メールマガジン労働情報 No.2020

■□――【メールマガジン労働情報/No.2020】

業況判断DI、大企業・製造業は1ポイント上昇、非製造業は1ポイント低下/日銀短観 ほか

―2024年12月13日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】被用者保険の適用拡大、企業規模・賃金要件の撤廃などを提示/厚労省年金部会 ほか
【統計】業況判断DI、大企業・製造業は1ポイント上昇、非製造業は1ポイント低下/日銀短観 ほか
【労使】政策提言「FUTURE DESIGN 2040」を発表/経団連 ほか
【動向】年間倒産件数、11年ぶりに年間1万件超が視野に/民間調査
【企業】初任給引き上げ、退職年金制度の見直し/東北電力など
【海外】第22回北東アジア労働フォーラム「高齢者の人的資源開発」/開催報告
【イベント】オンラインセミナー「国際労働運動の現状と課題」/日本ILO協議会 ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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☆ホームページ停止のお知らせ

設備等点検のため、下記の期間、当機構ホームページ(蔵書DBを含む)を停止いたします。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
<12月13日(金)18時~14日(土)16時>
JILPTホームページ https://www.jil.go.jp/

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【行政】
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●被用者保険の適用拡大、企業規模・賃金要件の撤廃などを提示/厚労省年金部会

厚生労働省は10日、社会保障審議会年金部会を開催し、被用者保険の適用拡大と「年収の壁」への対応などを
議論した。短時間労働者の適用範囲の見直しについては、企業規模要件(従業員50人超)の撤廃案を示していたが、
今回の部会で「賃金要件」の撤廃も提示し、撤廃時期は最賃動向を踏まえて配慮するとした(資料1・p.4)。
賃金要件の撤廃→企業規模要件の撤廃→非適用業種の解消という進め方を示したうえで、企業規模要件の撤廃と
非適用業種の解消については十分な周知・準備期間を確保すべきではないかとしている(同p.7)。
手取り収入の減少回避に就業調整を行う従業員に対し、労使合意に基づき、事業主が被保険者の保険料負担を
軽減し、事業主負担の割合を増加させる特例は、標準報酬月額12.6万円以下の者を想定とする案が示された(同p.14)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/nenkin_20241210.html
▽資料1
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001348971.pdf

●石綿による疾病に関する労災保険給付、前年度より請求件数は減少・支給決定件数は増加/厚労省

厚生労働省は11日、2023年度の「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」(確定値)を
公表した。「労災保険給付」(肺がん、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚)の請求件数は1,305件
(対前年度比4.1%減)、支給決定件数は1,170件(同8.4%増)。石綿肺の支給決定件数は62件(同1.6%増)。
死亡労働者の遺族のうち、時効(5年)により遺族補償給付を受けることができない遺族を対象とする
「特別遺族給付金」の支給決定件数は159件(同1件・6.5%減)だった。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46437.html

●石綿ばく露作業による労災認定等事業場数、建設業825、建設業以外408/厚労省

厚生労働省は11日、「2023年度石綿ばく露作業による労災認定等事業場」を公表した。
石綿ばく露作業による労災認定等事業場は1,233事業所(うち新規公表975事業場)、
建設業は825事業場(同745事業場)、建設業以外の事業場は408事業場(同230事業場)。
事業場で過去に就労していた労働者に、石綿ばく露作業に従事した可能性があることの
注意喚起、事業場周辺住民が自身の健康状態を改めて確認することなどを目的に公表している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46438.html

●2024年度国家公務員採用総合職試験「教養区分」合格者数、467人/人事院

人事院は12日、2024年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)「教養区分」の合格者を発表した。
合格者数は467人(前年度423人)で前年度に比べ44人・10.4%増加し、過去最高。申込者数4,734人(同4,014人)
に対する、倍率は10.1倍(同9.5倍)。女性の合格者数は136人で、全合格者数の29.1%。前年度からの
受験可能年齢引下げにより受験可能となった19歳の合格者数は53人で、11.3%。
24年度の総合職試験全体(春秋計)の合格者数は2,420人、倍率は7.6倍。女性合格者数は788人、
全合格者数の32.6%で、合格者数・割合とも前年度(821人・33.5%)をやや下回った。
「教養区分」は、専攻分野にとらわれない広範な見識を有する学生や外国の大学の卒業者など多様な有為の
人材確保に資することを目的とした試験区分で、毎年秋に実施。24年度総合職試験合格者の19.3%
(前年度は17.3%)を占め、比率は過去最高。
https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/kisya/2412/2024kyouyougoukaku.html

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【統計】
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●業況判断DI、大企業・製造業は1ポイント上昇、非製造業は1ポイント低下/日銀短観

日本銀行は13日、12月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)結果を公表した。
業況判断DI(「良い」-「悪い」)は、大企業製造業でプラス14(前回9月調査比1ポイント上昇)。
非製造業でプラス33(同1ポイント低下)。全産業・規模計でプラス15(同1ポイント上昇)。
雇用人員判断DI(「過剰」-「不足」)は、全産業・規模計でマイナス36(前回9月調査と同ポイント)。
不足超過は、大企業(マイナス28)より中堅(同36)、中小(同40)で、製造業(同23)より非製造業(同46)で大きい。
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/tankan12a.htm
▽要旨
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/yoshi/tk2412.htm
▽概要
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2021/tka2412.pdf

●大企業の従業員判断指数、54期連続「不足気味」超/10~12月法人企業景気予測

内閣府と財務省は11日、「法人企業景気予測調査」(2024年10~12月期調査)結果を公表した。
雇用に関する「従業員数判断」BSIは、大企業は27.4%ポイントで2011年9月末以降、54期連続の
「不足気味」超。中堅企業、中小企業いずれも「不足気味」超。
「貴社の景況判断」BSIは、大企業は5.7%ポイントで、2024年4~6月期以降、3期連続の「上昇」超。
中堅企業は「上昇」超、中小企業は「下降」超となった。
https://www.mof.go.jp/pri/reference/bos/results/1c202403.pdf
▽統計表等
https://www.mof.go.jp/pri/reference/bos/results/data.htm

●11月の企業物価指数、前年比3.7%上昇/日銀

日本銀行は11日、企業物価指数(2024年11月速報)を公表した。国内企業物価指数は124.3で、
前月比0.3%、前年比3.7%上昇した。製品別にみると、前年比で上昇したのは「農林水産物」(31.0%)、
「非鉄金属」(13.6%)、「電力・都市ガス・水道」(9.2%)など、低下したのは「スクラップ類」(6.9%)、
「木材・木製品」(2.2%)など。
輸入物価指数(ドルなどの契約通貨ベース)は前年比2.8%、前月比0.5%のいずれも低下。
円ベースでは順に同1.2%の低下、同1.5%の上昇だった。
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2411.pdf

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【労使】
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●政策提言「FUTURE DESIGN 2040」を発表/経団連

経団連は9日、政策提言「FUTURE DESIGN 2040「成長と分配の好循環」~公正・公平で持続可能な社会を
目指して~」を発表した。「公正・公平」で「持続可能」な社会を基盤に、「科学技術立国」「貿易・
投資立国」を目指すとし、社会保障、教育・研究、労働など柱となる6つの施策を提案。「全世代型社会保障」
では、現役世代への負担が大きい社会保険料の増加の抑制と税による財源確保のため、1)応能負担
(富裕層の負担増)の徹底、2)消費増税、3)企業の応分の負担等を検討する(概要p.16)。「成長と分配の
好循環」のキーとなる分厚い中間層形成には持続的な賃上げが重要で、その実現には働き方改革、円滑な
労働移動、多様な人材の活躍推進、労働法制の見直しなどが必要(概要p.34)、などとしている。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/082.html
▽概要
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/082_youyaku.pdf

●「設備投資」、2024年度に「行う(予定を含む)」は4割以上/日商LOBO調査

日本商工会議所は11月29日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)」11月調査結果を発表した。
「設備投資」について、2024年度に「行う(予定を含む)」は42.7%で、前回2024年5月調査比1.6ポイント増と
高水準で推移。設備投資の理由では、「設備の老朽化等に伴う更新」(60.9%)が最多だが、「需要増への
対応」(35.6%)、「人手不足への対応」(26.5%)、「長時間労働の抑制」(25.0%)と、前向きな投資も
一定程度行われているとしている。「デジタル化」については、多くの中小企業でデジタル化着手が
進んでいるが未着手も17.6%。サイバーセキュリティ対策は、基本的取組にとどまっている、としている。
11月の業況DIはマイナス16.3(前月比0.9ポイント上昇)で、価格転嫁は一定の進捗が見られるが労務費、
円安基調等には追いついておらず、また、個人消費の伸び悩みが続き、中小の業況は横ばい、とした。
https://cci-lobo.jcci.or.jp/wp-content/uploads/2024/11/LOBO202411.pdf

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【動向】
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●年間倒産件数、11年ぶりに年間1万件超が視野に/民間調査

東京商工リサーチは9日、2024年11月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は841件(前年同期比4.2%増)
と発表した。件数は、3カ月連続で前年同月を上回り、11月では3年連続で前年を上回った。産業別では、
10産業のうち7産業で前年同月を上回り、最多は「サービス業他」の304件(前年同月比2.7%増)、次いで
「建設業」152件(同4.8%増)、「製造業」99件(同4.2%増)、「卸売業」98件(同13.9%増)など。
年間累計件数(9,164件)は前年(8,690件)を474件上回り、11年ぶりに年間1万件超が視野に入ってきた、としている。
https://www.tsr-net.co.jp/news/status/detail/1200500_1610.html

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【企業】
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●初任給引き上げ、退職年金制度の見直し/東北電力など

東北電力および東北電力ネットワークは11月28日、人財確保を目的として、2025年4月入社向けに
初任給を引き上げると発表した。大学卒の場合、1万6,000円引き上げて24万円となる。
同日、退職年金制度の見直しも発表した。2025年度以降、現役社員が積み上げる確定給付年金(DB)分の
年金資産を確定拠出年金(DC)へ一本化する。同年度以降入社の社員は、すべてDCで年金資産を
積み上げる。多様なキャリアやライフプラン、価値観に適した資産形成の実現に向けた見直し、としている。
▽新卒初任給の引き上げ
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1245916_2558.html
▽退職年金制度の見直し
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1245917_2558.html

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【海外】
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●フォーカス/JILPT

<開催報告>
▽第22回北東アジア労働フォーラム「高齢者の人的資源開発」

労働政策研究・研修機構(JILPT)は2024年11月15日、第22回北東アジア労働フォーラムを開催した。
本フォーラムは、当機構、韓国労働研究院(KLI)、中国労働社会保障科学研究院(CALSS)の日中韓3カ国の
労働政策研究機関が、共通するテーマに基づき研究成果の報告と議論を行い、知見を共有することを目的としている。
今年度は、中国労働社会保障科学研究院(CALSS)の主催により、「高齢者の人的資源開発」をテーマに開催した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/event/ko_work/20241115gaiyou.html

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【イベント】
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●オンラインセミナー「国際労働運動の現状と課題」/日本ILO協議会

日本ILO協議会は12月24日(火)、「国際労働運動の現状と課題」をテーマとしたオンラインセミナーを開催する。
講師は、インダストリオール・グローバルユニオン(IndustriALL Global Union)書記次長の松崎寛氏。
同ユニオンは、世界140カ国、5000万人の製造・エネルギー・鉱山部門に働く労働者を組織している。
世界各国の労働組合活動の支援に携わっている同氏が、国際労働運動の現状と課題について講演する。
参加無料。要予約(12月18日まで)。問合せ先は notice21@iloj.org または同協議会03-3219-5115。
▽フォーラム申込書
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdYeq_8QYOUosAIA2n2c9kHgv12UtNG2ifHWDqqIDL2u-hlCg/viewform?usp=sf_link

●「東京女性未来フォーラム2025~企業が“女性活躍”を考える場~」/東京都

東京都は2025年1月28日(火)、「東京女性未来フォーラム2025~企業が“女性活躍”を考える場~」を
千代田区で開催する(一部オンライン配信あり)。女性活躍やダイバーシティ経営の推進に向けて、
企業のトップによる共同宣言や、講演、パネルディスカッション、交流会等を行う。対象は、経営者、
人事担当者、働く人々などで、誰でも参加可。参加無料、要事前申込。
https://mirai-forum2025.metro.tokyo.lg.jp/
▽案内チラシ
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/12/03/documents/05_01.pdf

●中期労働講座「必須 労働法の基礎知識」/神奈川県

神奈川県かながわ労働センター県央支所は、中期労働講座「必須 労働法の基礎知識」を2025年2月6日(木)
から3月12日(水)まで、厚木市で開催する(全8回)。採用から退職までに関わる労働法の基礎知識を学ぶ。
フリーランス新法や、カスハラを含むハラスメント対策、各種社会保険制度の改正など、最新労働法等の
改正事項や実務対応のポイントを併せて解説する。定員60名(申込先着順)。受講料5,610円(全8回分)。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/w4v/cnt/f7599/#chuuki
▽案内チラシ
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/3846/r6_chuuki.pdf