■□――【メールマガジン労働情報/No.2164】
最低賃金全国平均1,500円の達成は2030年代前半できる限り早期に、「骨太方針2026」/政府 ほか
―2026年7月8日発行――――――――――――――□■
┏━━━━━━━━┓
本号の主な内容
┗━━━━━━━━┛
【行政】最低賃金全国平均1,500円の達成は2030年代前半できる限り早期に、「骨太方針2026」/政府 ほか
【統計】5月の実質賃金1.4%増、5カ月連続のプラス/毎勤統計速報 ほか
【労使】大手企業の夏ボーナス100万円超え/経団連の夏季賞与・一時金の妥結状況 ほか
【動向】「人口減少・AI時代の新卒採用と育成」を調査/リクルートワークス研究所 ほか
【企業】4年連続ベースアップ、平均5.1%賃上げ/ニッケン ほか
【海外】ワシントンD.C.やカリフォルニア州主要都市で最賃を引き上げ/物価連動で2~3%上昇 アメリカ
【イベント】オンラインセミナー「AI時代の労働市場はどう変わるか――マッチングの再定義」/リクルートワークス研究所 ほか
━━━━━━━━━━━━━━
【JILPT研究成果情報】
━━━━━━━━━━━━━━
◇資料シリーズNo.304『東南アジア諸国の職業能力評価制度Ⅱ―カンボジア、タイ、ミャンマー、インドネシア、ベトナム―』
技能実習生の主な送り出し国であるカンボジア、タイ、ミャンマー、インドネシアおよびベトナムにおける職業
能力評価制度について、特に技能労働者を対象とした制度を中心に、教育資格制度、職業資格制度および技能評価制度の現状
と動向を明らかにしています。併せて、ASEAN加盟国間をはじめとする諸外国との職業資格の相互承認に関する
取組の進捗状況についても整理しています。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2026/304.html
━━━━━━━━━━━━━━
【JILPTからのお知らせ】
━━━━━━━━━━━━━━
☆副統括研究員(労使関係・人的資源管理分野)の募集について(2027年度採用)
労働政策研究・研修機構では、機構が行う労働分野の政策研究に従事し、労働法・労使関係部門のマネジメント
を担う副統括研究員(労使関係・人的資源管理分野、テニュアトラック)を募集します。
応募書類の提出期限は2026年7月10日(金)です。
【募集要項】https://www.jil.go.jp/information/koubo/kenkyuin/2026/05.html
☆2026年度・第74回「東京労働大学講座専門講座」(9月開講・会場開催)受講者募集中!
https://www.jil.go.jp/kouza/senmon/index.html
☆第11回国際労働雇用関係協会(ILERA)アジア地域会議2026のご案内
https://ilera-2026asia.com
━━━━━━━━━━━━━━
【行政】
━━━━━━━━━━━━━━
●最低賃金全国平均1,500円の達成は2030年代前半できる限り早期に、「骨太方針2026」/政府
政府は6月30日、第10回経済財政諮問会議において「経済財政運営と改革の基本方針 2026」(原案)を議論した。
「賃上げ環境整備」では、「持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム
(社会通念)として定着させる」とし、最低賃金については、骨太方針2025の「2020年代に全国平均1,500円」を
「遅くとも2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を達成」に変更した(11頁)。労働時間法制については、
夏以降の労働政策審議会において議論を行うとするにとどめ、注記のなかで、裁量労働制、変形労働時間制の検討などの
課題をあげた(14頁)。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2026/0630agenda.html
▽骨太の方針2026(原案)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2026/0630_shiryo01.pdf
●国家公務員に求められる能力を整理・言語化/人事院、「スキル一覧」を作成
人事院は6月30日、国家公務員に共通して求められる能力を整理・言語化した「国家公務員スキル一覧」を作成し、
各府省に提供した。作成に当たっては、職員アンケートや人事担当者、有識者へのヒアリングなどを実施。国家
公務員に共通して求められる能力を、業務スキル、対人スキル、概念化スキルの3つから成る「スキルセット」と、
スキルの獲得・発揮の前提となる姿勢である「マインドセット」に分類した。今後は同一覧を人事院が実施する
各種研修の充実、主体的な学びの支援などに活用していく。
https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/kisya/2606/skill-ichiran.html
●キツタカ不当労働行為再審査事件で再審査申立を棄却/中労委
会社が「下請取引基本契約」を締結して襖や畳の製作や搬出入等の業務を請け負う下請組合員への発注量を減少
させたことや組合の団交申入に対する会社の対応が不当労働行為であるとして救済申立があった事件の再審査事
件において、中央労働委員会は6月30日、下請が会社の事業活動に枢要な役割を果たしていたものの、業務は会
社の指示を受けずに行い下請本人の労務提供も求められていないことから会社の事業組織に組入れられていたと
は認められず、また下請組合員の一人は会社からの業務相当額の報酬を自らの判断で孫請に分配しており事業者
性が顕著であることなどから、下請は労働組合法上の労働者に該当しないとして組合の再審査申立を棄却した。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/futouroudou/dl/r080701-1.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【統計】
━━━━━━━━━━━━━━
●5月の実質賃金1.4%増、5カ月連続のプラス/毎勤統計速報
厚生労働省は7日、5月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表した。現金給与総額は、
就業形態計で前年同月比3.2%増の31万1,165円、うち一般労働者が同3.5%増の40万312円、パートタイム労働者
が同1.5%増の11万3,759円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で割った
実質賃金は、前年同月比1.4%増で5カ月連続のプラス。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r08/2605p/2605p.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r08/2605p/dl/houdou2605p.pdf
▽概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r08/2605p/dl/pdf2605p.pdf
●二人以上世帯の消費支出、前年同月比0.4%減/5月家計調査報告
総務省が7日に発表した「家計調査報告(5月分)」によると、二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は32万
345円、前年同月比で実質0.4%減少した。前月比(季調値)は3.7%増加。支出項目別でのマイナス寄与は、自動車
等関係費(マイナス2.30%)、教育娯楽サービス(同0.51%)、電気代(同0.30%)など。プラス寄与は、諸雑
費(0.93%)、授業料等(同0.83%)、家庭用耐久財(同0.72%)など。勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり
53万4,893円(前年同月比0.7%増)で5カ月連続の実質増加となった。
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
▽報道発表資料
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf
●消費者態度指数、前月から0.2ポイント改善も基調判断は「弱含んでいる」で据え置き/消費動向調査
内閣府は1日、消費動向調査(2026年6月実施分)の結果を公表した。消費者態度指数は33.8で前月差0.2ポイント
上昇。指数を構成する4つの意識指標のうち、「暮らし向き」が0.8ポイント、「耐久消費財の買い時判断」が0.2
ポイント、「雇用環境」が0.1ポイント、それぞれ上昇したが、前月差の上昇が0.2ポイントと小幅であることや
3カ月移動平均も前月差0.2ポイントと小幅な上昇であることから、消費者マインドの基調判断は、「弱含んでいる」
で据え置いた。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html
▽概要
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/gaiyou.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【労使】
━━━━━━━━━━━━━━
●大手企業の夏ボーナス100万円超え/経団連の夏季賞与・一時金の妥結状況
経団連は2日、2026年夏季賞与・一時金の大手企業業種別妥結結果(加重平均)の第1回集計を発表した。妥結
額平均は前年比1.88%増の100万8,706円で、比較可能な1981年以降の最高額を3年連続で更新し、初めて100万円
を超えた。業種別平均は、製造業106万434円(同1.63%増)、非製造業86万4,712円(同4.01%増)。従業員500人
以上の主要23業種大手248社を対象に、平均額が分かる112社について集計している。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/037.pdf
▽定例記者会見における会長発言要旨
https://www.keidanren.or.jp/speech/kaiken/2026/0706.html
●中小企業の景況感が改善、業況DI2.1ポイント上昇/日商・6月LOBO調査
日本商工会議所は6月30日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)」2026年6月調査結果を発表した。6月の全産
業合計の業況DIはマイナス22.2と、前月から2.1ポイント改善した。中東情勢の緊張緩和に向けた動きや政府に
よる対応効果などを背景に、一部で供給再開や代替品の提供等による影響の軽減がみられた。建設業、製造業、
卸売業では設備投資需要がけん引する形で引き合いがみられたほか、小売業では価格転嫁の進展がみられたこと
などから、中小企業の景況感は改善した。一方で、自治体による物価高対策や夏のボーナスへの期待感がみられ
るものの、長引く物価高や円安の影響により消費マインドは弱めの動きが続いている。トピックスは「設備投資
の動向」。
https://www.jcci.or.jp/news/research/2026/0630110000.html
▽調査結果
https://cci-lobo.jcci.or.jp/wp-content/uploads/2026/06/LOBO202606.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【動向】
━━━━━━━━━━━━━━
●「人口減少・AI時代の新卒採用と育成」を調査/リクルートワークス研究所
リクルートワークス研究所は6月30日、特別調査「人口減少・AI時代の新卒採用と育成」を発表した。本調査は、
人口減少やAIの進展などの環境変化の中で、企業が抱える人手不足の実態を把握するとともに、新卒採用や採用
後の育成の現状と変化の兆しを捉えることを目的に実施した。結果によれば、「不足している人材があるが、
過剰な人材はない」と回答した企業が57.1%と最も多く、人員の過剰感よりも不足感が根強いことが分かった。
AIなどのテクノロジーの進展が新卒採用数に及ぼす影響については、「変わらない」が68.8%と最も多く、
「増やす」「減らす」はそれぞれ7.5%だった。また、AIの今後の人材・採用戦略への影響について、「議論が
始まっている」との回答は35.5%だった一方、「議論を踏まえ、人材・採用戦略に反映させている」は6.5%に
とどまり、多くの企業はなお様子見であることが示唆された。
https://www.works-i.com/research/report/recruitment-training-report.html
●外国人増加、「人手不足解消」期待47%/NIRA調査
NIRA総合研究開発機構は、第4回「政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)」の速報結果を発表した。
経済分野「外国人に対する意識」では、雇用への影響について、「日本人の雇用機会を奪う」が25%だったのに
対し、「人手不足が解消される」は47%となり、肯定的な見方が上回った。また、生産性への影響については、
「国全体の生産性が下がる」が11%だったのに対し、「国全体の生産性が上がる」は38%だった。「労働に対す
る価値観」では、労働時間や社内の人間関係、全体的な仕事への満足度について、正規雇用者より非正規雇用者
の方が高く、労働環境の違いなどが背景にあると分析している。
https://nira.or.jp/paper/research-report/2026/082606.html
●「承継人材」候補者いない企業の2割、次代への承継を考えず/産業雇用安定センター
公益財団法人産業雇用安定センターは6月30日、「中小企業の課題解決に向けたOFF-JT研修の活用に関する意識
調査」の結果を発表した。今後の経営を担う「承継人材」の候補者が社内にいると回答した企業は47.7%だった。
候補者がいる企業では、育成方法として「順調に育っており特段の育成は考えていない」が35.2%で最多となり、
「実務経験を積ませる以外は考えていない」が27.3%、「OFF-JTを活用」が22.4%で続いた。一方、候補者がい
ない企業では、「社内で候補者を見つけ、実務経験を積ませて育成する」が42.4%で最多だったが、「現社長限
りとし、次代への承継は考えていない」も20.3%を占めた。また、DX推進人材については、「いない」が約5割、
「いるが能力的に十分ではない」が約3割となった。
https://www.sangyokoyo.or.jp/topics/OFF-JT-kensyu_20260630.html
●中小の6月売上げDIが上昇、先行き見通しも改善、人手不足感が強まる/日本政策金融公庫「中小企業景況調査」
日本政策金融公庫が6月30日に発表した「中小企業景況調査」によると、2026年6月の売上げDIは前月から7.6
ポイント上昇し、1.5となった。売上げ見通しDI(今後3カ月)は前月から4.3ポイント上昇の1.9となり、中小企
業の売上げは足元、先行きともに改善がみられる。利益額DIは、前月からマイナス幅が4.2ポイント縮小、マイナ
ス0.7となった。販売価格DIは前月から4.8ポイント低下し21.3となった一方、仕入価格DIは2.1ポイント上昇し59.7
となった。また、従業員判断DIは前月から6.2ポイント上昇して20.0と人手不足感が強まっている。生産設備判断
DIは5.9ポイント上昇して1.4となった。
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/keikyoyouyaku_2606.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【企業】
━━━━━━━━━━━━━━
●4年連続ベースアップ、平均5.1%賃上げ/ニッケン
レンタルのニッケンは1日、給与改定を実施し、定期昇給とベースアップを合わせて平均5.1%の賃上げを行うと
発表した。ベースアップは4年連続。同社は経営ビジョンに「社員が元気な会社」を掲げており、物価上昇を
踏まえた実質賃金の維持・向上に加え、人材確保や社員の挑戦・努力に報いる企業風土の醸成を目指す。2027年
度入社の新入社員についても初任給の引き上げを決定した。
https://www.rental.co.jp/news/newsrelease/260701-01.html
●全従業員約3万人の血圧測定習慣化を推進/三菱UFJ銀行・オムロン・JMDC
三菱UFJ銀行、オムロン、JMDCは6月30日、同行の全従業員約3万人を対象に、血圧測定の習慣化と「Personal
Health Record(PHR)」を活用したセルフケア支援を共同で推進すると発表した。全国の拠点に据置き型血圧計を
設置するほか、7月には全従業員を対象とした測定イベントを実施する。データの記録・可視化やフィードバック
により、継続的な健康管理と行動変容を支援し、脳・心血管疾患をはじめとする循環器疾患の予防や生活習慣改善
につなげる。今後は同行の健康保険組合と連携し、個人が特定されない形でデータを集計・分析し、健康状態の
傾向把握や生活習慣との関連性の分析を進める。
https://www.bk.mufg.jp/info/pdf/20260630_personal_health_record.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【海外】
━━━━━━━━━━━━━━
●国別労働トピック/JILPT
<アメリカ>
▽ワシントンD.C.やカリフォルニア州主要都市で最賃を引き上げ/物価連動で2~3%上昇 アメリカ
ワシントンD.C.(コロンビア特別区)やロサンゼルス市、サンフランシスコ市などカリフォルニア州の主な都市、
オレゴン州などは2026年7月1日に最低賃金を引き上げた。これらの地域は毎年7月に最賃を引き上げており、
物価連動方式をとる都市などでは、今回、2~3%の上昇となっている。ロサンゼルス市ではホテル・空港関連
従業員の最賃を、同市で夏季オリンピックが開催される2028年までに30ドルへと引き上げることにしていたが、
経営者団体等との妥協により、この水準への到達時期を2030年へと延期した。オクラホマ州では、州最賃を2029
年まで段階的に時給15ドルへと引き上げる州法案の是非を問う住民投票が行われ、反対多数で否決された。同州
では引き続き連邦最賃が適用される。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2026/07/usa_01.html
━━━━━━━━━━━━━━
【イベント】
━━━━━━━━━━━━━━
●オンラインセミナー「AI時代の労働市場はどう変わるか――マッチングの再定義」/リクルートワークス研究所
リクルートワークス研究所は7月30日(木)、オンラインセミナー「AI時代の労働市場はどう変わるか――
マッチングの再定義」を開催する。急速に変容する労働市場において、何を守り、人と仕事をどうつなぐのか。
政策・実務・人材マッチングの最前線に立つ有識者が集い、多角的な視点から、これからの働き方とマッチング
の可能性を考える。
https://www.works-i.com/seminar/matching.html
●「ミドル世代人材確保セミナー」/千葉県ジョブサポートセンター
千葉県ジョブサポートセンターは7月28日(火)、「ミドル世代人材確保セミナー」をオンライン開催する。
内容は、「ミドルから始める“じわり強くなる”採用戦略~社労士・キャリアコンサルタントが現場で聴いてき
た、活かし方・輝き方~」。参加費無料。対象は県内企業の経営者及び人事労務担当者。定員は15名程度(事前
予約制)。
https://www.chiba-job.com/event/7169