■□――【メールマガジン労働情報/No.1942】
景気判断「足踏みもみられるが、緩やかに回復」に下方修正/2月・月例経済報告 ほか
―2024年2月28日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】景気判断「足踏みもみられるが、緩やかに回復」に下方修正/2月・月例経済報告 ほか
【統計】12月の実質賃金、前年同月比2.1%減少/毎勤統計確報値 ほか
【労使】「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」を発表/経団連
【動向】企業の6割で賃金改善の見込み、従業員給与は平均4.16%増と試算/民間調査 ほか
【企業】2025年度採用数の拡大と初任給引き上げ/名鉄 ほか
【海外】大規模労働争議が33件発生―2023年、労働統計局集計/アメリカ
【法令】労働関係法令一覧(2024年1月公布分)
【イベント】セミナー「イマドキ世代の育て方」/東京都 ほか
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【JILPTからのお知らせ】
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☆アンケートのお願い
本日、メールマガジン「労働情報」についてのアンケートのお願いを別メールにてお送りしています。
ご協力よろしくお願いいたします。
★「時間帯に着目したワーク・ライフ・バランス―家族生活と健康―」
<第1部:研究報告> ※オンデマンド配信(3月2日土曜~6日水曜)
「時間帯の視点からみた労働者の生活と健康、子どもへの影響」
「就労世代の生活時間の貧困」
「生活時間と健康の確保に関わる働き方」
<第2部:パネル討論> ※ライブ配信(3月6日水曜 14時20分~16時30分)
大石亜希子 千葉大学大学院教授
中野円佳 東京大学 男女共同参画室 特任助教
桂山奈緒子 認定NPO法人フローレンス マネージャー
高見具広 JILPT主任研究員
濱口桂一郎 JILPT研究所長
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240306/index.html
★「キャリア形成に寄与する学び直し・リカレント教育」
<第1部:研究報告> ※オンデマンド配信(3月16日土曜~19日火曜)
「AIと共に働くための学び直しとは?」
「産業人材ニーズと大学教育内容の関係の見える化の試み」
<第2部:事例紹介・パネル討論> ※ライブ配信(3月19日火曜 13時50分~16時15分)
・職業訓練の実践の取組
(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
・リカレント教育の実践の取組
(東京理科大学、愛媛大学)
コーディネーター 堀有喜衣JILPT統括研究員
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240319/index.html
☆『労働関係法規集2024年版』 現在予約受付中!
3月18日(月曜)より順次発送予定です。
主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの法規集です。
2024年版では、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」を新たに収録するとともに、
「労働基準法施行規則」「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準」「労働審判法」
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則」の改正法令を収録しています。
【B6判変型1,191頁 定価:1,980円(本体1,800円) 3月15日刊行予定】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html
◇『日本労働研究雑誌』2024年2・3月号を刊行しました!
学会展望:労働経済学研究の現在―2021~23年の業績を通じて
特集「モノを運ぶ仕事の労働問題」
今回の「学界展望」座談会のテーマは、「労働経済学研究の現在」です。2021年から2023年の労働経済学分野に
おける8つのテーマについて議論します。また、特集は「モノを運ぶ仕事の労働問題」です。他業界に比べ
労働条件が低く、慢性的な労働力不足といわれる運送事業には、多くの労働問題があります。今号では、運送業
とりわけトラック運送業に関する労働問題を理解するための5つの論文を紹介します。
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2024/02-03/index.html
◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2024年3月号を公開しました!
技能をどう高め、いかに継承させるか――「現代の名工」からの言葉
AI(人工知能)をはじめとする最新のデジタル技術が、高品質なものづくりに活用されつつあり、デジタルだからこそ、
見える化や再現性の向上が容易になってきていますが、現場では、労働者の五感や、長年にわたる作業経験が頼りになる
場面も多く、時間をかけて身につけた熟練技術の大切さは変わっていません。本号では、卓越した技能者である
「現代の名工」への取材などを通し、どう技能を高め、継承させていったらよいのか、現場からの声に耳を傾けます。
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/03/index.html
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【行政】
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●景気判断「足踏みもみられるが、緩やかに回復」に下方修正/2月・月例経済報告
政府は21日、2月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、このところ足踏みもみられるが、
緩やかに回復している」として、前月の「一部に足踏みもみられる」から下方修正。先行きについては、
「緩やかな回復が続くことが期待される」としつつ、「世界的な金融引締めや中国経済の先行き懸念のリスクに
加え、中東地域をめぐる情勢等の影響にも十分注意が必要。さらに、能登半島地震の影響に十分留意が必要。」
としている。個別判断では、雇用情勢は、「改善の動きがみられる」の判断を維持。個人消費は「持ち直している」
から「持ち直しに足踏みがみられる」に、生産は「持ち直しの兆しがみられる」から「持ち直しに向かっていた
ものの、このところ生産活動が低下している」に、変更。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2024/0221getsurei/main.pdf
●2024年3月高校卒業予定者の就職内定率、91.1%/文科省調査
文部科学省は22日、「2024年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(2023年12月末現在)」を公表した。
就職内定率は91.1%で、前年同月比0.2ポイント増。男女別では男子91.8%(同0.1ポイント増)、
女子89.8%(同0.3ポイント増)。学科別では、内定率の高い順に、工業96.6%、商業94.5%、農業93.5%、
看護、水産はいずれも93.4%など。普通科は84.5%。
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kousotsu/kekka/k_detail/mext_00032.html
▽調査結果
https://www.mext.go.jp/content/20240220-mxt_jidou01-000034051_001.pdf
●2024年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の実施/厚労省
厚生労働省は27日、職場における熱中症予防対策を徹底するため、労働災害防止団体などと連携し、5月1日から
9月30日まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施すると発表した。4月を準備期間、7月を
重点取り組み期間とする。事業場への熱中症予防に関する周知・啓発のほか、熱中症に関する資料やオンライン
講習動画等を掲載するポータルサイトを運営する。
また、あわせて「2023年職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(1月11日時点速報値)を発表した。
2023年の職場での熱中症による死亡者及び休業4日以上の業務上疾病者の数は1,045人、うち死亡者数は28人で、
多くの事例で暑さ指数(WBGT)を把握せず、熱中症予防のための労働衛生教育を行っていなかったとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38059.html
▽「熱中症による死傷災害の発生状況」
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001214534.pdf
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【統計】
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●12月の実質賃金、前年同月比2.1%減少/毎勤統計確報値
厚生労働省は27日、12月の「毎月勤労統計調査」結果(確報・事業所規模5人以上)を公表した。
現金給与総額は、就業形態計で57万2,334円(前年同月比0.8%増)、うち一般労働者が79万3,588円(同1.4%増)、
パートタイム労働者が11万7,678円(同2.4%増)。一方、実質賃金は同2.1%減で21カ月連続の減少。
同日には「毎月勤労統計調査」の2023年分結果確報も公表された。現金給与総額は、就業形態計で
前年比1.2%増の32万9,778円、実質賃金は同2.5%減で2年連続の減少。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2312r/dl/pdf2312r.pdf
▽統計表等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2312r/2312r.html
▽2023年分結果確報
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/23cr/dl/pdf23cr.pdf
▽2023年分統計表等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/23cr/23cr.html
●1月の消費者物価指数、2.0%上昇/総務省
総務省は27日、2024年1月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は106.4で前年同月比2.0%の上昇。
前月比(季調値)は0.1%上昇で横ばい。前年同月比で上昇が大きかったものは、「家事用消耗品」12.2%、「乳卵類」11.8%、
「生鮮果物」9.8%、「菓子類」9.6%などの順。品目では「たまねぎ」51.0%、「ペットフード(キャットフード)」28.0%、
「りんご」27.3%、「宿泊料」26.9%などの上昇が目立つ。一方、「電気代」マイナス21.0%、「ガス代」同15.3%など
エネルギー価格は下落した。生鮮食品及びエネルギーを除いた総合指数は105.8、前年同月比は3.5%の上昇となった。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
▽報道発表資料
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
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【労使】
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●「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」を発表/経団連
経団連は20日、「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」を発表した。国際的な人材獲得競争が
激化するなか、ビジネスモデルの変革や新規事業創出には、イノベーションを起こす高度専門人材の育成・
獲得・活用に注力することが重要とし、博士人材と女性理工系人材の育成・活躍について実態調査し、提言を
取りまとめた。約8割の企業に従業員・役員に博士がいるが、理系博士が圧倒的に多く、業種別では医薬品や化学、
機械・電気機器等で多い。2022年度の博士採用状況(新卒採用・経験者採用)は、大卒者以上の採用者全体の3%。
今後5年程度先を見通して、理系博士を増やす意向の企業は約2割。今後5年程度先を見通した、理工系女性の
採用方針は「拡大方向」が6割以上。博士人材と女性理工系人材の育成・活躍について、教育界・経済界・政府等が
連携し、それぞれが役割を果たしていく重要性をあらためて認識する必要があるとしている。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/014.html
▽アンケート結果
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/015.html
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【動向】
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●企業の6割で賃金改善の見込み、従業員給与は平均4.16%増と試算/民間調査
帝国データバンクは21日、「2024年度の賃金動向に関する企業の意識調査」結果を公表した。
正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引上げ)が「ある」と見込む企業は59.7%と3年連続で増加、
2007年の調査開始以降で最高を更新した。総人件費が2023年度と比較してどの程度変動するか尋ねたところ、
「増加」とする企業は72.1%(前年比で2.5ポイント増)、総人件費の増加率は平均4.32%増、うち従業員給与は
平均4.16%、賞与は平均4.04%、各種手当を含む福利厚生費も平均4.06%、増加すると試算した。賃金改善が
「ある」とする企業に理由を尋ねたところ、人手不足などによる「労働力の定着・確保」が75.3%(複数回答)が最も高かった。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240206.pdf
●「コロナ禍は終わった」とする企業は40.2%/民間調査
帝国データバンクは16日、「コロナ禍の終焉に関する企業アンケート」結果を発表した。
2020年1月に新型コロナウイルスの国内感染者が確認されてから4年経過、23年5月には新型コロナウイルスは
「5類」へ移行した。コロナ禍の終焉に関する意識について、「コロナ禍は終わった」とする企業は40.2%。
「どちらとも言えない」は27.7%、「コロナ禍は続いている」は31.3%。新型コロナの流行前(2019年以前)と
比較し、自社の働き方が多少なりとも「異なる」とした企業は66.3%。うち、最多は「2割程度異なる」の37.1%。
他方、「以前と同じ」企業は30.7%。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240204.pdf
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【企業】
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●2025年度採用数の拡大と初任給引き上げ/名鉄
名古屋鉄道は21日、2025年度入社の採用数拡大と初任給の引き上げを発表した。2025年度入社の採用数を
鉄道現業職・総合職合わせて235人に拡大。前年度比77人増で、2022年度比で約2倍、約30年ぶりの水準となる。
鉄道現業職は初任給を25年度から大卒で2万円以上引き上げて22万円以上、高卒で1万6,000円以上引き上げて
20万円以上とする。総合職は、制度改定で年俸制に移行し、24年度から大卒初任給を月額換算で7万円引き上げて
30万円とし、手当・業績給等を別途支給する。
https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2024/02/21/24-02-21saiyousuukakudaisyoninnkyuuhikiage.pdf
●希望退職者募集に募集人数を上回る応募/ワコール
ワコールホールディングスは、ワコールで構造改革に伴う希望退職者150名程度を募集した結果、応募人数が
215名となったことを発表した。退職日は2024年4月30日、優遇措置として特別退職加算金の支給、希望者に
対する再就職支援を実施する。
https://www.wacoalholdings.jp/ir/topics/files/wacoalholdingsnews20240226.pdf
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<アメリカ>
▽大規模労働争議が33件発生―2023年、労働統計局集計
米労働統計局(BLS)は21日、2023年に1,000人以上が参加する大規模なストライキ等の労働争議が33件発生した
と発表した。前年の23件から10件増加し、2001年以降で最も多い。争議の参加者数は約45万8,900人で、前年を
33万人以上、上回った。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/02/usa_03.html
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【法令】
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●労働関係法令一覧(2024年1月公布分)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202401.html
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【イベント】
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●セミナー「イマドキ世代の育て方」/東京都
東京都立中央・城北職業能力開発センターは3月6日(水)、 中小企業人材定着セミナー「イマドキ世代の育て方」を
会場(文京区)とオンラインで開催する。新入社員・若手社員などに対する理解、新世代の育成について話す。
参加無料。定員は会場30名、オンライン50名。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/vsdc/chuo/index.html
●テレワークセミナー/東京テレワーク推進センター
東京テレワーク推進センターは下記のセミナーを会場(文京区)とオンラインで開催する。
3月7日(木)「管理職必見!17万人をAI分析してわかったハイブリッド環境下で成果を出す社内コミュニケーションの秘訣」
3月15日(金)「柔軟な働き方で多様な人財のキャリアを育む!テレワーク実践事例セミナー」
各セミナー:参加無料、要事前申込。定員は会場15名、オンライン300名。
https://tokyo-telework.metro.tokyo.lg.jp/seminarevent
●オンライン展示会「ライフ・ワーク・バランスEXPO東京2024」/東京都
東京都は「ライフ・ワーク・バランス」の実現に向けリアル開催した総合展「ライフ・ワーク・バランスEXPO東京2024」の
ステージプログラムをオンデマンド配信するとともに、会場内の様子をVR空間上に再現した「バーチャル展示会」を
3月7日(木)まで開催している。視聴する場合は、HPから登録する。
https://lwb-expo-2024.metro.tokyo.lg.jp/