メールマガジン労働情報 No.1946

■□――【メールマガジン労働情報/No.1946】

「2023年度版 労働力需給の推計(速報)」を記者発表 ほか

―2024年3月13日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】建設業団体と5%を上回る賃上げを申し合せ/政府 ほか
【統計】2023年10~12月期のGDP実質成長率、年率0.4%増/2次速報値 ほか
【労使】選択的夫婦別姓制度の早期実現を要望/経済同友会
【企業】平均12.2%の給与引き上げと初任給の引き上げ/ゼンショーホールディングス ほか
【イベント】テレワークセミナー/東京テレワーク推進センター ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇「2023年度版 労働力需給の推計(速報)」を記者発表

JILPTは11日、「2023年度版 労働力需給の推計(速報)労働力需給モデルによるシミュレーション」を記者発表
しました。2040年までの性・年齢階級別労働力人口及び就業者数、並びに産業別就業者数を労働力需給モデルにより
推計しています。前回、2018年度版推計に使用した労働力需給モデルを踏襲し、将来推計人口、経済見通しの
変更や、将来想定の更新等を行うとともに、モデルを構成する関数の変数を一部見直しています。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20240311.pdf

◇資料シリーズNo.275『OHBYカード改訂版に伴う背景データの分析―OHBYカードにみる成人の職業興味の特徴―』

48職業を記載したカードからなる職業情報ツール「OHBYカード」は、2007年の公表以来、17年を経ており、職業の
入れ替え、職業情報の刷新等を行うこととしました。改訂に際し、(1)カード記載の個別の職業に対する興味の
属性別の特徴、(2)カードの広い意味での妥当性、(3)カード利用時の、成人の職業興味の特徴、の3点を検討しました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2024/275.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆24年度「東京労働大学講座・総合講座」(5月開講、オンライン開催)募集開始!

本講座は今回で73回目を数え、歴史と伝統を誇る講座です。
「人事管理・労働経済」「労働法」の2部門で、現代の労働問題を学習するのに最適なトピックス31課目を精選。
当該分野の第一人者の講師陣が、労働市場の現状や課題、労働問題などについて講義を行います。

<人事管理・労働経済>部門 5月7日火曜~7月3日水曜(17講義日+試験)
<労働法> 部門      7月9日火曜~8月30日金曜(14講義日+試験)
開催方式:オンライン開催(ライブ配信)※オンデマンド配信ではありません。
配信方法:Zoomウェビナー利用
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

★第132回労働政策フォーラム(オンライン開催) まだ間に合います!
「キャリア形成に寄与する学び直し・リカレント教育」

 <第1部:研究報告> ※オンデマンド配信(3月16日土曜~19日火曜)
 「AIと共に働くための学び直しとは?」
 「産業人材ニーズと大学教育内容の関係の見える化の試み」

 <第2部:事例紹介・パネル討論> ※ライブ配信(3月19日火曜 13時50分~16時15分)
  ・職業訓練の実践の取組
   (高齢・障害・求職者雇用支援機構)
  ・リカレント教育の実践の取組
   (東京理科大学、愛媛大学)
 コーディネーター 堀有喜衣JILPT統括研究員
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240319/index.html

☆『労働関係法規集2024年版』 現在予約受付中!
 3月18日(月曜)より順次発送予定です。

主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの法規集です。
2024年版では、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」を新たに収録するとともに、
「労働基準法施行規則」「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準」「労働審判法」
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則」の改正法令を収録しています。
【B6判変型1,191頁 定価:1,980円(本体1,800円) 3月15日刊行予定】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

☆『欧米のハラスメント法制度』刊行!

ハラスメントへの対応に苦慮しているのは日本だけではありません。「何がハラスメントにあたるか」
「ハラスメントについて法はどのように対応すべきか」「そもそも『ハラスメント』とは何か」といった
根源的な問いに向き合い模索する欧米諸国(英米独仏EU)の法状況を法学研究者たちが明らかにします。
さらに、ハラスメントに対し有効と考えられる修復的正義(restorative justice)についても論及します。
【A5判 388頁 定価:2,750円(本体2,500円)】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/harassment-legal-system.html

◇「最近の統計調査結果から」(2024年2月)

官公庁から最近発表された労働統計等をご紹介しています。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2024/202402.html
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2024/documents/202402.pdf

☆JILPTリサーチアイ 第81回
 「大学生のインターンシップにかかる三省合意の改正は就職活動に影響を及ぼすのか?
 ─内閣府『学生の就職・採用活動時期等に関する調査報告書』より─」 人材開発部門 統括研究員 堀 有喜衣(3月8日)

来年3月卒業予定の大学生の就職活動が本格的にスタートした。この学年の学生は、改正されたインターンシップ
にかかる三省合意(現在の文部科学省、厚生労働省および経済産業省による)のもとで初めて就職活動を行うこと
になる。本稿は、まもなく卒業する今年度の4年生を対象に実施した内閣府『学生の就職・採用活動時期等に関する
調査報告書(2023年12月8日、以下本報告書)』をもとに、今年度のインターンシップと就職活動についていくつかの推測を論じたい。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/081_240308.html

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【行政】
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●建設業団体と5%を上回る賃上げを申し合せ/政府

政府は8日、建設業団体との賃上げ等に関する意見交換会を開催した。首相は「最重要課題は適切な価格転嫁を
通じ、賃上げの流れを中小零細企業に広く波及させること」とし、建設業界の公的賃上げ推進の観点から、
3月以降、公共工事設計労務単価を5.9%引き上げたこと、国土交通大臣と関係団体との間で、賃上げに関する
意欲的な申合せが行われたことなどを踏まえ5パーセントを十分に上回る賃上げを各社において強力に進めることを求めた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202403/08ikenkoukan.html

●「健康経営優良法人2024」の認定法人を公表/経産省

経済産業省は11日、「健康経営優良法人2024」の認定法人を公表した。健康経営優良法人とは、従業員等の
健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる取り組みを戦略的に実践している法人。
2024年は、「大規模法人部門」に2,988法人、「中小規模法人部門」に1万6,733法人が認定された。認定の
基となる健康経営度調査の回答法人に対する各施策の偏差値等を記載した評価結果(フィードバックシート)
も公開されている。
https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240311004/20240311004.html
▽健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト
https://kenko-keiei.jp/

●「国際女性の日」のビデオメッセージ/政府

政府は8日、「国際女性の日」にあたってのビデオメッセージを発表した。首相は「女性活躍・男女共同参画は、
全ての人が生きがいを感じられ、多様性が尊重される社会の実現、我が国の経済社会の持続的発展において、
不可欠な要素」、「政府として、企業等における女性登用の加速化、仕事と家庭の両立支援策の充実、男女間の
賃金格差の是正などの課題に、一丸となって取り組み、女性の活躍を全力で後押しする」とした。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/discourse/20240308message2.html

●下請法違反で勧告/公取委・経産省

公正取引委員会は7日、日産自動車を調査したところ、下請代金支払遅延等防止法(下請法)第4条第1項第3号
(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する行為が認められたので、同法第7条第2項の規定に基づき、同社に対
し勧告を行ったと発表した。違反の概要は、2021年1月から23年4月までの間、下請代金の額から「割戻金」を
差し引いて、下請代金の額を減じたこと。減額した額は総額30億2,367万6,843円(下請事業者36名)。同委員会は、
今後、下請法に違反することがないよう、社内遵法管理体制の整備のために必要な措置を講ずることなどを勧告した。
なお、同社は1月、下請事業者に対し減額した金額を支払っている。
また、経済産業省は、同日、日産自動車から公正取引委員会に勧告を受けたとの報告を受け、同社に、今後の
取引適正化の徹底等と、取り組み状況について速やかな報告を求めた。同省は、代金減額等の調査を実施し、
産業界全体の取引適正化に引き続き取り組むとしている。
▽公取委「勧告について」
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/mar/240307_nissan.html
▽経産省「下請代金支払遅延等防止法違反について」
https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240307001/20240307001.html

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【統計】
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●2023年10~12月期のGDP実質成長率、年率0.4%増/2次速報値

内閣府は11日、2023年10~12月期の四半期別GDP(国内総生産)2次速報値を公表した。
GDP成長率(四半期、実質、季節調整済)は、前期比0.1%、年率換算0.4%。
1次速報値(前期比マイナス0.1%、年換算マイナス0.4%)から上方修正。需要項目別では、
民間需要が0.0%(1次速報マイナス0.3%)で、うち民間企業設備2.0%(同マイナス0.1%)が改善。
その他は家計最終消費支出マイナス0.3%(同マイナス0.2%)。雇用者報酬の伸び率は実質0.1%、名目0.4%。
2023年のGDP成長率も公表され、前年比で実質1.9%、名目5.7%で、1次速報値と同率。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
▽統計表
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2023/qe234_2/gdemenuja.html

●街角景況感、前月差1.1ポイント上昇/2月景気ウォッチャー調査

内閣府は8日、全国の商店主やタクシー運転手などに街角の景況感をたずねた2024年2月の「景気ウォッチャー調査」
結果を公表した。3カ月前と比較した景気の現状判断DI(季調値)は、前月差1.1ポイント上昇の51.3で、
2カ月ぶりの上昇。雇用関連のDIは低下したが、家計動向関連、企業動向関連のDIが上昇。先行き判断DI(同)は、
前月差0.5ポイント上昇の53.0。今回の結果について、「景気は、緩やかな回復基調が続いているものの、一服感が
みられる。また、令和6年能登半島地震の影響もみられる。先行きについては、価格上昇の影響等を懸念しつつも、
緩やかな回復が続くとみている」としている。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2024/0308watcher/menu.html

●2月の企業物価指数、前年比0.6%上昇/日銀

日本銀行は12日、企業物価指数(2024年2月速報)を公表した。国内企業物価指数は120.3で、前年比0.6%、
前月比0.2%の上昇。製品別の前年同月比での上昇は、「窯業・土石製品」(10.5%)、「石油・石炭製品」(7.0%)、
「パルプ・紙・同製品」(5.3%)など。低下は「電力・都市ガス・水道」(マイナス21.9%)、「鉱産物」
(マイナス12.4%)、「木材・木製品」(マイナス9.3%)など。輸入物価指数(ドルなどの契約通貨ベース)は
前年比8.4%、前月比0.2%のいずれも低下。円ベースでは順に同0.2%、同1.1%のいずれも上昇。
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2402.pdf

●1月の景気動向指数、基調判断は「足踏みを示している」に下方修正/内閣府

内閣府は8日、2024年1月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を示す「一致指数」は110.2で、
前月と比較して5.8ポイント低下し、2カ月ぶりの低下。指数のほぼ全てがマイナスに寄与し、寄与度が
大きいのは「鉱工業用生産財出荷指数」「生産指数(鉱工業)」「耐久消費財出荷指数」など。
一致指数の基調判断は「足踏みを示している」に下方修正。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
▽概要
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202401psummary.pdf

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【労使】
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●選択的夫婦別姓制度の早期実現を要望/経済同友会

経済同友会は8日、選択的夫婦別姓制度の早期実現に向けた要望を発表した。選択的夫婦別姓制度の早期実現
について賛同を表明し、妻(女性)が夫(男性)の姓に変更するケースが多いため、夫婦同姓による女性の
職業活動上の不利益、行政や金融機関の変更手続きに伴う負担を指摘。旧姓の通称使用について、旧姓併記に
対応した仕組み・システムへの変更に要するコストや、国際的には安全保障上のリスク要因になり得るとして、
政府に対し選択的夫婦別姓制度の導入を求めている。
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2023/240308.html

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【企業】
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●平均12.2%の給与引き上げと初任給の引き上げ/ゼンショーホールディングス

ゼンショーホールディングスは7日、2024年春季労使交渉が妥結し、2024年4月1日の給与改定で、
正社員1,239名対象に平均12.2%の給与引き上げと、新卒初任給の引き上げを行うと発表した。
月例給増額は、定期昇給7,125円(1.84%)とベースアップ40,153円(10.36%)を合せ、1人平均47,278円
(12.20%)。新卒初任給は、大卒の場合、25万円から28,000円引き上げて、27万8,000円。
個人消費の増加を牽引し日本経済の活性化に寄与する、としている。あわせて、30年まで継続的なベースアップの
実施を労働組合と合意したと発表した。
https://www.zensho.co.jp/jp/company/news/resource/pdf/2024roushi.pdf

●平均6%の賃上げと初任給の引き上げ/KDDI

KDDIは7日、従業員(正社員および契約社員の組合員)対象に、月例賃金改善1.4万円、一時金12万円支給、定期昇給を
あわせ平均6%の賃上げを行うと発表した。KDDI版ジョブ型人事制度の取り組みの一環として人材の成長加速のため、
また、賃上げ企業が増加傾向のため、としている。また、2024年4月から新卒入社社員の初任給を1万円引き上げて
28万円とし、スキルに応じた報酬設定により、専門性が高いと判断した場合の初任給は最大34万円(博士相当スキル・
司法修習生)とする。専門性を初任給に反映し、スキルアップに努める人財を評価し、早期活躍を後押しするとしている。
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2024/03/07/7311.html

●新卒初任給を6.5万円引き上げ/カプコン

カプコンは6日、2025年度から新卒社員の初任給(月額基本給)を現行の23.5万円から30万円に引き上げると
発表した。初任給は大学院卒から専門学校卒まで一律で、6.5万円の引き上げ。初任給引き上げにより、優秀な人材を
獲得し、人的資本への投資をさらに進めるとしている。また、これにあわせて、24年度新入社員を含む正社員にも、
将来を支える人材への投資として、特別一時金を支給するとともに、平均5%超の昇給を予定しているとした。
https://www.capcom.co.jp/ir/news/html/240306d.html?utm_source=capcom_top&utm_medium=web&utm_campaign=referer

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【イベント】
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●テレワークセミナー/東京テレワーク推進センター

東京テレワーク推進センターは3月21日(木)にセミナー「総務・経理・労務の業務効率化はここまでできる!
~テレワーク実践企業の改善事例~」をオンラインで開催する。参加無料、要事前申込。定員はオンライン300名。
https://tokyo-telework.metro.tokyo.lg.jp/seminarevent

●講演会「Human-Centred Economics: The Living Standards of Nations」/一橋大学

国際労働機関(ILO)本部調査研究局長のRichard Samans氏による講演会が、3月21日(木)に一橋大学国立キャンパスで
開催される。使用言語は英語(通訳なし)。同氏は、G20、G7、BRICSのシェルパ(補佐役)、「気候変動開示基準審議会」
議長、「世界経済フォーラム」常務理事、Global Green Growth Institute研究所長などを歴任。第二次クリントン・ゴア政権で
大統領特別補佐官なども務めた経歴を持つ。表題の著書『Human-Centred Economics: The Living Standards of Nations』
について講演、国内の研究者がパネリストとして参加する。対面開催。英語のみ。定員に達し次第受付終了。
https://hias.hit-u.ac.jp/news/20240306-2