■□――【メールマガジン労働情報/No.2019】
今後の労働基準関係法制の見直しに向け、報告書(案)を提示/厚労省研究会 ほか
―2024年12月11日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】今後の労働基準関係法制の見直しに向け、報告書(案)を提示/厚労省研究会 ほか
【統計】2024年7~9月期のGDP実質成長率、年率1.2%/2次速報値 ほか
【労使】1万2,000円以上の賃上げに取り組むとする2025年闘争方針を決定/金属労協の協議委員会 ほか
【動向】冬のボーナス、企業の23%で支給額「増加」/民間調査
【企業】ビジネス現場での生成AI活用を目的としたプロジェクトを開始/キリンホールディングス ほか
【海外】2024年中国の最低賃金改定に関する動向/中国 ほか
【イベント】セミナー「高齢社会のフロントランナー、日本の介護政策を考える」/OECD ほか
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【JILPTからのお知らせ】
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☆ホームページ停止のお知らせ
設備等点検のため、下記の期間、当機構ホームページ(蔵書DBを含む)を停止いたします。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
<12月13日(金)18時~14日(土)16時>
JILPTホームページ https://www.jil.go.jp/
★労働政策フォーラム「シニア層の労働移動─就労・活躍機会の拡大に向けて」申込受付中!
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20250115/index.html
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【行政】
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●今後の労働基準関係法制の見直しに向け、報告書(案)を提示/厚労省研究会
厚生労働省の労働基準関係法制研究会は10日、報告書(案)を提示した。全体に共通する課題(労基法上の
「労働者」「事業」の概念、労使コミュニケーションの在り方等)と、労働時間法制の具体的課題を検討。
労働時間法制については、副業・兼業を促進するため、本業と副業先の労働時間を通算する現行制度から、
割増賃金の支払いでは通算しない制度改正に取り組むべきとした。また、労災の認定基準の心理的負荷にある
2週間以上の連続勤務を防ぐなどの観点から、13日を超える連続勤務の禁止規定を労基法に設けることや、
法定休日の特定を規定すること、テレワークに日単位のフレックスタイム制を導入すること、「勤務間
インターバル制度」の抜本的な導入促進と法規制強化、法定労働時間を週44時間とする特例措置の撤廃等
について検討することを提起している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46833.html
●石川県一部地域における労働保険料などの、申告・納期限の延長後の期限を決定/厚労省
厚生労働省は9日、能登半島地震に伴い、対象地域で延長してきた労働保険料や障害者雇用納付金
などの申告・納期限について、一部地域の延長後の期限を2025年1月31日と決定した、と発表した。
適用対象地域は、石川県七尾市、羽咋郡志賀町。石川県輪島市、珠洲市、鳳珠郡穴水町・能登町の
申告・納期限については、引き続き延長措置を継続している。
対象となるのは24年1月1日から25年1月30日までに申告・納期限が来る労働保険料、一般拠出金及び障害者雇用納付金。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46733.html
▽被災された事業主のみなさまへ
https://www.mhlw.go.jp/content/001263458.pdf
●2024年度「安全優良職長厚生労働大臣顕彰」受賞者を決定/厚労省
厚生労働省は6日、2024年度の「安全優良職長厚生労働大臣顕彰」の受賞者決定を公表した。
これは、優れた技能と経験を持ち、担当する現場や部署で作業の安全を確保して優良な成績を挙げた職長
(事業場で部下の作業員を指揮監督し、作業の安全確保・遂行に責任を持ち、「安全」を実現する監督者。
「安全のキーパーソン」)を顕彰するもの。24年度は111名が受賞する。
この制度は、高い安全意識を持って安全指導を実践してきた優秀な職長を顕彰し、その職長を中心とした
事業場や地域における安全活動を活性化することを目的としており、98年度から始まり、今回で27回目。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46451.html
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【統計】
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●2024年7~9月期のGDP実質成長率、年率1.2%/2次速報値
内閣府は9日、2024年7~9月期の四半期別GDP(国内総生産)2次速報値を公表した。
GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質が0.3%、年率換算は1.2%で、第1次速報値の年率0.9%から
上方修正し、2期連続のプラス。需要項目別では、民間最終消費支出が実質0.7%(前期は0.9%)、
うち家計最終消費支出(除く持ち家の帰属家賃)は実質0.8%(同1.1%)。
雇用者報酬の伸び率は、実質0.2%、名目0.5%。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2024/qe243_2/pdf/gaiyou2432.pdf
▽統計表
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2024/qe243_2/gdemenuja.html
●11月の街角景況感、3カ月ぶりの上昇/景気ウォッチャー調査
内閣府は9日、全国の商店主やタクシー運転手などに街角の景況感をたずねた11月の「景気ウォッチャー調査」
結果を公表した。3カ月前と比較した景気の現状判断DI(季調値)は、前月差1.9ポイント上昇の49.4で、
3カ月ぶりの上昇。企業動向関連DIは1.0ポイント、雇用関連のDIは0.3ポイントいずれも低下したが、
家計動向関連DIが3.2ポイント上昇したことによる。先行き判断DI(同)は、前月差1.1ポイント上昇の
49.4。今回の結果について、「景気は、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、価格上昇の
影響等を懸念しつつも、緩やかな回復が続くとみている」と前月から据え置き。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2024/1209watcher/menu.html
●10月の基調判断は「下げ止まりを示している」で据え置き/景気動向指数速報
内閣府は6日、10月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を示す「一致指数」は116.5で、
前月と比較して2.5ポイント上昇し、2カ月連続の上昇。プラスに寄与したのは「投資財出荷指数
(輸送機械を除く)」、「生産指数(鉱工業)」、「商業販売額(卸売業)」など。
マイナス寄与は「輸出数量指数」、「鉱工業用生産財出荷指数」など。
一致指数の基調判断は「下げ止まりを示している」で、前月から据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
▽概要
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202410psummary.pdf
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【労使】
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●1万2,000円以上の賃上げに取り組むとする2025年闘争方針を決定/金属労協の協議委員会
自動車総連、電機連合、JAM、基幹労連、全電線の5つの産業別労働組合でつくる金属労協(JCM、金子晃浩
議長)は3日、都内で協議委員会を開き、来春の賃上げ交渉に向けた2025年闘争方針を決定した。方針は、
「定期昇給などの賃金構造維持分を確保した上で、すべての組合で1万2,000円以上の賃上げに取り組む」
と掲げ、2024年方針での要求基準(1万円以上)から2,000円引き上げた。金子議長(自動車総連会長)は、
「JC共闘として何としても昨年以上の成果に至る取り組みを行わなければならない」と述べた。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20241211.html
●年末一時金、2.47カ月/連合・回答集計(第3回・最終)
連合は6日、「2024春季生活闘争 年末一時金(第3回)回答集計結果」(4日正午締切)を発表した。
年末一時金は、組合員一人あたり加重平均で月数は2.47月(昨年同時期2.38月)、額は74万1,142円
(同73万8,017円)で、いずれも昨年同時期実績を上回った。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2024/yokyu_kaito/kaito/nenmatsu/press_release_20241206.pdf
▽回答集計結果
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2024/yokyu_kaito/kaito/nenmatsu/ichiji_03.pdf
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【動向】
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●冬のボーナス、企業の23%で支給額「増加」/民間調査
帝国データバンクは6日、「2024年冬季賞与の動向調査」を発表した。2024年の冬季賞与の
支給状況(従業員1人当たり平均)について、「賞与あり・増加する(した)」企業は23.0%、
「賞与あり・変わらない」43.3%、「賞与あり・減少する(した)」13.9%、「賞与はない」12.8%だった。
業界別では、「金融」「建設」「製造」で冬季賞与が「増加」する割合が2年連続で増え、「運輸・倉庫」
では、前年より8.4ポイント上昇。冬季賞与が2年連続で増加する企業は12.0%で、前年から1.7ポイント上昇した。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241206-winterbonus/
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【企業】
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●ビジネス現場での生成AI活用を目的としたプロジェクトを開始/キリンホールディングス
キリンホールディングスは11月25日、国内のキリングループ従業員(約1万5,000人)対象に、
業務特化型生成AIの活用を目的とした「KIRIN BuddyAI Project」を開始すると発表した。最初に
マーケティング領域で働く従業員へ11月から展開する。「KIRIN BuddyAI for Marketing」にはマーケティング
業務に特化した「エグゼキューション開発」「調査・分析」「汎用業務」の3カテゴリーに約15種類の
プロンプトテンプレートがあり、選択して活用する。「BuddyAI」導入により、マーケティング業務に携わる
従業員約400名については、クリエイティブな価値創造に向けた年間で約2万9,000時間以上の時間創出を
見込んでおり、より付加価値の高い業務に専念できる環境を提供するとしている。
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2024/1125_02.html
●ヨーカ堂、正社員2割減へ 配置転換・自然減で、26年2月期まで
セブン&アイ・ホールディングス傘下の大手スーパー、イトーヨーカ堂が、正社員を2026年2月期までに
約1000人減らすことが6日、分かった。現在の全社員の2割弱に当たる。ヨーカ堂は不採算店閉鎖などの
構造改革に伴い、グループ企業への社員の配置転換などを進めている。定年退職などによる自然減と合わせ、
事業規模に見合った人員数に抑えたい考えだ。
セブン&アイは昨年、構造改革の一環で、26年2月末までにヨーカ堂の33店舗を閉める方針を示した。
ヨーカ堂では今年2月末まで早期退職も実施し、約700人が応募した。1000人規模の人員減はこれとは別で、
希望退職などは募らず、主に配置転換や自然減で体制を縮小させる方針だ。
セブン&アイは、主力のコンビニエンスストア事業に注力するため、スーパー事業や外食事業などを束ねた
中間持ち株会社ヨーク・ホールディングス(HD)の株式の過半を売却する方針。先月に締め切った1次入札には
住友商事や米投資ファンドのベインキャピタルなどが応じた。売却に向け、ヨークHDの中核となるヨーカ堂の
収益力改善が急務となっている。(時事通信)2024年12月6日 ※リンク先なし
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【海外】
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●国別トピック
<中国>
▽2024年中国の最低賃金改定に関する動向
2024年1月以降、中国各地域の人力資源・社会保障局(人力資源・社会保障部の地方部局。日本の労働局に
相当)は次々と月額最低賃金の最新の改定額を発表している。中国の最低賃金は、32の省、直轄市、自治区等が
それぞれの地域の事情に応じて個別に改定する仕組みとなっており、中央政府は地方政府に対して、
2~3年ごとに最低賃金の見直しを行うよう求めている。2024年は沿岸部の江蘇省や浙江省、東北部の遼寧省
や吉林省、黒龍江省、内陸部の内モンゴル自治区や湖北省、江西省、寧夏回族自治区でそれぞれ3年ぶりの
最低賃金の引き上げとなった。これまでに12の省・地域が最低賃金の引き上げを決定している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/12/china_01.html
<ミャンマー>
▽最低賃金を日額6,800チャットに引き上げ―クーデター後の物価高騰に政策対応
ミャンマーでは物価が2022年以降、高騰しており、23年の物価上昇は年率27%を記録した。政府は
2023年10月に法定最低賃金の引き上げを実施。日額4,800チャットに追加手当1,000チャットの支給という
かたちで日額最賃額を5,800チャットに引き上げた。それに続き2024年8月にも追加手当を1,000チャット
加算し、日額最賃を6,800チャットにすることを決定した。この他、政府は金利の引き上げや米価統制
といった物価抑制策を講じているが、物価高騰の市民生活への影響を抑え込めていない。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/12/myanmar_01.html
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【イベント】
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●セミナー「高齢社会のフロントランナー、日本の介護政策を考える」/OECD
OECDは2025年1月7日(火)、セミナー「高齢社会のフロントランナー、日本の介護政策を考える」をオンライン
(Zoomウェビナー)で開催する。10月に公表されたOECD報告書『Is Care Affordable for Older People?
(高齢者の介護費用負担状況に係る国際比較)』を記念したセミナー。前半では、同報告書について発表、
また介護予防と介護現場の技術支援について厚生労働省老健局担当者を含む専門家が講演する。後半では、
介護離職と両立支援について、OECDの担当者が韓国、JILPT・池田副統括研究員が日本の事例発表をする。
言語は日本語。参加無料、事前に参加登録が必要。
https://www.oecd.org/en/events/2025/01/oecd.html
●セミナー「人材確保・定着のために」/東京都社労士会
東京都社会保険労務士会では、2024年度社労士会セミナー「人材確保・定着のために~「改正育児・介護休業
法」と「治療と仕事の両立支援」から考える~」を12月2日(「社労士の日」)より2025年2月28日(金)まで、
動画配信している。法改正の内容と必要な実務対応、また、治療と仕事の両立支援について事例を交え、
社会保険労務士が解説する。受講は無料。申込専用フォームから申し込む。
https://www.tokyosr.jp/topics/2024-topics/58647/
▽案内チラシ
https://www.tokyosr.jp/wp-content/uploads/2024/11/94b506edcd47d7fe89cea0870c6bfbc7.pdf
●キャリア・シフトチェンジのためのワークショップインストラクター養成研修/JAVADA
中央職業能力開発協会(JAVADA)は2025年1月30日(木)・31日(金)、キャリア・シフトチェンジのための
ワークショップインストラクター(講師)養成研修を新宿区で開催する。ミドル・シニア向けキャリア研修
である「キャリア・シフトチェンジのためのワークショップ」の講師を養成するための研修(2日間)。
受講料51,000円。定員24名。HPの申込専用フォームから申し込む。
https://javada-seminar.eventcreate.net/event/6317