介護ヘルパーの雇用安定化協定を締結/日本介護クラフトユニオン

(調査・解析部)

[労使]

介護労働者を中心に構成する職業別労働組合、日本介護クラフトユニオン(NCCU、河原四良会長、約5万3000人)は8日、記者会見を開き、昨年の改正労働基準法の施行を踏まえて、介護関係会社9社と「有期労働契約による組合員の雇用安定化協定」を締結したことを明らかにした。

同協定は、改正労基法に基づき、組合員の雇い止め・更新手続きや解雇の事前協議、正規社員への登用――といった事項についてとりまとめたもの。

雇い止めについては、「雇用契約に更新条項がある場合(更新の有無が明示されていない場合も同様)は、会社は契約満了の45日前までにNCCU(分会を経由)に、本人には30日前までに通知する」などとし、不都合があれば本人通知の2週間前から、労使交渉ができるよう措置している。

また、雇用契約期間内の(やむを得ない)解雇について「事前にNCCUと協議する」よう明記したほか、正社員登用についても「会社は本人の希望を聴くとともに実績などを勘案し、正規社員(短時間社員を含む)に登用する場合がある」などを盛り込んだ。

同ユニオンの組合員のおよそ85%は、有期契約の雇用労働者。雇用契約期間は、1年以内が8割を占める。組合員の意識と就労ニーズを聞いた04年のアンケート調査で、仕事にまつわる不満足度は身分・雇用形態(32.5%)が、賃金・収入(45.6%)に次いで高かった。

会見した河原会長は「業界に影響力のある介護企業との集団労使交渉が、何としても必要だった。念願の雇用安定化協定の影響が、他企業にも波及することを望みたい」と強調。同ユニオンは今後、介護労働者の時間管理や時給のあり方などについても、協定締結といった形での業界基準の確立をめざす。