メールマガジン労働情報 No.1941

■□――【メールマガジン労働情報/No.1941】

物流革新・賃上げに関する意見交換会開催/政府 ほか

―2024年2月21日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】物流革新・賃上げに関する意見交換会開催/政府 ほか
【統計】労災の死亡者数15.6%増、休業4日以上死傷者数3.8%増/厚労省 ほか
【労使】5%の月例賃金改善を要求/NTT労組の春闘方針
【企業】就労上限年齢70歳まで、雇用継続制度を改定/九電工 ほか
【海外】高齢者の所得保全と経済的自立に向けた対策/韓国
【イベント】公開講演会「スピンオフの経営学ー新規事業創造の1世紀」/経営関連学会協議会

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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズNo.236『企業の賃金決定に係る調査』
https://www.jil.go.jp/institute/research/2024/236.html

◇資料シリーズNo.273『過重負荷による労災認定事案の研究 その5』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2024/273.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆「メールマガジン労働情報」は2月23日(金曜)の配信をお休みします。
 次回の配信は2月28日(水曜)です。

労働政策フォーラムのご案内(オンライン開催)
★「キャリア形成に寄与する学び直し・リカレント教育」

 <第1部:研究報告> ※オンデマンド配信(3月16日土曜~19日火曜)
 「AIと共に働くための学び直しとは?」
 「産業人材ニーズと大学教育内容の関係の見える化の試み」

 <第2部:事例紹介・パネル討論> ※ライブ配信(3月19日火曜 13時50分~16時15分)
  ・職業訓練の実践の取組
   (高齢・障害・求職者雇用支援機構)
  ・リカレント教育の実践の取組
   (東京理科大学、愛媛大学)
 コーディネーター 堀有喜衣JILPT統括研究員
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240319/index.html

★「時間帯に着目したワーク・ライフ・バランス―家族生活と健康―」

 <第1部:研究報告> ※オンデマンド配信(3月2日土曜~6日水曜)
 「時間帯の視点からみた労働者の生活と健康、子どもへの影響」
 「就労世代の生活時間の貧困」
 「生活時間と健康の確保に関わる働き方」

 <第2部:パネル討論> ※ライブ配信(3月6日水曜 14時20分~16時30分)
   大石亜希子 千葉大学大学院教授
   中野円佳  東京大学 男女共同参画室 特任助教
   桂山奈緒子 認定NPO法人フローレンス マネージャー
   高見具広  JILPT主任研究員
   濱口桂一郎 JILPT研究所長
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240306/index.html

★「ガイダンスツールを活用した就職相談とキャリア支援─相談支援現場からの実践報告─」
 2月27日火曜 14時45分~17時10分
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240227/index.html

★国際セミナー(オンライン開催) 申込受付中!
「労働者協同組合法の活用による地域経済の活性化や地域課題の解決に向けて
 ~欧州のコーポラティブ制度や事例を踏まえて~」

経済開発協力機構(OECD)の協力を得て、国際的な実務家・専門家から、
協同組合についての歴史の長い欧州における労働者協同組合の位置づけや
活動の実態について報告をいただきます。
日時:3月12日火曜 18時00分~20時00分
https://www.jil.go.jp/foreign/event/ko_work/20240312gaiyou.html

☆JILPTリサーチアイ 第80回
 「ミドルエイジの健康を問う─男女の健康課題と就業への影響─」
  労働市場・労働環境部門 主任研究員 高見 具広(2月16日)

労働政策研究・研修機構(JILPT)は、2023年1月より、JILPT個人パネル調査「仕事と生活、健康に関する調査」
(JILLS-i)を開始した。同調査は、全国35~54歳の男女を対象に、同一個人を追跡する形で、仕事、生活、健康の
状況を半年間隔で調査し、その変化および相互の影響関係を研究することを主な目的としている。ここでは、その
第1回調査の中から、健康に関する調査結果を紹介する。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/080_240216.html

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【行政】
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●物流革新・賃上げに関する意見交換会開催/政府

政府は16日、物流革新・賃上げに関する意見交換会を開催した。首相は、物流停滞が懸念される2024年問題について、
生産年齢人口の減少に伴い年々深刻化していく構造的問題とし、「高速道路・鉄道・船舶のインフラ革新を含む
2030年度に向けた政府の中長期計画に基づき、産業界とも連携し、物流の革新を実現していく」とした。
また、物価上昇を上回る賃上げについて、「道路貨物運送業は発注者が価格転嫁を十分に受け入れていない割合が
半数を超える。労務費等の適正な価格転嫁により、物流に関わる中小零細事業者の賃金を大幅に引き上げていく」
「来月、トラック運送業の標準的運賃を8パーセント引き上げ、各種経費も新たに加算できるよう措置」「賃上げ
原資確保のための適正運賃導入、物流効率化を進める法案を国会に提出」など、「あらゆる手段を講じて、構造的な
賃上げ環境をつくっていく」とした。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202402/16ikenkoukan.html

●公共工事設計労務単価等を改定/国交省

国土交通省は16日、公共工事設計労務単価、設計業務委託等技術者単価と建築保全業務労務単価の改定を発表した。
公共工事設計労務単価は、全職種で前年度比5.9%、現場労働者の8割以上を占める主要12職種で6.2%の引き上げ、
設計業務委託等技術者単価は全職種単純平均で同5.5%の引き上げで、どちらも2024年3月からの適用。
建物の保守・点検業務等の2024年度建築保全業務労務単価は同6.2%の引き上げ。いずれの単価も12年連続の引き上げ。
国交相は記者会見で「いずれも、物価上昇を超える、過去10年で最大の引上げ。設計労務単価の引上げは、4月からの
時間外労働規制の導入を踏まえて設定」「今回の単価引上げが賃上げに結び付き、次なる単価引上げにつながる好循環を
実現できるよう、賃上げを強く働きかけていきたい」とした。
▽公共工事労務単価について
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00204.html
▽設計業務委託等技術者単価について
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001055.html
▽建築保全業務労務単価について
https://www.mlit.go.jp/report/press/eizen03_hh_000062.html
▽大臣会見要旨
https://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin240216.html#gmlead1

●職場のエンゲージメント向上に向けた取組支援のためのリーフレットを作成/厚労省

厚生労働省は、職場のエンゲージメント向上に向けた取組支援のためのリーフレットを作成した。
働きがいに関係する概念として近年注目度が増しているエンゲージメントについて、その概念や、
企業がエンゲージメント向上に取り組む意義に加え、具体的な取組事例などを紹介している。
▽働き方・休み方改善ポータルサイト内「ワークエンゲージメント」ページ
https://work-holiday.mhlw.go.jp/work-engagement/
▽リーフレット「働きがいのある職場づくりのために」
https://work-holiday.mhlw.go.jp/work-engagement/pdf/01.pdf

●2024年度の雇用保険料率を公表/厚生労働省

厚生労働省は、2024年4月1日から1年間の雇用保険料率を公表した。いずれも2023年度と同率。
失業等給付等の保険料率は、一般の事業では労働者負担・事業主負担ともに1,000分の6、農林水産・
清酒製造の事業と建設の事業は1,000分の7。事業主のみが負担する雇用保険二事業の保険料率は、
一般の事業と農林水産・清酒製造の事業が1,000分の3.5、建設の事業が1,000分の4.5。
https://www.mhlw.go.jp/content/001211914.pdf

●「第11回ロボット大賞」募集開始/総務省など

総務省は、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省などとともに19日から4月12日までの間、
「第11回ロボット大賞」を募集すると発表した。ロボット技術の開発と事業化を促進し社会に役立つロボットに対する
認知度を高めることなどを目的として、将来の市場創出への貢献度や期待度が高いと考えられる優れたロボット等を
表彰するもの。ビジネス・社会実装、高度ICT基盤技術、人材育成等7部門、ものづくり、サービス、介護・医療・健康等
6分野を設定し、 6つの大臣賞等の授与する。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin03_02000392.html
▽公式ウェブサイト
https://www.robotaward.jp/

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【統計】
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●労災の死亡者数15.6%増、休業4日以上死傷者数3.8%増/厚労省

厚生労働省は19日、2023年の労働災害発生状況(2月速報値)を公表した。死亡災害は、死亡者数が37人で
15.6%増加。業種別では、建設業50.0%増、製造業10.0%増、陸上貨物運送事業33.3%減など。
休業4日以上の死傷者数は、4,049人で3.8%増加。業種別では、陸上貨物運送事業7.1%増、第三次産業5.5%増、
製造業0.7%増、建設業4.9%減(増減率は前年同期比)。 公表数値は、新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害を除いたもの。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/24-02.pdf

●24年2月の総人口、前年同月比66万人減/総務省人口推計

総務省は20日、人口推計の2024年2月概算値及び9月の確定値を公表した。24年2月1日現在の総人口(概算値)は
1億2,399万人(前年同月比64万人・0.51%減)。9月1日現在の総人口(確定値)は1億2,434万8千人
(同62万3千人・0.50%減)。年齢階層別(確定値)では「15歳未満」2.21%減、「15~64歳」0.38%減、
「65歳以上」0.06%減。うち「75歳以上」人口は3.76%増加した(年齢階層別増減率は前年同月比)。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202402.pdf
▽統計表等
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

●12月の民間需要の機械受注額、2.7%増/機械受注統計

内閣府は19日、機械受注統計調査報告(2023年12月実績)を公表した。機械受注総額は、前月比10.3%増の
2兆9,860億円(季調値)。民間設備投資の先行指標である「民需(船舶・電力を除く)」は、同2.7%増の
8,388億円。うち製造業は同10.1%増・4,155億円で、非製造業(船舶・電力を除く)は同2.2%減・4,385億円。
基調判断は「足踏みがみられる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2312juchu.html
▽概要
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2312gaiyou.pdf

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【労使】
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●5%の月例賃金改善を要求/NTT労組の春闘方針

NTT東西やドコモ、データなど、NTTグループ企業の労働組合でつくるNTT労働組合(鈴木克彦委員長、約14万2,000人)は
2月14日にWEB方式を併用して都内で中央委員会を開き、賃金改善5%の引き上げを求める「2024春季生活闘争方針」を決めた。
冒頭のあいさつで鈴木委員長は、「24春闘は、『経済も賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へのステージ転換』を図る
極めて重要な局面だ」などと述べ、賃金改善の流れを継続させる姿勢を強調した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20240221.html

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【企業】
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●就労上限年齢70歳まで、雇用継続制度を改定/九電工

九電工は15日、定年退職者雇用継続制度の改定を発表した。就労上限年齢を現行の65歳までから、70歳までとする。
処遇については、これまで定年前のキャリアや保有資格等により決定していたが、新制度では「役割定義書」に基づき
従事する業務内容とレベルに応じ決定する、いわゆるジョブ型に近い制度とする。また、私傷病のための休職制度(3カ月)を
新設する。導入時期は2025年1月を予定。雇用の確保と、働く意欲の喚起、処遇向上を図るため、としている。
https://www.kyudenko.co.jp/press/docs/2a000095ee9c9a98b7f53c31557be302_1.pdf

●全従業員の給与水準を約3.1%改定/コスモスイニシア

大和ハウスグループのコスモスイニシアは9日、2024年4月支給の給与より全従業員(アルバイトを除く)の
給与水準を改定すると発表した。従業員全体の給与改定率は約3.1%で、例年実施の評価による昇給と併せた
改定率は約6.1%。大卒初任給は24万5,000円から26万円に改定。物価上昇が続く中で従業員が安心して働ける
環境を整え、モチベーションの向上と中長期な人材の採用・確保を目指す、としている。なお、同社は
昨年同時期に、評価による昇給と併せて約7%の給与改定を実施している。
https://www.cigr.co.jp/newsrelease/2024/02/s_kaitei_2404/

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<韓国>
▽高齢者の所得保全と経済的自立に向けた対策

2023年における韓国の高齢者扶養率は27.8%である。すなわち、65歳以上の高齢者1人を20歳~64歳の3.6人で
扶養していることになる。OECDによれば、2075年には韓国の高齢者扶養率は78.8%に達する。これは日本の75.3%を
上回り、OECDの中で最も高い数値となる。世界に類をみないスピードで進む高齢化が今、韓国では様々な分野に
懸念をもたらしている。こうした中、韓国雇用情報院(KEIS)は、高齢者を経済活動へ導くための対策について
考察したレポートを公表した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/02/korea_02.html

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【イベント】
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●公開講演会「スピンオフの経営学―新規事業創造の1世紀」/経営関連学会協議会

経営関連学会協議会は、3月10日(日)に第20回公開講演会「スピンオフの経営学―新規事業創造の1世紀」を
会場(千代田区)とオンラインで開催する。明治以降の100年間、日本の有名大企業は親企業からのスピンオフ
(分離・独立)で生まれた企業も少なくない。こうした企業の新規事業の創造過程を検討する。参加無料。
3月3日(日)までに、要事前申込。
http://www.jfmra.org/