■□――【メールマガジン労働情報/No.1972】
訪問系介護サービス、技能実習等にも従事を認める中間まとめ案を提示/厚労省検討会 ほか
―2024年6月21日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】訪問系介護サービス、技能実習等にも従事を認める中間まとめ案を提示/厚労省検討会 ほか
【統計】5月の消費者物価指数、2.5%上昇/総務省 ほか
【労使】賃上げは単純平均で8,318円、3.17%に/国民春闘共闘の24春闘中間総括
【企業】男性社員の育休取得率56%、取得期間は全員3か月以上/ナリス化粧品 ほか
【海外】未成年労働の規制の緩和と強化―各州で動き/アメリカ ほか
【イベント】2024年度第74期「神奈川県労働大学講座」開講/神奈川県労働福祉協会
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【JILPTからのお知らせ】
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https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html
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にあたるか」「ハラスメントについて法はどのように対応すべきか」「そもそも『ハラスメント』とは何か」
といった根源的な問いに向き合い、模索する欧米諸国(英米独仏EU)の法状況を明らかにします。
さらに、ハラスメントに対し有効と考えられる修復的正義(restorative justice)についても論及します。
【A5判 388頁 定価:2,750円(本体2,500円)】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/harassment-legal-system.html
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【行政】
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●訪問系介護サービス、技能実習等にも従事を認める中間まとめ案を提示/厚労省検討会
厚生労働省「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会」は19日、中間まとめ(案)を提示した。
訪問系介護サービスは、利用者と1対1での業務であり、適切な指導体制の確保等に配慮する必要がある。
現在は、EPA(経済連携協定)または在留資格「介護」の介護福祉士のみ従事可で、技能実習や特定技能等
での従事は認められていないが、中間まとめ(案)は、訪問介護員の人材不足等を踏まえ、介護職員初任者研修
の有資格者等であることを前提に、一人で適切にサービスを提供できるようOJTを行う、ハラスメントへの
対応マニュアルや相談窓口を設置する、などの措置を受入事業者が講ずることを条件として、外国人介護人材
(技能実習・特定技能・EPA介護福祉士候補者)にも従事を認めるべきとした(p.7-8)。
▽中間まとめ(案)
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001265042.pdf
▽外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakai_225506_00001.html
●石綿労災保険給付1,170件、前年度よりやや増加/厚労省
厚生労働省は19日、2023年度の「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」の速報値を
公表した。労災保険給付の請求件数は1,304件(石綿肺を除く、前年度比57件・4.2%減)、支給決定件数は
1,170件(同91件・8.4%増)。死亡労働者の遺族のうち、時効(5年)により遺族補償給付を受けることが
できない遺族を対象とする「特別遺族給付金」の支給決定件数は158件(同12件・7.1%減)だった。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40728.html
▽別添資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001107940.pdf
●2024年度「安全衛生優良事業場等の厚生労働大臣表彰」受賞者を公表/厚労省
厚生労働省は19日、2024年度「安全衛生に係る優良事業場、団体又は功労者に対する厚生労働大臣表彰」の
受賞者として、23事業場と個人33名を公表した。本表彰は、災害が起こっていない期間が特に長く、職場の
リスクを低減する取組が特に活発に行われているなど、他の模範と認められる優良な事業場・団体や、
安全衛生水準の向上・発展に長年、貢献した功労者をたたえるもの。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40832.html
●人材確保のため、採用試験改革/公務員白書
人事院は19日、2023度年次報告書(「公務員白書」)を発表した。「国家公務員志望者の減少」「若年職員の
離職増」で「人材確保は危機的状況」(人事行政諮問会議・中間報告、24年5月公表)とし、人材確保のため、
一般職・係長級への民間人材採用の府省合同試験や、一般職試験(大卒程度)で専門試験を課さない新区分創設
の検討などの採用試験改革、また、多様なワークスタイル実現とWell-beingの土台となる環境整備のため、
フレックスタイム制の見直し、勤務間インタバル確保の努力義務規定導入、テレワークガイドライン策定、
超過勤務の縮減、公務版の「健康経営」の推進等などの取組を進めたとしている。(p.4、6-8)
https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/kisya/2406/hakusho_r6.html
▽年次報告書(概要、本文)
https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/koumuinhakusyo/hakusho/pdf.html
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【統計】
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●5月の消費者物価指数、2.5%上昇/総務省
総務省は21日、2024年5月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は107.5で前年同月比
2.5%の上昇。上昇幅は4月の2.2%に比べ0.3ポイント拡大。前月比(季調値)は0.5%の上昇。前年同月比で
上昇が大きかったものは、「電気代」14.7%、「生鮮野菜」14.4%、「生鮮果物」12.5%など。
「都市ガス代」はマイナス3.2%だが、4月のマイナス5.9%に比べ、下落幅は縮小。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
▽報道資料
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
●労災の死亡者数4.1%減、休業4日以上死傷者数1.2%増/厚労省
厚生労働省は18日、2024年の労働災害発生状況(6月速報値)を公表した。死亡災害は、死亡者数が234人で
前年同期比4.1%減少。業種別では、製造業11.8%減、第三次産業10.5%減で、建設業11.3%増など。
休業4日以上の死傷者数は、4万2,703人で前年同期比1.2%増。業種別では、第三次産業2.8%増、陸上貨物
運送事業1.3%増、建設業1.8%減、製造業1.4%減。公表数値は、新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害を除いたもの。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/24-06.pdf
●24年6月の総人口、前年同月比62万人減/総務省人口推計
総務省は20日、人口推計の2024年6月概算値及び1月の確定値を公表した。24年6月1日現在の総人口(概算値)
は1億2,389万人(前年同月比62万人・0.5%減)。1月1日現在の総人口(確定値)は1億2,414万3千人
(同60万9千人・0.49%減)。年齢階層別(確定値)では「15歳未満」2.38%減、「15~64歳」0.41%減、
「65歳以上」0.1%増。うち「75歳以上」人口は3.68%増加した(年齢階層別増減率は前年同月比)。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202406.pdf
▽統計表等
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
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【労使】
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●賃上げは単純平均で8,318円、3.17%に/国民春闘共闘の24春闘中間総括
全労連や純中立労組懇などで構成する国民春闘共闘委員会(代表幹事:小畑雅子・全労連議長)は6月19日、
都内でオンラインを併用して第2回単産地方代表者会議を開き、2024年春闘の中間総括を確認した。
5月23日時点の賃上げ集計では、回答引き出し組合の単純平均が8,318円、3.17%。国民春闘共闘によると、
額で1998年以来26年ぶり、率では1997年以来27年ぶりの水準。この結果について小畑代表幹事は、「26年ぶり
となる8,000円台賃上げを勝ち取ってきたが、3%程度の賃上げでは急激な物価高騰に追いつかない」などと
して、今後「最低賃金・公務員賃金・ケア労働者賃金の抜本的改善を求めていく」姿勢を強調した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20240621.html
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【企業】
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●男性社員の育休取得率56%、取得期間は全員3か月以上/ナリス化粧品
ナリス化粧品は3日、2023年度の男性社員の育休取得率が56%と、前年度(44%)比10ポイント以上増加し
初めて半数を超えたと発表した。また、同社の育休取得社員の取得期間は、全員が3カ月以上の取得だった。
男性社員の育休取得者が増えたのは、2016 年に「育児・介護両立支援サポート」を開始してからで、
社員への告知だけでなく管理職への教育を徹底し、社員が前向きに取得できるよう社内の空気感醸成に努めた。
管理職層の取得例も増加。男性育休取得者増は、本人のマネジメント力の向上につながり、会社にとっても
メリットがある、としている。
https://www.naris.co.jp/news_release/wp-content/uploads/2024/06/20240603%E3%80%80danseiikukyu.pdf
●定期昇給を含め平均6.1%の賃上げ/レオパレス21
不動産賃貸業のレオパレス21は5月16日、レオパレス21グループに在籍する非管理職の正社員を対象に、
定期昇給を含め平均6.1%の賃上げ(一律月額1万1,000円のベースアップ、一部職種は対象外)を行うと
発表した。2024年7月1日より実施。優秀な人材の確保と従業員のさらなる活躍推進のため、としている。
また、同社は2025年度入社の初任給引き上げ(一律2万円増額、大卒23万円は25万円に引き上げ)を3月に発表している。
https://www.leopalace21.co.jp/news/2024/0516.html
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<アメリカ>
▽未成年労働の規制の緩和と強化―各州で動き
連邦公正労働基準法(FLSA)は18歳未満の未成年労働(非農業部門)について、食肉加工など危険な作業への
就労制限(16~17歳)、小売りやサービスへの就労許可(14~15歳)などを定めている。また、州によっては
未成年労働に際して、州労働局や学校から雇用許可等を得ることなどを条件としている。こうした中、
人手不足による企業の要求などを背景に、FLSAの基準を上回る規定や、独自に定めた雇用許可等の要件を
緩和・撤廃し、18歳未満の就労機会を拡げようとする州がある。その一方で、未成年労働違反への取り締まり
や規制を強める州もある。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/06/usa_01.html
▽不法移民の入国規制を厳格化―大統領令公布、南西部国境
バイデン大統領は6月4日、メキシコとの南西部国境から不法に入国する者が一定数に達した場合に、
不法移民の入国規制を厳格化し、亡命申請を一時停止する大統領令を公布した。不法入国者と遭遇
(国境警備隊による拘束等)した件数が7日間に1日平均2,500人以上に達した場合、その直後の東部時間
午前0時1分から原則として入国・申請停止の措置をとる。7日間の1日平均1,500人未満に減った場合、
その14日後に打ち切る。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/06/usa_02.html
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【イベント】
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●2024年度第74期「神奈川県労働大学講座」開講/神奈川県労働福祉協会
(公財)神奈川県労働福祉協会は、2024年度第74期「神奈川県労働大学講座」をオンデマンド講座で
開講する。「労働法、人事労務・人材組織課題、社会保障」の3分野を網羅し、専門的知識を現在の
社会情勢等を踏まえ体系的に学ぶ。日程は、7月4日(木)~11月21日(木)オンデマンド配信予定により
順次配信。全33回、受講料55,000円。科目ごとの受講も可。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/roudai.html