労働協約改定項目はほぼ実現へ/電機連合

(調査・解析部)

[労使]

大手電機メーカーの労使交渉では、仕事と家庭の両立支援策を検討する協議機関の設置など、労働組合側が要求していた労働協約改定項目について、日立製作所をはじめほぼすべての労使で合意する見通しとなった。8日に開かれた電機連合の中央闘争委員会で大手メーカーの各組合が交渉状況を報告し、明らかになったもの。賃金、一時金では、経営側が慎重な姿勢を変えていないことが報告された。

電機連合では今年が労働協約改定の年にあたるため、各組合は経営側に対し、賃金、一時金にあわせ協約改定項目も要求している。電機連合は今回、 (1) 次世代育成支援対策推進法が策定を義務づける「行動計画」について労使協議する場の設置 (2) 配偶者出産時の特別休暇の5日間への延長(男性組合員対象) (3) 組合員のキャリア開発支援について労使協議する場の設置――の3項目を、すべての組合が統一して要求に盛り込む「統一目標基準」に設定。3項目については5日までに交渉を追い込むよう、1日の中闘委員会で各組合に指示していた。

8日の中闘委員会の各組合の報告では、大手17メーカーすべての組合で、次世代法とキャリア開発支援に関する協議機関の設置についてはほぼ合意に至ったことが明らかになった。「3項目については確かな感触を得ることができた」(松下)、「協約は3項目を含めほぼすべて実現することができた」(日立)、「最終的な合意内容のまとめの段階に入っている」(NEC)、「おおむね趣旨に沿った感触を得られた」(富士電機グループ)などと、表現は違うもののすべての組合が経営側から得た好感触を伝えた。

配偶者休暇の延長については、富士通、東芝、沖電気などが合意の感触を得られていない。富士通の経営側は「職場から納得の得られる制度にするため、労使で、何のためにするのかの観点で議論を進めたい」と主張。東芝の経営側は「コスト増につながる」(東芝)と反発した。

賃金、一時金の交渉ではほとんど進展がみられなかった。ただ、岩通では一時金について、経営側が4カ月以上の支給を確約。4カ月を超える部分の水準交渉に入った。