改編も含めた組織拡大に意欲/介護クラフトユニオン定期大会

(調査・解析部)

[労使]

UIゼンセン同盟傘下の日本介護クラフトユニオン(NCCU、河原四良会長、5万8,000人)は14日、東京都内で定期大会を開き、2006年度の活動方針などを決めた。

あいさつした河原会長は、2006年4月から施行される改正介護保険法に向け、先月から始まった介護給付費の見直し論議について、「雇用と労働環境についての議論が非常に不足している」と懸念を表明。そのうえで「見直しの隠れたポイントが膨張する保険財政の抑制にあったとしても、今以上に介護労働者の労働環境が後退しないよう介護報酬の設定を中心に要請する」などと述べ、介護労働者の雇用管理改善につながるような報酬の設定に向けて、厚労省などへの要請を続ける方針を明らかにした。

50分会組合員数6万人を目標に掲げて取り組んだ組織拡大については、「分会目標数は到達できなかった(大会時点で20分会)が、日本型クラフトユニオンになっているNCCUにとって、分会数の拡大はますます重要になってくる」と指摘。個人加盟に加え、介護関係企業がビル管理、ケータリングなど異業種事業を展開している所も多いため、企業単位の分会の組織化も引き続き強化する。06年度は引き続き分会数50、組合員数7万人を目標に掲げている。

また、今後の課題について河原会長は、「介護と障害者福祉との法的な統合が取りざたされるなか、福祉全般への仲間づくりに関心を持たざるを得ず、その周辺業務に携わる労働者も視野に入ってくる。近い将来、NCCU組織の改編もあり得るのではないか」などと述べ、結成5年を迎え、組織の改編をも視野に入れた組織拡大に意欲を示した。

大会では、 (1) 労働安全衛生・災害補償に関する労使協定の締結を含む、秋季・統一労働条件整備 (2) 共済制度の充実のための諸規則の改正――などの活動方針を決定するとともに、「今次介護報酬改定に伴うNCCUの取り組み」を決議した。