JR各社ではベア1,000円要求/JR連合

(調査・解析部)

[労使]

JR連合(明石洋一会長、7万3,600人)は3日、京都市で中央委員会を開き、今春闘の賃上げ統一要求基準を決めた。JR各社の労組は昨年同額のベア1,000円を要求。一方、JRグループ関連労組は「6,000円(定昇・ベア込み)中心」を要求基準とした。JR各社の労組は2月18日までに各社に要求を提出。グループ労組は2月27日に一斉に要求提出する予定だ。

JR連合は、昨年の「中期春闘改革方針」で、全産業1,000人以上との組合員ベースの格差2.2ポイント(平均8,000円)を、3年間で是正すると提言していた。昨春闘では、ベア獲得を果たせなかったものの、JR西労組の「エリア手当」の新設や、JR東海ユニオンの家族手当の改善など、実質的な賃金や労働条件の向上を獲得した単組もあった。JR連合では、現在、全産業との所定内賃金格差は0.6%(約2,000円)にまで縮小したとしている。また、JR連合は、昨年からグループ労組の春季生活闘争にも着手。グループ内で定期昇給制度が確立されていない企業もあることから、制度の確立、改善を訴える方針だ。

中央委員会はまた、JR不採用問題で昨年12月に最高裁判決で国労の敗訴が確定したことを踏まえ、JR連合の10万人組織達成に向けての取り組みも確認した。明石会長はあいさつのなかで、「もはや国労に将来展望は見出せない。真に問題解決を願う(国労)組合員は限界やあきらめを感じている。JR労働界の再編につなげていかなければならない」などと訴えた。また、昨年10月、北海道の国労組合員約300人が旧鉄産労と合流して、JR北労組を結成したこともあり、「労組再編成の動き」に備え、「早急な受け皿作り」が必要と強調した。現在、JR東日本には複数の単組が並存している。うちJR連合所属組合には、JR東日本労組とJR東日本ユニオンがあるが、「早急に組織統一をはかってその先頭にたつことが求められる」などと、両単組に統合を要請する意向も示した。