■□――【メールマガジン労働情報/No.2076】
雇用保険の基本手当日額を8月1日から変更/厚労省 ほか
―2025年7月23日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】雇用保険の基本手当日額を8月1日から変更/厚労省 ほか
【統計】6月消費者物価指数、前年比3.3%上昇/総務省
【労使】「2026年度中小企業・地域活性化施策に関する要望」を発表/日商
【判例】中学教諭の過労自殺で和解、名古屋市が5,600万円支払い/地裁 ほか
【動向】2024年度「上場企業」平均年収671万円、過去20年で最高更新/民間調査 ほか
【海外】メルツ政権、「ターボ帰化」廃止法案を提出へ/ドイツ
【イベント】シンポジウム「地域観光の持続的な成長を実現する生産性向上の取り組みとは」/日本生産性本部 ほか
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【JILPTからのお知らせ】
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★労働政策フォーラム「健康格差社会とミドル・シニアのウェルビーイング」申込受付開始!
高齢期の健康は、社会参加などを通じて得られる生きがいや幸せな生き方と密接に関わります。同時に、健康は、
長期的な蓄積に依るものでもあり、中年期までの生活習慣や職業キャリアも重要な要素と言えるでしょう。
生活面でも、未婚化・晩婚化が進み、ミドル・シニアの生き方は一様ではありません。
従来通りではない中年期以降のライフステージを私たちはどう歩めばよいのでしょうか。
本フォーラムでは、様々な分野の知見を持ち寄って検討・議論します。
第1部 2025年8月30日(土)~9月5日(金) *オンデマンド配信
第2部 2025年9月5日(金)15時00分~17時30分 *ライブ配信(Zoomウェビナー)
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20250905/index.html
★2025年度・第73回「東京労働大学講座専門講座」(9月開講・会場開催)受講者募集中!
労働諸理論についての対面講義(グループ討論を含む)とレポート作成を通して、理論・実務両面での課題対応力の強化を目指します。
多くの方々のご受講をお待ちしています。
<人事管理・労働経済コース>
9月1日(月)~11月28日(金)(15講義日)
<労働法コース>
9月3日(水)~11月26日(水)(15講義日)
会場 :TKP市ヶ谷カンファレンスセンター(市ヶ谷駅)/東京都新宿区
講義時間:午後6時30分~8時10分(100分)
受講料 :1コースにつき45,000円(税込)
(主催)労働政策研究・研修機構・(共催)東京都
https://www.jil.go.jp/kouza/senmon/index.html
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【行政】
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●雇用保険の基本手当日額を8月1日から変更/厚労省
厚生労働省は22日、8月1日からの雇用保険の「基本手当日額」の変更を公表した。「基本手当日額」は、
離職前の賃金を基に算出した雇用保険の基本手当1日当たりの支給額。2024年度の平均給与額が2023年度と比べて
約2.7%上昇したことと最低賃金日額の適用に伴うもの。年齢ごとの最高額は、60歳以上65歳未満7,623円(203円
増)、45歳以上60歳未満8,870円(235円増)、30歳以上45歳未満8,055円(190円増)、30歳未満7,255円(190円増)
に、基本手当日額の最低額は、2,411円(116円増)に、それぞれ変更する。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59748.html
▽令和7年8月1日からの基本手当日額等の適用について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00048.html
●北海道国家戦略特別区域に「雇用労働相談センター」設置/厚労省
厚生労働省は15日、北海道国家戦略特別区域に「雇用労働相談センター」を設置した。国家戦略特別区域法に基づ
くもので、福岡市・北九州市、関西圏、東京圏、新潟市、愛知県、仙台市、広島県・今治市に続いて8カ所目。
ベンチャー企業やグローバル企業が、日本の雇用ルールを理解し円滑に事業展開できるよう支援するほか、弁護
士や社会保険労務士による相談対応やセミナーなども実施する。外国語による対応も可能。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000127946_00001.html
●「労使関係セミナー」を松江市で開催/中労委・島根県労委
中央労働委員会と島根県労働委員会は9月24日(水)、「労使関係セミナー」を島根県・松江市で開催する。
労働法を専門とする講師の基調講演「副業、兼業、スポットワークの留意点~副業・兼業の促進に関するガイド
ラインの解説を交えて~」に続き、出前講座、労働相談会などの紹介を予定。参加無料。
https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/employ/rodo_sodan/rodoiinkai/semina.html
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【統計】
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●6月消費者物価指数、前年比3.3%上昇/総務省
総務省は18日、2025年6月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は111.4で前年同月比3.3%
の上昇。上昇幅は5月の3.7%から0.4ポイント縮小した。前月比(季調値)は0.1%の上昇。前年同月比で上昇が
大きかったものは、「穀類」29.0%、「菓子類」9.0%など。「穀類」のうるち米は99.2%上昇。下落が大きかった
ものは、「授業料等」マイナス9.6%だった。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
▽報道資料
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
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【労使】
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●「2026年度中小企業・地域活性化施策に関する要望」を発表/日商
日本商工会議所は17日、「2026年度中小企業・地域活性化施策に関する要望」を発表した。成長型経済への移行、
経済好循環の実現といった好機を迎えている一方、中小企業の多くが人手不足に起因する労務費増や賃上げを上
回るコストプッシュインフレに直面し、業況が二極化していると指摘。(1)人手不足等に直面する中小企業等
の付加価値拡大への挑戦支援、(2)価格転嫁など、取引適正化に向けたビジネス環境整備、(3)地域への投
資拡大など、地域経済の再活性化支援――について、具体的施策の迅速な実行と予算措置を講じるよう求めた。
併せて、米国の関税措置に伴い売上減少や資金繰りの悪化が懸念されるとして、地域の産業、雇用を守るための
対策に万全を期すよう訴えた。
https://www.jcci.or.jp/news/recommendations/2025/0717140010.html
(全文)
https://www.jcci.or.jp/activity/recommend/20250717_requestfor2026SMEbudget.pdf
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【判例】
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●中学教諭の過労自殺で和解、名古屋市が5,600万円支払い/地裁
2016年に名古屋市立中の男性教諭、=当時(36)=が自殺したのは過重労働が原因だとして、遺族が名古屋市と愛知
県に計約6,890万円の損害賠償を求めた訴訟は17日、名古屋地裁で和解が成立した。市が遺族に和解金5,600万円
を支払う内容で、遺族側は県への訴えを取り下げた。
訴状によると、男性は15年7月にうつ病を発症した。半年間の休職を経て復職したが、16年12月に自ら命を絶った。
休職前3カ月間の時間外労働は、部活動の指導や教材編集などで月平均100時間を超え、23年に公務災害と認定さ
れた。提訴後、市側は事実関係を争わず、地裁から和解を提案されていた。
男性の妻は和解成立後に記者会見し、「夫は目まぐるしい公務の連続から逃れられず限界を超えてしまった」と
強調。「多忙で複雑な職務は外注化や専門職への分担が進まなければ改善しない。職務内容が見直され、子ども
たちと丁寧に向き合う時間と余裕が確保されるよう願う」と訴えた。
名古屋市教育委員会の杉浦弘昌教育長は「働き方改革を推進し、教職員の心身が健康で、子どもたちが安心・
安全に過ごせる学校づくりに取り組む」とのコメントを出した。(時事通信)2025年7月17日 ※リンク先なし
●「介護保険優先」と初判断、高齢障害者への給付巡り/最高裁
障害者の男性が、介護保険の対象となる65歳になったことを理由に障害者総合支援法に基づく自立支援給付の申請
を却下されたのは違法だとして、千葉市に処分取り消しなどを求めた訴訟の上告審判決が17日、最高裁第1小法廷
(岡正晶裁判長)であった。同小法廷は、65歳以上は介護保険の利用が優先されるとする初判断を示した上で、同
市の処分を取り消した二審東京高裁判決を破棄し、審理を同高裁に差し戻した。
原告の男性(76)は、最も重い1級の障害者手帳を取得している。65歳になるのを機に同市から要介護認定の申請
を勧められたが、介護保険法に基づく給付は自己負担が発生するため、これまで通り障害者総合支援法の給付申請
をしたところ却下され、提訴した。
一審千葉地裁は請求を退けたが、二審は同市の対応を違法と判断し、処分を取り消した。
これに対し同小法廷は、自立支援給付に相当するサービスを受けることができる場合は介護保険が優先され、自立
支援給付は行われないと判断。その上で、男性が要介護認定の申請をしていないため、受けることのできる介護
サービスの量を算定できないとした千葉市の判断が妥当だったかどうかを改めて判断する必要があるとして、審理
を差し戻すべきだと結論付けた。(時事通信)2025年7月17日 ※リンク先なし
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【動向】
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●2024年度「上場企業」平均年収671万円、過去20年で最高更新/民間調査
帝国データバンクは15日、上場企業の「平均年間給与」動向調査結果を発表した。2024年度の平均年間給与は人手
不足や物価高を背景に、過去20年で最高の671万1,000円。前年の651万4,000円から3.0%増と、4年連続で増加した。
産業別トップは海運業の1,052万3,000円。市場別では東証プライムの763万3,000円が最高額だった。
2025年度の見通しについては、米国関税政策の影響など企業業績を下押しする不安材料もあり、賃上げムードが委
縮する可能性があるとした。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250715-increase24fy/
●運動部学生、就活での強みのトップは「礼儀・挨拶」「コミュニケーション能力」/民間調査
マイナビは16日、一般社団法人大学スポーツ協会と共同で実施した「運動部学生の就職に関する意識調査」結果を
発表した。運動部の活動や学業、アルバイトと並行して経験したいことの上位は「なりたい職業に関する勉強」
41.0%、「インターンシップ・仕事体験」39.1%だった。部活での経験を通して得た自身の強みとして「礼儀・挨
拶」81.4%、「コミュニケーション能力」74.9%、「チームワーク」69.2%が挙がり、運動部学生ならではの強み
を活かし、就職活動に臨んでいる様子が見受けられた。
https://www.mynavi.jp/news/2025/07/post_49628.html
(詳細)
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/s_saiyo_s01_sg05_s20250711104332.html
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<ドイツ>
▽メルツ政権、「ターボ帰化」廃止法案を提出へ
メルツ政権は5月28日、最短3年の在留期間で帰化を認める現行の「ターボ帰化」制度を廃止する国籍法改正案を
閣議決定した。アレクサンダー・ドブリント内務相(キリスト教社会同盟、CSU)は、今夏の成立を目指している。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/07/germany_04.html
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【イベント】
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●シンポジウム「地域観光の持続的な成長を実現する生産性向上の取り組みとは」/日本生産性本部
日本生産性本部は、8月4日(月)に2025年度 第1回生産性シンポジウム「地域観光の持続的な成長を実現する
生産性向上の取り組みとは」をオンライン開催する。
観光資源が豊富な日本において観光業は成長戦略の柱、地域活性化の切り札である一方、マーケティング、財務
といった専門分野における慢性的な人材不足が課題として、未来の顧客をつくるために必要な「人材育成」「DX
(生成AI)」について、専門家が解説する。
https://www.jpc-net.jp/news/detail/20250704_007452.html
●キャリアセミナーを開催/ILO駐日事務所・外務省
ILO駐日事務所と外務省は共催で8月5日(火)、国際機関でのキャリアに関心がある学生、社会人を対象に
キャリアセミナーを開催する。ILO人事局長による説明やILO駐日事務所オフィサーの講演を予定。
会場(東京・渋谷の国連大学)のみの開催、言語は英語(通訳なし)。
参加無料・定員(30人)に達し次第締め切り。
https://www.ilo.org/ja/resource/news/ilo・外務省共催%E3%80%80キャリアセミナー開催へ%E3%80%808月5日