メールマガジン労働情報 No.2075

■□――【メールマガジン労働情報/No.2075】

暮らし向き「ゆとりがなくなった」が6割超/日銀生活意識調査 ほか

―2025年7月18日発行――――――――――――――□■

┏━━━━━━━━┓
  本号の主な内容
┗━━━━━━━━┛

【行政】暮らし向き「ゆとりがなくなった」が6割超/日銀生活意識調査 ほか
【統計】5月の生産指数、前月比0.1%低下/鉱工業指数確報
【労使】正規雇用組合員の月額組合費平均5,102円/連合総研「労働組合費に関する調査報告書」ほか
【動向】看護師の処遇改善、事業者の約7割が実施/「看護師白書2024年度版」 ほか
【判例】防衛省職員のセクハラ認定「職務に付随」、国に賠償命令/東京地裁
【企業】インドネシアIT企業とパートナー契約締結、スマート工場を実現/沖電気工業
【海外】「減税・歳出削減法」が成立/低所得者向け医療保険・食料支援の支給厳格化も/アメリカ ほか
【イベント】国際コンファレンス「経済社会の進歩の計測:経済成長とウェルビーイング」/ESRI ほか

━━━━━━━━━━━━━━
【JILPTからのお知らせ】
━━━━━━━━━━━━━━

★2025年度・第73回「東京労働大学講座専門講座」(9月開講・会場開催)受講者募集中!

労働諸理論についての対面講義(グループ討論を含む)とレポート作成を通して、理論・実務両面での課題対応力の強化を目指します。
多くの方々のご受講をお待ちしています。

<人事管理・労働経済コース>
 9月1日(月)~11月28日(金)(15講義日)
<労働法コース>
 9月3日(水)~11月26日(水)(15講義日)

会場    :TKP市ヶ谷カンファレンスセンター(市ヶ谷駅)/東京都新宿区
講義時間:午後6時30分~8時10分(100分)
受講料 :1コースにつき45,000円(税込)
(主催)労働政策研究・研修機構・(共催)東京都
https://www.jil.go.jp/kouza/senmon/index.html

━━━━━━━━━━━━━━
【行政】
━━━━━━━━━━━━━━

●暮らし向き「ゆとりがなくなった」が6割超/日銀生活意識調査

日本銀行は14日、「生活意識に関するアンケート調査」(第102回、2025年6月調査)結果を公表した。現在の
暮らし向きは、「ゆとりがなくなってきた」が61.0%(前回3月調査55.9%)、「ゆとりが出てきた」が3.8%
(同3.9%)など。現在の物価に対する実感は、1年前と比べて「かなり上がった」が75.3%(同73.7%)、
「少し上がった」が20.8%(同22.4%)など。「1年後を見た勤め先での雇用・処遇についての不安」は、
「かなり感じる」が30.7%(同28.1%)となったことなどから、雇用環境D.I.はマイナス6.5(同マイナス0.7)
と悪化した。
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/ishiki2507.htm
(全文)
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki2507.pdf

●「外国人との秩序ある共生社会推進室」を設置/政府

政府は15日、省庁横断で外国人政策を担う司令塔組織、「外国人との秩序ある共生社会推進室」を内閣官房に設
置した。発足式で首相は、「一定範囲での外国人労働者の受入れやインバウンド消費の拡大で海外の活力を取り
込んでいくことは重要」と述べる一方、「出入国在留管理の適正化、外国人の社会保険料等の未納付防止、土地
取得を含む国土の適切な利用・管理など課題は多々存在する」とし、「外国人の懸念すべき活動の実態把握、
国・自治体における情報基盤の整備、各種制度・運用の点検・見直しなど」に省庁横断で取り組むよう指示した 。
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202507/15hossokushiki.html

━━━━━━━━━━━━━━
【統計】
━━━━━━━━━━━━━━

●5月の生産指数、前月比0.1%低下/鉱工業指数確報

経済産業省は14日、5月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」確報値を公表した。生産指
数(季節調整済)は前月比0.1%低下の101.2で2カ月連続の低下。業種別で低下したのは「電子部品・デバイス
工業」「輸送機械工業(除く自動車工業)」「無機・有機化学工業」等。上昇は「食料品・たばこ工業」「生産
用機械工業」「化学工業(無機・有機化学工業を除く)」等。出荷は前月比2.4%の上昇、在庫は同1.8%の低下。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202505kj.pdf

━━━━━━━━━━━━━━
【労使】
━━━━━━━━━━━━━━

●正規雇用組合員の月額組合費平均5,102円/連合総研「労働組合費に関する調査報告書」

連合総研は15日、「第21回労働組合費に関する調査報告書」をホームページに掲載した。単組と構成組織を対象
に組合費や会費の徴収状況等を尋ねたもので、これによると正規雇用組合員1人当たりの月額組合費(加重平均)
は平均5,102円で、前回調査(2021年)と比べ36円増加した(概要6ページ)。
非正規雇用従業員を組合員化する企業は28.5%、「正規雇用の組合員の組合費と同一基準」で組合費を徴収する
組合はフルタイム就労で18.9%、短時間就労で21.1%と2割前後にとどまっている(概要9・10ページ)。
報告書は、2024年10月から2025 年2月に実施した調査結果をまとめたもの。
https://www.rengo-soken.or.jp/work/2025/07/151622.html
(概要)
https://www.rengo-soken.or.jp/work/概要%20第21回労働組合費に関する調査報告書.pdf
(報告書全文)
https://www.rengo-soken.or.jp/work/全文%20第21回労働組合費に関する調査報告書.pdf

●「中小企業の円滑な事業承継の実現に向けた意見」を発表/東商

東京商工会議所は10日、「中小企業の円滑な事業承継の実現に向けた意見」を発表した。75歳以上の中小企業経
営者の割合は過去最高を記録、後継者不在企業が約5割にのぼるなど事業承継による世代交代が停滞する懸念を
指摘。(概要2ページ)
円滑な事業承継に向けて(1)事業承継の決断に向けた強力な後押し、(2)事業承継税制の特例措置の恒久化と
活用促進、(3)自社の役員・従業員に承継する際の支援策の体系化・拡充、(4)後継者不在企業の第三者承継
の推進、(5)総合的な支援体制の維持・強化、――の5項目について、国・東京都の施策に反映されるよう、
強く働きかけるとした。
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1206411
(概要)
https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1206409
(全文)
https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1206410

●イギリス産業支援機関と連携協定を締結/大阪商工会議所

大阪商工会議所は6月18日、イギリス北西部の都市圏「グレーター・マンチェスター」の産業支援機関「MIDAS
(Manchester Investment Development Agency Service)」と連携協定を締結した。2025年大阪・関西万博を
契機に、貿易・投資分野等における相互交流を促進する。鳥井会頭は「大阪の強みであるライフサイエンス分野
での技術連携、グレーター・マンチェスターの優れたスタートアップエコシステムを活用した在阪企業の海外
展開支援、中小企業の相互進出・貿易支援など、連携を進める」と意欲を示した。
https://www.jcci.or.jp/news/local/2025/0714095946.html

━━━━━━━━━━━━━━
【判例】
━━━━━━━━━━━━━━

●防衛省職員のセクハラ認定「職務に付随」、国に賠償命令/東京地裁

防衛省の同僚男性から職場で下腹部をもまれるなどのセクハラを受けたとして、女性職員が国と男性に300万円
の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であった。一場康宏裁判長はセクハラ行為を認定し、「職務
に付随して行われた」として国に250万円の支払いを命じた。
判決によると、2人は2020年4月から1年間、統合幕僚監部の同じ班で勤務。男性は23年12月、女性へのわい
せつ行為を理由に停職4カ月の懲戒処分を受けた。その後、女性は適応障害と診断された。
訴訟で女性側は、男性が職場で二の腕や下腹部をもんだなどと主張。男性側は、懲戒処分でこれらの行為は認
められておらず、職場の防犯カメラにも映っていないと反論したが、一場裁判長は「女性に好意を持っており、
拒絶されないと誤解して体を触ったとしても不自然ではない」などとして退けた。
防衛省の話 判決内容を慎重に検討し、適切に対応する。(時事通信)2025年7月11日 ※リンク先なし

━━━━━━━━━━━━━━
【動向】
━━━━━━━━━━━━━━

●看護師の処遇改善、事業者の約7割が実施/「看護師白書2024年度版」

マイナビが運営する看護人材紹介サービス「マイナビ看護師」は15日、会員対象の調査「看護師白書2024年度版」
を発表した。看護師の処遇改善の実施状況を尋ねたところ「実施している」事業者が前年の47.6%から21.9ポイ
ント上昇の69.5%となった。賃上げを目的とする「ベースアップ評価料」の新設等の処遇改善が影響したと分析
している。
看護師に職場でのハラスメントの状況について聞くと、「受けたことがある」64.6%、「他の職員が受けている
のを見たことがある」14.7%だった。ハラスメントを行っているのは「上司」69.7%が最多、「患者・入居者・
利用者」からの「セクハラ・ペイハラ(ペイシェント・ハラスメント)」は31.8%だった。
https://www.mynavi.jp/news/2025/07/post_49600.html

●「レジャー白書2025」、仕事より「余暇重視派」が過去最高を更新/民間調査

日本生産性本部は15日、「レジャー白書2025」(速報版)を発表した。余暇活動実態調査の結果をみると、仕事
(勉強や家事を含む)と余暇のどちらを重視するかを尋ねたところ、「余暇重視派」が67.8%と過去最高を更新
した。特に「仕事よりも余暇に生きがいを求める」の回答率が2021年以降増加しており、24年は37.8%と過去最
高を更新した。余暇活動の参加率は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が、前年から横ばいの48.3%と
なり、3年連続で1位となったが、コロナ禍前の19年の水準(54.3%)より低い。
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/release_2025_leisure_pre.pdf
▽詳細資料
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/app_2025leisure_pre.pdf

●新入社員のモチベーション、カギは「心理的安全性」と「成長支援」/民間調査

リクルートマネジメントソリューションズが6月23日発表した、「新入社員の意識調査2025」についてのプレス
リリースによると、 仕事・職場生活での不安のトップは「仕事についていけるか」64.8%で、「成長できるか」
30.1%は昨年比+4.6ポイントで昨年5位から今年4位と上昇。仕事で重視することのトップ2は「成長」35.1
%と「貢献」23.8%だった。仕事力や成長への意識の高まりについて「VUCA(ブーカ)環境」の中、正解のなさ、
先々の不確実性への不安意識によるものと分析。ただ結果を出すより、仕事の意味や価値実感がモチベーション
やパフォーマンスにつながるカギとしている。
「VUCA」は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の
4単語の頭文字を組み合わせた、不透明で曖昧な社会情勢を表す言葉。
https://www.recruit-ms.co.jp/news/pressrelease/1334539637/

━━━━━━━━━━━━━━
【企業】
━━━━━━━━━━━━━━

●インドネシアIT企業とパートナー契約締結、スマート工場を実現/沖電気工業

沖電気工業は14日、インドネシアのIT企業「ネットマークス・インドネシア」と製造現場の「作業ミスゼロ化」
を支援する「プロジェクションアッセンブリーシステム」のパートナー契約を締結した。インドネシアでは、
自動車・自動車部品など、組み立て工程での作業ノウハウやスキルを求められる現場が多いことから、労働力の
質の均一化や従業員教育、作業効率化などが課題となっていた。同システムは、プロジェクションマッピングと
画像センシングを組み合わせ、動画での作業指示や手の動きの検知、作業映像からネックとなる作業・工程を明
確化し、作業ミスを防ぎスマート工場を実現する。
https://www.oki.com/jp/press/2025/07/z25024.html

━━━━━━━━━━━━━━
【海外】
━━━━━━━━━━━━━━

●国別労働トピック/JILPT

<アメリカ>
▽「減税・歳出削減法」が成立/低所得者向け医療保険・食料支援の支給厳格化も

トランプ大統領は7月4日、大型減税や歳出削減策などを盛り込んだ「ひとつの大きく美しい法案」に署名し、
成立させた。連邦議会上院は1日に、下院は3日にそれぞれ同法案を可決していた。同法は、(1)メディケイド
(低所得者向け医療保険制度)の支給厳格化、(2)補足栄養支援プログラム(SNAP、旧フードスタンプ)の支
給厳格化、(3)残業代や飲食店従業員らが受け取るチップに対する課税の免除(高額所得者除く)、(4)児童
税額控除の引き上げ、(5)有給家族・医療休暇への税額控除の拡大、(6)不法移民の取り締まり強化、などの
内容を含んでいる。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/07/usa_03.html

<インド>
▽ギグワーカーが2047年に6,160万人に増加/V・V・ギリ国立労働研究所推計

労働・雇用省のV・V・ギリ国立労働研究所はこのほど、ギグワーカーに関する推計結果を公表した。今後、イン
ドにおいてインターネットの発展、労働市場の変容などにより、ギグワーカーが2047年に6,160万人になるという。
この報告書の分析は、インド政府が掲げる「2047年までに先進国入りを目指す」という野心的なビジョンを踏まえ、
その道筋を検証する一環として行われた。ギグエコノミーはGDP成長を担う主要産業として着目されており、2047
年までの先進国入りを支える推進力となると考えられている。だが、プラットフォーム企業の関連で就労する労
働者は、社会保障の適用を受けないほか、団結権や団体交渉権といった労働者としての基本的な権利がないために、
公正な報酬を受け取れていない場合や、安定的な就労が期待できないことがあるなどの諸問題が指摘されており、
法的な保護の枠組みの確立が急務となっている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/07/india_01.html

▽ギグワーカーの法的保護のための連邦法および州法/2020年社会保障法典とカルナータカ州法

2047年までに先進国入りをめざすインドにとって、ギグエコノミーは経済成長の牽引役とみなされている。しかし、
現行法ではギグワーカー保護の観点で多くの欠陥が指摘されており、ギグエコノミーを規制する法制度の整備が
求められている。2020年社会保障法典は、ギグワーカーおよびギグエコノミーの法律的な定義づけをインド法の
中で初めて行ったが、施行に必要な各州の手続きが遅れており、未施行のままである。州レベルでの法整備が
先行する形で進んでおり、2025年5月にはカルナータカ州でギグワーカー福祉委員会や苦情処理窓口の設置を定
める法律が成立したが、実効性の問題が指摘されている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/07/india_02.html

●日・中・アセアン・インド、9カ国のライフスタイルなど考察/民間調査

博報堂生活総合研究所はこのほど、日本・中国・アセアン各国、インドの9カ国・1万3,000人を対象にライフ
スタイルや行動を調査した「グローバル定点2025」結果を発表した。9カ国中最上位/最下位となった「特徴
的な項目」を国別にみると、日本は「安定した仕事・職場に満足している(25.6%)」が最下位(9位)、中
国は「夢が欲しい(24.1%)」で1位、タイは「家事や仕事などを夫婦で平等に分担している(71.7%)」で
1位、ベトナムは「能力主義は合理的な制度だと思う(42.3%)」で1位、インドネシアは「仕事や勉強をす
る時間を増やしたい(58.9%)」で1位、フィリピンは「海外で働くことに抵抗はない(50.1%)」が1位な
どとなった。
https://seikatsusoken.jp/newsrelease/24151/

━━━━━━━━━━━━━━
【イベント】
━━━━━━━━━━━━━━

●国際コンファレンス「経済社会の進歩の計測:経済成長とウェルビーイング」/ESRI

内閣府経済社会総合研究所(ESRI)は7月31日(木)、国際コンファレンス2025「経済社会の進歩の計測:経済成
長とウェルビーイング」を開催する。全米経済研究所(NBER)及び外部有識者らの協力を得て以下のセッション
等を予定。オンライン(Webex)参加・募集締切は7月29日(火)。
 セッション1:ウェルビーイング:測定とその政策への活用
 セッション2:SNA(国民経済計算)の進化
 セッション3:経済成長の非金銭的側面
 パネルディスカッション:経済社会の進歩の計測:経済成長とウェルビーイング
https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/workshop/r06_10fy/20250731main.html

●「20代のための1DayキャリアNavi~あしたのキャリアがみつかる!~」/東京しごとセンター多摩

東京しごとセンター多摩は8月1日(金)、「20代のための1DayキャリアNavi~あしたのキャリアがみつかる!~」
を立川市で開催する。就職活動している概ね29歳以下の人(学生含む)を対象に、「“なんとなく”でいい、わたし
の未来の見つけ方」をテーマに、午前は「キャリアデザインセミナー」、午後は「先輩社会人へインタビューとパネ
ルトーク」を予定。定員15名・先着順。
https://www.tokyoshigoto.jp/tama/topics/2025/topics_15305.html