小泉旋風にやられた/連合・笹森会長

(調査・解析部)

[労使]

連合の笹森清会長は12日、衆議院総選挙結果を受けて連合本部で記者会見し、「民主党がこれほど議席を失うとは思わなかった。根本的な対応、その他一から考え直さなければならないことがたくさんある」と述べ、民主党との協力関係に変わりはないものの、政党・政治との関わりや選挙対応などについて根本的に検討し直したいとの考えを示した。

民主党の敗因については、「一言で言えば、小泉旋風にやられたと思う」と分析。小泉自民党の今回の選挙手法を「解散後3週間の露出度と、自民党内部の問題だけが今回の争点のように映されたことが非常に大きかった。選挙に入って折り返し点以降は、現場を回っていてその潮目が変わり始めたとの思いを持ったが、その半面、いやな感じも残っていて、それを最後までぬぐい切れなかった」などと民主党候補の応援に飛び回った実感を語った。

無党派層の票が以前より多く自民党に流れ込んだことについては、「都市部サラリーマンへの政策アピールが、郵政民営化の是非一点に消された。キャンペーンを始めたときの反応と比べ、選挙戦に入ってからの反応が非常に薄くなってしまった。増税反対などのアピールを違った形で出していけばよかったと思う」と述べ、郵政民営化問題に争点を絞った小泉純一郎首相に無党派層が引っ張られたとの見解を示した。

一方、連合の集票力については「今から25年前に比べれば格段に落ちたことは間違いないが、これは時代の変化のなかで全ての団体に言えることで労組だけの話ではない。今回はそのなかで、地方組織はよく踏ん張ったと思う。これだけの逆風のなかで勝ち抜けた純粋組織内候補もいる」などと評価した。

なお、連合は同日、「すべての争点から逃げ回り、強権政治とも言われる小泉・自公連立政権が存続することになったが、内政・外交の双方で行き詰まっていることに変わりはない。連合は引き続き民主党を支援し、次期総選挙で勤労者を基盤とする政権の樹立をめざす」とする草野忠義事務局長談話を発表した。