日教組が第141回中央委員会を開催/17日都内

(調査・解析部)

[労使]

日教組(榊原長一委員長、33万人)は17日、東京都内で中央委員会を開いた。榊原委員長はあいさつのなかで、政府が9日、イラクへの自衛隊派遣基本計画を閣議決定したことについて「明らかに憲法違反でありイラク特措法にも反する」とし、派遣を許さぬため、「教え子を再び戦場に送るな」をスローガンに掲げる日教組が先頭にたち、全国各地で反対運動を繰り広げようと訴えた。

また三位一体改革の一環で、首相が来年度国庫補助金の1兆円の削減を指示したことから見直し圧力が強まっている「義務教育費国庫負担制度」については、「この制度を形骸・破壊させていくことは、すべての子どもたちが等しく一定水準の教育を受ける権利の否定に繋がる。標準定数法にも連鎖し、日本の公教育体系全体が崩壊していくことになる」との危機感を表明。「来年度が同制度の剣が峰のたたかいとなる」とし、教育基本法の改悪や教育の市場化・民営化反対と併せた「教育を守る」国民運動を構築していこうと、強く呼びかけた。

今年3月に、文部科学省中央教育審議会が改正必要の答申をまとめ、先の通常国会でも改正案提出をめざしながら、公明党の慎重意見などで先送りされている「教育基本法」の改正については、「小泉首相は今回の選挙で憲法を変えることを明言し、教育基本法の改正を公約にした。この国の『かたち』を変質させることであり、そのため先行して現在の教育の理念・目的を変えるということだ」と改めて反発。河村文科相が13日、「来年の通常国会に教育基本法改正案を提出したい。省としても公明党との協議を年内に開始したい」との意欲を示していることに触れ、引き続き全国5万か所教育対話集会、署名、宣伝活動など現在とりくんでいる諸行動を継続強化し、大きな反対世論を形成していくことが重要だ」と強調した。

中央委員会で決めた当面の運動方針では、義務教育費国庫負担制度の堅持に向けた各方面への働きかけを強めること、教育基本法をめぐるとりくみとして (1) 署名(現在約162万筆を集約)・陳情書(同約2万団体)を来年の通常国会に提出すること (2) 地域の賛同を「教育基本法改悪ストップ実行委員会」(仮称)に結集すること――などを確認。「義務教育推進の財政基盤である義務教育費国庫負担制度の堅持を求める特別決議」「自衛隊のイラク派兵に反対する特別決議」も採択した。