労働基本権確立を最重点に/自治労、当面の方針確認

(調査・解析部)

[労使]

自治労(人見一夫委員長、97万4,000人)は1月29、30の両日、東京・九段下で中央委員会を開き、今春闘方針と当面の闘争方針を決めた。都道府県の人事委員会が軒並み2年連続のマイナスベアを勧告し、さらに自治体当局から独自の賃金カット提案が相次ぐなかでの今春闘の課題について人見委員長は、「一番必要なのは、交渉力の強化。労働基本権の確立を最重点に取り組んでいかなければならない」と強調した。

中央委員会では、昨年に続き春闘方針の柱を (1) 個別賃金要求(標準労働者の年齢ポイント賃金) (2) 自治体最低賃金(14万8,500円以上<日給7,500円以上、時給940円以上>)の協定化――などにおくことを確認した。

個別賃金要求については、人事院勧告を待たず「労使交渉で決定する」ための取り組みと位置づけ、今春闘でも行政職について代表職群の年齢ポイントごとに到達目標を設定。30歳ポイントで25万2,500円以上(国家公務員行政職一4-5水準)、35歳ポイントで30万4,800円以上(同5-9水準)、40歳ポイントで36万6,100円以上(同6-13水準)――に決めた。自治体労働者だけでなく新たに公共サービス民間労働者についても、目標水準を設けた。例えば35歳ポイントで非現業系34万5,500円以上、現業系30万500円以上、看護職29万8,000円以上、福祉職26万2,200円以上――などとした。

当面の闘争方針では、「任期付短時間勤務制度」の創設などを盛り込んだ地方公務員法改正案が、今通常国会に提出されることを踏まえて、臨時・非常勤職員の任用実態と制度の乖離解消に取り組むことを確認した。

都市交、全水道との組織統合については、松島稔・都市交委員長、足立則安・全水道委員長と協議し、新しい形の産別組織づくりという大きな視点から検討する方向性で一致していること、また、組織統合を検討中の全国一般の浦俊治・委員長とは統合の基本的な考え方や組織形態について意見交換したことなどを報告した。全国一般との統合については、8月の定期大会をメドに、一定の方向性を示すことができるように検討をすすめる。

質疑では、「全国最年少28歳の早期退職制度の導入が提起されている」(長野)、「事業費の一部(132億円)を捻出する目的で、04~05年度、5%の給与カットを行うという新たな形の賃金攻撃が始まっている」(宮城)――など自治体がすすめるリストラの実態を訴える声が相次いだ。