26年ぶりに中央総決起集会を開催/金属労協、「心を一つに」

(調査・解析部)

[労使]

金属労協(IMF・JC、議長=加藤裕治自動車総連会長)は2月22日、第3回戦術委員会を開催し、交渉リード役となる大手組合が今季交渉の要求提出を終えたことを受け、今後の交渉に臨む基本姿勢を確認した。また、構成産別が5年ぶりにそろってベースアップなどの賃金改善を要求したことを踏まえ、交渉を盛り上げるため、3月3日に東京で26年ぶりに中央総決起集会を開催することも決めた。

2月10日、新日鉄や三菱重工の労働組合が要求提出したのを皮切りに、金属労協構成産別の各企業連・単組は会社側に要求書を提出し、団体交渉に入っている。金属労協によると集計登録A組合(組合員1,000人以上の58組合)のすべてが22日までに要求を提出し終わり、このうち53組合が賃金カーブ維持(定昇相当)以外のベアなどの賃金改善要求を行っている。

また一時金を交渉で決定するほとんどの組合が、昨年と同様もしくは上回る要求を提出。とくに業績好調組の多い自動車総連傘下の組合では、メーカー12組合のうち、7組合で過去最高水準の一時金要求を盛り込んだ。戦術委員会後の記者会見で加藤自動車総連会長はメーカー組合のほとんどが賃金改善分として月例賃金の1,000円増を要求し、2,000~3,000円が中心の他産別に比べて、若干押さえ気味の内容になっていることから、「取りきり要求だと思っている」との意気込みを語った。

要求提出後の各労使交渉のなかで、経営側は「競争力低下につながる賃金改善は受け入れ難い」、「一時金の引き上げが収益に与える影響は極めて大きく、支払能力を超えた要求である」などと主張している。これを受け加藤金属労協議長は、史上最高益となる上場企業が相次ぐなか、うち約3割が金属労協登録組合の企業であると強調したうえで、「この間の(企業業績の回復を担った)労働者の汗に月例賃金で答えるべきだ」と訴えた。戦術委員会でも「基本的な労働条件である月例賃金について、その重要性を明確に位置づけ、闘争を推進していくこと」を確認した。

26年ぶりとなる1,000人規模の総決起集会について加藤議長は、「産別ごとに要求水準は異なるが、思いは一つ。26年ぶりの集会を開いて、考えを統一して、心を一つにしないと(金属労協の)、一体感はでない」と開催の目的を説明。金属労協の総意を結集するために総決起集会を開催し、3月15日の集中回答日に向け、交渉を強力に推し進めるための「決意表明」の場とする考えを明らかにした。