■□――【メールマガジン労働情報/No.2083】
労働争議の「総争議件数」、前年より減少も2019年以降は横ばい傾向/厚労省調査 ほか
―2025年8月22日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】地域課題分析レポート「製造業から見た地域経済の動向」/内閣府
【統計】労働争議の「総争議件数」、前年より減少も2019年以降は横ばい傾向/厚労省調査 ほか
【労使】BCP策定率は約4割/東商調査
【動向】会社を辞めたくなる時期、「3年目」「5~7年目」/民間調査 ほか
【企業】従業員のAI活用度、5段階で評価/DeNA ほか
【海外】猛暑時の休憩を義務化/産業安全保険法に関する規則を改正・韓国 ほか
【イベント】「全国就業実態パネル調査(JPSED)」10周年記念シンポ/ワークス研究所 ほか
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【行政】
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●地域課題分析レポート「製造業から見た地域経済の動向」/内閣府
内閣府は14日、地域課題分析レポート「製造業から見た地域経済の動向」を公表した。地域製造業の構造変化に
ついて、地域的な特徴を踏まえて分析した内容となっている。
第2章では、出荷額の大きい「輸送用機械産業」「一般・精密機械産業」「電気機械産業」3産業が集積する
都道府県を取り上げ、その特徴をみる。「輸送用機械業」は愛知、群馬の優位性が高く、給与も堅調に推移して
いる(概要4頁)。「一般・精密機械業」は、大阪や茨城、宮城、熊本の出荷額増が顕著で給与も堅調(同5頁)。
一方、「電気機械産業」は、東アジア各国の競争力が増す中で出荷額が減少、給与も伸び悩んでいることから、
構造転換の対応例として、大阪府守口市と大阪湾ベイエリアを紹介、経済環境や産業の構造変化への対応が重要
と指摘している(同6頁)。
まとめとして、各地で培ってきた産業技術や人的資源の集積を環境変化に対応させつつ、将来にわたって持続可
能な地域経済の発展を目指していくことが必要とし、産業の新陳代謝の促進や労働者のスキルアップ・リスキリ
ング支援が重要な課題としている(全文52頁)。
▽概要
https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr25-1/chr25-1youyaku.pdf
▽全文
https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr25-1/chr25-1_index-pdf.html
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【統計】
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●労働争議の「総争議件数」、前年より減少も2019年以降は横ばい傾向/厚労省調査
厚生労働省は20日、2024年「労働争議統計調査」の結果を公表した。ストライキやロックアウトなど争議行為を
伴う争議は76件(前年75件)、争議行為を伴わない争議は202件(同217件)。両者を合わせた「総争議」は278
件(同292件)で前年に比べ減少した。「総争議」件数は長期的には減少傾向で推移してきたが、2019年以降は
横這い圏内で推移。「争議行為を伴う争議」の件数76件、参加人数8,982人は前年比で増加した。主な要求事項
(複数回答)は「賃金」が154件(55.4%)で最多。次いで「組合保障及び労働協約」94件、「経営・雇用・人
事」90件など。
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/14-r06-09.pdf
▽概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/14-r06-08.pdf
▽2024年労働争議統計調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/14-r06.html
●7月消費者物価指数、前年比3.1%上昇/総務省
総務省は22日、2025年7月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は111.6で前年同月比3.1
%の上昇。上昇幅は6月の3.3%から0.2ポイント縮小した。前月比(季調値)は0.1%の上昇。前年同月比で上昇
が大きかったものは、「穀類」27.4%、「菓子類」10.8%など。「穀類」のうるち米は89.9%上昇。下落が大き
かったものは、「授業料等」マイナス9.6%だった。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
▽報道資料
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
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【労使】
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●BCP策定率は約4割/東商調査
東京商工会議所は18日、「会員企業の災害・リスク対策に関するアンケート」2025年調査結果を発表した。「BCP
(事業継続計画)」策定率は39.5%。「備えが必要だと感じるリスク」として最も回答が多かったものは「地震」。
安全衛生法改正規則で強化が求められている熱中症対策の関連では、「クールビズ」を実施している企業が69.9
%、「従業員への水分・塩分補給品、冷却商品等の提供」53.6%、「作業場所の整備」53.0%が続く。
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1206977
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【動向】
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●会社を辞めたくなる時期、「3年目」「5~7年目」/民間調査
リクルートマネジメントソリューションズが4日発表した、新卒入社1~12年目の若手・中堅社員を対象に実施
した「組織適応」に関する調査結果によると、「3年目」と「5~7年目」に離職意向が高まる傾向があること
が分かった。理由について、3年目は業務の幅が広がるとともに独り立ちが求められ、成長機会である反面「つ
いていくのに精いっぱい」と感じやすく、5~7年目は業務に慣れ始める時期であるものの、仕事の広がりを感
じにくくなり「同じことの繰り返し」による停滞感から将来の成長がイメージしづらくなるためと分析している。
https://www.recruit-ms.co.jp/news/pressrelease/4417255882/
●CTOが重視する課題は「経営・事業戦略との一貫性ある研究・開発テーマの設定」/日本能率協会
日本能率協会は5日、全国主要企業のCTO(最高技術責任者)を対象に実施した「日本企業の研究・開発の取り
組みに関する調査2025」結果を発表した。2020年の初回調査に続き、今回で2回目。
研究・開発部門で特に重視する課題を尋ねたところ、「経営戦略・事業戦略との一貫性ある研究・開発テーマの
設定」53.1%、「オープンイノベーションの推進」36.0%、「研究・開発成果の製品化・事業化率の向上」35.5
%が上位に挙がった。また、高い成果をあげている企業ほど、アジャイル開発やオープンイノベーション、知的
財産の積極的な活用に加え、「暗黙知・組織知を経営資産と捉える姿勢」や「挑戦を許容する組織風土」の醸成
に取り組んでいることが示唆された。
https://jma-news.com/wp-content/uploads/2025/08/20250805_CTO-Survey_release.pdf
●企業の50.8%が正社員不足、3年連続で半数超の高水準/民間調査
帝国データバンクは19日、「人手不足に対する企業の動向調査」結果を公表した。2025年7月時点の企業が人手
不足を感じる割合は、正社員50.8%で7月としては3年連続の半数超、非正社員も28.7%と高止まりが続いてい
る。正社員業種別では、「建設」の68.1%が最多、猛暑による作業の制限や熱中症対策の義務化による作業手順
の見直しが影響を及ぼしていると分析、「情報サービス」67.6%、「メンテナンス・警備・検査」66.7%が続く。
非正社員では「人材派遣・紹介」が63.3%とトップ。「飲食店」「旅館・ホテル」は不足割合が大きく低下、そ
の理由として、非正社員就業者数がコロナ禍(2020年)以前の水準まで回復したことや、DXやスポットワークの普
及による生産性向上が考えられるとしている。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250819-laborshortage202507/
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【企業】
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●従業員のAI活用度、5段階で評価/DeNA
DeNAは6日、従業員と組織のAI活用度を5段階評価する新指標「DARS」を導入すると発表した。従業員一人ひと
りのAI活用レベルを測る「個人レベル」と、部署・チーム単位のAI活用レベルを測る「組織レベル」の2側面で
構成、半期の評価サイクルごとに可視化する。指標は、個人の人事評価には直結させず、個人に期待される役割
や成果を明確に示すためのグレード(等級)における推奨要素とし、半期ごとに目標設定する。
https://dena.com/jp/news/5279/
●新卒にも中途と同一の評価基準・報酬レンジを適用/エイジレス
ミドルシニア層の人材紹介を手掛けるエイジレスは12日、2026年4月以降入社の新卒を対象に年齢・学歴・肩書
に縛られない「エイジレス採用」制度を開始すると発表した。新卒にも中途と同一の評価基準と報酬レンジを適
用、応募者には希望年収を含めたプレゼンテーションの機会があり多角的評価により、375~1,000万円の年収レ
ンジで適切なオファーを提示する。
https://ageless.co.jp/posts/832
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<韓国>
▽猛暑時の休憩を義務化/産業安全保険法に関する規則を改正 韓国
雇用労働部は7月15日、「産業安全保健基準に関する規則」改正案を7月17日から施行すると発表した。今回の
改正では、猛暑(暴炎)への対策として、従来は勧告扱いだった、「暴炎5大ガイドライン」を法制化し、事業
主の保健措置を義務化して、新たに罰則規定を設けた。主な内容は、水分の提供、冷房装置の設置、休憩の付与、
保冷装具の支給、熱中症等の疑いで意識不明者が出た場合の救急通報などである。「暴炎」とは、健康被害を及
ぼす猛暑を指し、体感温度が31度以上になる作業場での長時間作業を「暴炎作業」と定義している。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/08/korea_03.html
<ILO>
▽2025年の世界の雇用増加予測を700万件下方修正/雇用・社会見通し2025年5月
2025年5月、国際労働機関(ILO)は、「世界の雇用・社会見通し:トレンド2025年5月更新版
(World Employment and Social Outlook: May 2025 Update)」を発表した。これにより、2025年の雇用増加予
測は、当初見込みの6,000万件から5,300万件へと下方修正された。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/08/ilo_01.html
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【イベント】
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●「全国就業実態パネル調査(JPSED)」10周年記念シンポ/ワークス研究所
リクルートワークス研究所は9月19日(金)、「全国就業実態パネル調査(JPSED)」10周年記念シンポジウムを
オンライン開催する。前半では、この10年で生じた、働き方の変化に関する分析結果を報告、後半のパネルディス
カッションでは10年を振り返り、これからの「働く」の在り方について議論する。
https://www.works-i.com/seminar/jpsed10.html
●オンラインセミナー「改正育児介護休業法実務対応」「社会保険入門講座」ほか/千葉県ジョブサポートセンター
千葉県ジョブサポートセンターは9月に、県内企業経営者・人事労務担当者を対象に次のオンラインセミナーを
開催する。いずれも定員15名程度(事前予約制)、参加費無料。
○9月5日(金)「女性人材確保セミナー・女性社員が辞めない会社の秘訣~採用難・人手不足を乗り越えるための現場改革~」
https://www.chiba-job.com/event/6342
○9月8日(月)、「シニア人材活用促進セミナー・波を掴んで前に進む!中小企業のシニア活用戦略」
https://www.chiba-job.com/event/6343
●労働講座「パワハラ防止に活かすアンガーマネジメント」/かながわ労働センター県央支所
神奈川県かながわ労働センター県央支所は10月20日(月)、労働講座「パワハラ防止に活かすアンガーマネジメ
ント」を相模原市で開催する。パワハラ対策やアンガーマネジメントの基礎、自分の怒りの傾向と対処方法を理
解し、適切な表現の仕方・指導方法について学ぶ。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/w4v/cnt/f7599/index.html#tokutei_sagamihara
●「リワーク」説明会をオンラインで開催/東京都立中部総合精神保健福祉センター
東京都立中部総合精神保健福祉センターは9月10日(水)、心の健康問題により休業した人が、職場復帰する際に
行う準備である「リワーク」をテーマにした、「精神科デイケア事業」オンライン説明会を開催する。
第1部「復職(リワーク)コース」では、紹介動画の視聴、リワークの実績と利用方法についての説明、
第2部「就労/復学・進学コース」では、紹介動画の視聴、進学・復学希望の方向け案内を予定。
対象は、都内企業及び関係機関のメンタルヘルス部門担当者等。参加無料。
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/chusou/kouenkaiboshu/deikeasetsumeikai
●外国人労働相談会を開催/東京都労働相談情報センター
東京都労働相談情報センターは9月17日(水)・18日(木)、東京で働く外国人や外国人を雇用する企業を対象に
労働相談会を開催する。東京外国人材採用ナビセンター・東京出入国在留管理局と連携し、職場や仕事に関する疑
問や悩みの相談に電話と来所(千代田区・飯田橋/事前予約制)で応じる。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/soudan-c/center/consult/post_128.html