賃金カーブ維持プラス引上げ原資1%または2500円を要求/UIゼンセン

(調査・解析部)

[労使]

流通や繊維などの労組でつくる民間最大産別、UIゼンセン同盟(高木剛会長・約83.2万人)は1月31日、さいたま市で中央委員会を開き、今季交渉に向けた賃上げの統一要求として「賃金体系(カーブ)維持プラス賃金引上げ原資 組合員平均1%または2,500円」と、定昇制度のない中小向けに「3%または7,500円」の2つの柱を盛り込んだ方針を決定した。実質的な統一ベア要求を掲げるのは、昨春闘に続き2年連続。

あいさつの中で高木会長は、「経済は好況を持続し、企業業績も好調なところが多い一方、労働分配率は長年に渡って低下を続け、労働者家計の可処分所得は目減りを続けている」などと現状を分析。賃上げ要求について、「配分構造のひずみを少しでも緩和するというのが最大の眼目」と述べ、「今年、成果を上げられなければ、労組の存在意義が問われかねない」と強調した。

パート等の賃上げについては、「同一価値労働同一賃金原則を踏まえて対処していくのは当然」としたうえで、現状について「多くのパート等の時間給の実態は80%という均衡レベル以下にあり、80%を下回る場合には公序良俗規定違反で不法行為となるという裁判所の判例を犯していると言われても致し方ない」と主張。パート等の時間給の引上げ基準として、昇給・昇格制度がある場合は「昇給・昇格分プラス1%、8円」、昇給・昇格制度のない場合は「3%プラス25円」の要求を掲げたことについて、「心して取り組まなければならない」と訴えた。 

中央委員会で決定した春季闘争方針では、パート等の賃上げ目標として、「正社員と職務は同じだが人材活用の仕組みや運用などが異なる場合でも、(パート等の)採用時時給を高卒初任給の時間換算額の8割を下回らないものとする」などと盛り込んでおり、初めて正社員の8割水準という目安を打ち出した。

加盟組合は、20日(遅くとも2月末)までに要求を提出。3月15日、23日をヤマ場に、一斉に回答を出すよう経営側に迫る。