■□――【メールマガジン労働情報/No.2146】
物価「上がった」実感が9割台半ば 雇用環境D.I.は改善/日銀生活意識調査 ほか
―2026年4月24日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】物価「上がった」実感が9割台半ば 雇用環境D.I.は改善/日銀生活意識調査 ほか
【統計】3月消費者物価指数、1.8%上昇、25年度は2.7%上昇/総務省 ほか
【労使】最も切実な要求は正規・非正規ともに「賃金引き上げ」と「人員増」/全労連の女性労働者実態調査 ほか
【動向】26年度業績見通し「増収増益」企業割合、3年連続で減少/民間調査 ほか
【企業】コンタクトセンターの全通話をAIで解析/カウネット
【判例】「タイミー」利用者が集団提訴 直前キャンセルは「違法」/東京地裁
【海外】移民の割合は12.6%/デンマーク統計局調査、「非西欧」からの増加が顕著 ほか
【法令】労働関係法令一覧(2026年3月公布分)
【イベント】カスハラ対策をテーマに企業法務オンラインセミナーを開催/日本商事仲裁協会
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【JILPTからのお知らせ】
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☆「メールマガジン労働情報」は4月29日(水・祝)の配信をお休みします。
5月1日(金)は、JILPTの最近の研究成果等を紹介する特別号を配信します。
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【行政】
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●物価「上がった」実感が9割台半ば 雇用環境D.I.は改善/日銀生活意識調査
日本銀行は20日、「生活意識に関するアンケート調査」(第105回、2026年3月調査)結果を公表した。現在の
暮らし向きは、「ゆとりが出てきた」が5.8%(前回12月調査5.0%)、「ゆとりがなくなってきた」が53.4%(同
57.2%)で、暮らし向きD.I.は改善。現在の物価に対する実感は、1年前と比べて「かなり上がった」「少し上
がった」の合計が95%で前回調査95.2%とほぼ同じ。「1年後を見た勤め先での雇用・処遇についての不安」は、
「あまり感じない」との回答が増加し、「かなり感じる」との回答が減少したことから、雇用環境D.I.は0.3
(同マイナス3.3)に改善した。
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/ishiki2604.htm
▽全文
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki2604.pdf
●地域課題分析レポート「地域経済が直面する課題」を公表/内閣府
内閣府は15日、地域課題分析レポート「地域経済が直面する課題」を公表した。第1章「地域経済の動向」では、
2025年の景況感について、年末頃から物価上昇の継続や寒波・大雪といった天候要因により、改善の勢いが鈍化
したとした(概要2頁)。
雇用面では、有効求人倍率が各地域で1を超える水準が続いているものの、25年夏頃にかけて減少する動きがみ
られ、米国の通商政策に対する不透明感から、企業が新規採用を手控えていた可能性があると分析した。夏以降
は、多くの地域で求人が増加する動きに転じたとしている(同5頁)。
第2章「地域経済に影響を及ぼす環境変化や事象」では、景気ウォッチャーの現状判断理由コメントにおける主
要キーワードとして、「価・値上」「外国人・インバウンド」「米国・関税」「万博」「賃上げ・春闘・最低賃
金」などが挙がり、このうち「物価・値上げ」は、おおむね全ての地域で3割程度を占めた(同6頁)。
▽要旨
https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr26-1/chr26-1youyaku.pdf
▽全文
https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr26-1/cr26-1.html
●国内投資の促進を訴え 経済同友会会員懇談会で高市首相
高市首相は21日、都内で行われた経済同友会会員懇談会に出席した。同会創立80周年に祝意を示した上で、物価
高や潜在成長率の低迷、厳しい国際環境に直面する日本経済の現状に触れ、政府が一歩前に出て事業者の予見可
能性を高め、国内投資の促進に取り組むとの考えを示した。2027年度予算案の編成に向けては、複数年度予算や
長期的基金を活用した投資促進策などを骨太の方針で具体化すると述べ、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)
+首脳会合で発表した「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(パワー・アジア)」を通じ、
エネルギーと重要鉱物のサプライチェーンを強化する方針も示した。
https://www.kantei.go.jp/jp/105/actions/202604/21keizaidoyukai.html
▽エネルギー強靱化に関するAZEC+オンライン首脳会合についての会見/首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/105/statement/2026/0415kaiken.html
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【統計】
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●3月消費者物価指数、1.8%上昇、25年度は2.7%上昇/総務省
総務省は24日、3月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は112.1で前年同月比1.8%の上
昇。前月比(季調値)は0.5%の上昇。前年同月比で上昇が大きかったのは、コーヒー豆など「飲料」9.6%、
チョコレートなど「菓子類」8.1%など。
あわせて公表された、2025年度平均の消費者物価指数の生鮮食品を除く総合指数は111.7で前年比2.7%の上昇。
生鮮食品及びエネルギーを除いた総合指数は111.0で、前年度比3.0%の上昇。前年度比で上昇が大きかったのは、
うるち米など「穀類」18.0%、チョコレートなど「菓子類」9.2%など。
▽2026年3月分
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
▽2025年度平均
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/nendo/index-z.html
▽報道資料:2026年3月分及び2025年度平均
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
●2月の実質賃金、前年同月比2.0%増で2カ月連続のプラス/毎勤統計確報
厚生労働省は23日、2026年2月の「毎月勤労統計調査」結果(確報・事業所規模5人以上)を公表した。実質賃
金は前年同月比2.0%増(速報では1.9%増)で、2カ月連続でプラスとなった。現金給与総額は、就業形態計29
万8,542円(前年同月比3.4%増)、うち一般労働者は38万7,229円(同3.9%増)、パートタイム労働者は10万8,967
円(同1.6%増)、時間当たり給与は1,443円(同4.2%増)となった。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r08/2602r/dl/pdf2602r.pdf
▽統計表等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r08/2602r/2602r.html
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【労使】
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●最も切実な要求は正規・非正規ともに「賃金引き上げ」と「人員増」/全労連の女性労働者実態調査
全労連(秋山正臣議長)は13日、女性労働者の労働実態に関する調査結果を公表した。労働実態調査結果では、
全労連が試算する「最低生計費」に満たない賃金で働く女性が全体の43.6%に達し、無期雇用の非正規雇用者の
約半数が年収200万円未満で働いている状況が明らかになった。全体の約7割が「仕事を辞めたい」と感じなが
ら働き続けており、最も切実な要求は「賃金引き上げ」と「人員増」が正規・非正規ともにトップとなっている。
また、妊娠・出産・育児の実態を調べた結果からは、それらを理由に仕事をやめた経験がある女性労働者が
非正規で4割台に上っていることなどがわかった。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20260424.html
●賃上げ率は5.08%、中堅・中小の健闘続く/連合第4回集計
連合は17日、2026春季生活闘争の第4回回答集計結果を公表した。平均賃金方式で回答を引き出した3,365組合の
「定昇相当込み賃上げ計」は加重平均で1万6,879円・5.08%(昨年同時期比136円減・0.29ポイント減)となった
ものの、5%台の高水準を維持した。うち300人未満の中小組合2,156組合は1万3,394円・4.84%(同111円増・0.13
ポイント減)となり、100~299 人と300~999人の組合では、金額で昨年同時期を上回る健闘が続いている。
有期・短時間・契約等労働者の時給の引上げ率(概算)は 6.61%で、一般組合員(平均賃金方式)を上回っている。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2026/yokyu_kaito/kaito/press_no4.pdf?284
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【動向】
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●26年度業績見通し「増収増益」企業割合、3年連続で減少/民間調査
帝国データバンクは22日、企業の意識調査結果を発表した。26年度の業績見通し(売上高および経常利益)につ
いて、「増収増益」と回答した企業は23.9%と3年連続で減少した。「減収減益」は22.6%と3年連続で増加した。
業績の上振れ材料(複数回答)は「個人消費の回復」32.0%が4年連続トップ、「原油・素材価格の動向」(26.9%)、
「所得の増加」(21.7%)が続き、消費を喚起する材料が目立つ。下振れ材料は「原油・素材価格の動向」52.1
%が前回から18.6ポイントの大幅上昇となり、「物価の上昇」、「人手不足の深刻化」、「個人消費の一段の低
迷」が3割台で続いた。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260422-2026earningsforecast/
●正社員の約半数「クォーターライフクライシス」状態/民間調査
マイナビは21日、正社員と企業の中途採用担当者を対象に実施した「クォーターライフクライシス」に関する調
査結果を発表した。「クォーターライフクライシス」とは、25~34歳の間で人生に対して不安や焦燥感、憂鬱感
などの葛藤を感じている状況のこと。正社員の約半数が同状態にあると回答し、悩み・葛藤の内容としては
「十分に稼げていない」が52.7%で最も高い。25~29歳では「今後のキャリアのために次に何をすべきかわから
ない」が30~34歳と比べてやや高く、将来に対する漠然とした不安がある様子がうかがえる。
企業による従業員への支援内容としては「定期的に従業員の面談を行う」が最多で、「専門家のメンタルヘルス
相談やカウンセリングを受けられるようにしている」が続いた。
https://www.mynavi.jp/news/2026/04/post_53077.html
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【企業】
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●コンタクトセンターの全通話をAIで解析、新人研修にも活用/カウネット
Eコマースサービスを提供するカウネットは22日、コンタクトセンターの全通話をAIで解析・スコアリングする
仕組みを構築したと発表した。月間約1万件に及ぶ全通話を自動解析することで、従来の一部抽出によるモニタ
リングから、通話データを客観的に資産化する「全件品質管理」へ移行する。言葉遣いや課題解決のスピード、
顧客の感情変化などを解析し、「共感表明」「丁寧さ」「傾聴姿勢」といった定性的な応対スキルもスコアリン
グする。また、新人研修での模擬応対(ロールプレイング)をAIが解析し、その場で「良かった点」「改善点」
をフィードバックすることで、教育担当者の負担を軽減しながら、新人が待ち時間なく繰り返し学習できる環境
を実現する。
https://www.kokuyo.com/news/release/260422kau1/
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【判例】
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●「タイミー」利用者が集団提訴 直前キャンセルは「違法」/東京地裁
仕事や家事の空き時間に働く「スポットワーク」の契約を勤務直前にキャンセルされたのは違法だとして、東京
や愛知など1都4県の利用者9人が21日、仲介アプリ最大手「タイミー」に未払い賃金や慰謝料計約312万円の
支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。利用者側の代理人弁護士によると、スポットワークの直前キャンセ
ルを巡り、仲介業者の責任を問う訴訟は初めて。訴状によると、9人は2021年10月~26年3月、タイミーのアプ
リを通じて飲食店やホテルなどでの仕事に応募した。マッチングが成立したが、いずれも勤務予定日の直前に
キャンセルされ、賃金や交通費を得られなかった。キャンセル件数は計135件に上る。
9人はマッチング時点で雇用契約が成立しており、事業者による一方的な解雇は無効だと主張。タイミーが違法
な直前キャンセルを防止する注意義務を怠ったなどと訴えている。提訴後に都内で記者会見した原告の60代男性
は「理不尽だなと思う。少しでも(利用者の)気持ちが分かっていただければ」と話した。タイミーは「訴状が
届いておらず、事実関係の確認が取れないため回答を差し控える」とコメントした。
時事通信(2026年4月21日)※リンク先なし
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<デンマーク>
▽移民の割合は12.6%/デンマーク統計局調査、「非西欧」からの増加が顕著
デンマーク統計局は2025年12月15日、報告書「デンマークの移民2025」を発表した。それによると、2025年1月
時点で人口に占める移民の割合は12.6%であった。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2026/04/denmark_04.html
▽「並行社会法」はEU人種平等指令違反の可能性/欧州司法裁判所判断
欧州司法裁判所は2025年12月、デンマークで制定された「並行社会(Parallel Society)法」について、民族的
出自によって特定の人々が住居を失うリスクを高めるものであり、EUの人種平等指令に違反するおそれがあると
判断した。同法は非西欧諸国からの移民が多数を占める地域の公営家族住宅の割合を、物件の解体や売却によって、
2030年1月1日までに最大40%まで削減する開発計画などを定めている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2026/04/denmark_03.html
<アメリカ>
▽サプライチェーンにおける労働搾取排除に向けた「評価ツール」を公開/アメリカ連邦労働省
連邦労働省は4月8日、企業のサプライチェーン(供給網)における労働者の搾取を防ぐための4種類の「自己
評価ツール」を公開した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2026/04/usa_04.html
▽AI企業が政策提言/「効率化の利益を労働者に還元」など
米国でAI(人工知能)を開発する企業が、相次いで、AIの普及に伴う社会経済への影響に関する分析や、予測さ
れるマイナス面への政策提言を含む報告書を発表している。米アンソロピック社は2025年10月14日に「AIの経済
的影響への備え-政策対応の探求」を公表。失業者への財政支援や職業訓練政策強化の必要性などを提言した。
また、米オープンAI社は4月6日に発表した「インテリジェンス時代の産業政策―人間第一を保つためのアイデア」
で、AIによる業務効率化の利益を「賃金減額のない週休3日制」や福利厚生などの形で労働者に還元することなど
を提案している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2026/04/usa_03.html
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【法令】
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●労働関係法令一覧(2026年3月公布分)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202603.html
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【イベント】
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●カスハラ対策をテーマに企業法務オンラインセミナーを開催/日本商事仲裁協会
一般社団法人日本商事仲裁協会(JCAA)は、5月21日(木)企業法務オンラインセミナー「カスタマーハラスメン
ト対策」を開催する。企業におけるカスハラの現状や事業者に求められる対応策などに関する説明を予定。
参加費無料、事前登録制(定員500人)。
https://www.jcaa.or.jp/seminar/seminar.php?mode=show&seq=162&