だれもが安心できる年金制度の実現を/連合の中央総決起集会

(調査・解析部)

[労使]

連合は6日、東京・新宿の東京厚生年金会館で、政策要求実現中央総決起集会を開き、通常国会で「だれもが安心できる年金制度の構築」などの政策要求の実現をめざす集会アピールを確認した。

連合は例年、各組合の春闘要求提出を直前に控えたこの時期に、春闘の本格スタートを宣言する集会を開いていた。だが、今年は連合としてのベア統一要求を3年連続で掲げなかったことに加え、「政策・制度改善に取り組みを特化する」との方針から、年金制度の抜本的な改革の実現など、あえて政策・制度要求を軸にする集会に衣替えした。

集会には組合員ら約2,500人が参加(主催者発表)。笹森清会長はあいさつで「業績回復は働く人の犠牲の上に成り立っている」と業績改善に見合う賃上げの必然性を訴えたうえで、「労組は塀の中で、自分たちの利益だけを守るということではいけない。社会的な運動として、自分たちの取り分だけではなく、社会・国民全体が抱える問題を打破する政策や制度の実現が大事だ」などと説明。とくに政府の年金改革案について、「問題を先送りして負担増と給付減を押しつけるものだ」と批判し、「絶対に廃案にしなければならない」と強調した。

参加者からは、「来年で定年を迎えるが、期待していた年金は(月額)13万円でさいたま市の生活保護費と大差ない。年金があるからと退職後もローンを組んでいる人が多いのに、負担増給付減でどうやって生きていけばいいのか」(JAM埼玉)、「若者には、自分たちが年金をもらえるかという不信感がある。政府の年金改革案は改革とは言えない」(松下電器労組)などの意見がでた。

連合は3月30日に要求実現に向けた全国統一行動を配置。東京で中央集会を開催するほか、46道府県でそれぞれ集会を計画している。