに対する評価・期待を回答にて示させることができた」などと大手の回答を評価する談話を発表。「今後、賃金改善分要求を行っている多くの組合も同様の成果を引き出すことを強く期待したい」として、これからヤマ場を迎える部品・販売部門などの中堅・中小労組への波及を訴えた。