産業別最低賃金制度の見直しを批判/金属労協の見解

(調査・解析部)

[労使]

金属労協(IMF・JC、鈴木勝利議長)は13日、総合規制改革会議が昨年12月の第3次答申に盛り込んだ「産業別最低賃金制度の見直し」について、「規制改革の対象とすべきものではない」などと非難する見解を発表した。

答申は産別最賃制度について、「労働市場は産業別に形成されているわけではなく、産別ごとに異なる最低賃金を設定する意義は乏しい」と言及。「その在り方を速やかに検討すべきだ」と結論づけた。また、産業別で最低賃金の設定が必要な場合は、労使協定などで自主的に定める労使自治方式も考えられるとしている。答申は、2004年度中の検討を求めている。

これに対し金属労協は、「産別最賃が果たしている賃金の下支えのとしての役割と機能を軽視したものだ」と主張。「未組織労働者にも適用される、わが国唯一ともいえる当該産業労使参加による賃金決定システムであり、規制改革の対象とすべきではない」と厳しく批判している。

産業別最低賃金は、特定の産業において、関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めるものについて設定されるもの。現在、各都道府県ごとに全部で249件の最低賃金が定められている。このうち、金属産業の最低賃金は179件。対象となる雇用労働者約600万人の約6割にあたる340万人以上に適用されている。