メールマガジン労働情報 No.1940

■□――【メールマガジン労働情報/No.1940】

2024年4月からハローワークの求人票に明示する労働条件が3点追加/厚労省 ほか

―2024年2月16日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】2024年4月からハローワークの求人票に明示する労働条件が3点追加/厚労省 ほか
【統計】2023年10~12月期のGDP実質成長率、年率0.4%減/1次速報値 ほか
【労使】日産は総額で1万8,000円、本田は2万円/自動車大手労組が要求提出 ほか
【動向】7割の企業が残業対策/民間調査
【企業】月額5,000~8,000円のベースアップと初任給改定/ミツウロコグループ
【海外】ドイツにおける労働時間改革の現状 ほか
【イベント】「派遣先事業主・責任者研修会」/東京労働局 ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズNo.236『企業の賃金決定に係る調査』

「成長と分配の好循環」の実現に向けて、持続的な賃上げが重要視されていますが、賃上げに関わる背景について、
企業収益の見通し・先行きや、賃金改定に当たり考慮する要素、賃上げへの企業の態度との関係性を調査しました。
成長の見込みは、現在と過去・今後の1年を比較し、いずれも「低くなっている」がやや多いものの拮抗しており、
企業を取り巻く不透明感は、現在と過去・今後の1年を比較し、いずれも「高まっている」が60%以上でした。
2021年、22年の賃上げ実施状況については、両年とも「定期昇給」が75%以上でした。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2024/236.html

◇資料シリーズNo.273『過重負荷による労災認定事案の研究 その5』

2011年度から19年度までに業務上認定された裁量労働制適用者にかかる脳・心臓疾患事案と精神障害事案について、
労働時間・職務遂行状況、事業場・上司による職場管理などの視点から分析し具体的要因を探ること、裁量労働制が
適用されていることと労災の関係を探ることなどを目的に分析を行いました。また、脳・心臓疾患の労災認定事案の
就業スケジュールの特徴を解析し、健康被害を及ぼしうる労働時間の状況について考察しました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2024/273.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆JILPTリサーチアイ 第80回
 「ミドルエイジの健康を問う─男女の健康課題と就業への影響─」
  労働市場・労働環境部門 主任研究員 高見 具広(2月16日)

労働政策研究・研修機構(JILPT)は、2023年1月より、JILPT個人パネル調査「仕事と生活、健康に関する調査」
(JILLS-i)を開始した。同調査は、全国35~54歳の男女を対象に、同一個人を追跡する形で、仕事、生活、健康の状況を
半年間隔で調査し、その変化および相互の影響関係を研究することを主な目的としている。ここでは、その第1回調査の
中から、健康に関する調査結果を紹介する。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/080_240216.html

★第131回労働政策フォーラム(オンライン開催) 申込受付中!
「時間帯に着目したワーク・ライフ・バランス―家族生活と健康―」

 第1部  基調報告・研究報告 ※オンデマンド配信(3月2日土曜~6日水曜)
 「時間帯の視点からみた労働者の生活と健康、子どもへの影響」
   大石亜希子 千葉大学大学院教授
 「就労世代の生活時間の貧困」
   浦川邦夫 九州大学教授
 「生活時間と健康の確保に関わる働き方」
   高見具広 JILPT主任研究員
 第2部  パネル討論 ※ライブ配信
  日時 3月6日水曜 14時20分~16時30分
 <登壇者>
   大石亜希子 千葉大学大学院教授
   中野円佳  東京大学 男女共同参画室 特任助教
   桂山奈緒子 認定NPO法人フローレンス みらいのソーシャルワーク事業部マネージャー
   高見具広  JILPT主任研究員
   濱口桂一郎 JILPT研究所長
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240306/index.html

★第130回労働政策フォーラム(オンライン開催) 申込受付中!
「ガイダンスツールを活用した就職相談とキャリア支援─相談支援現場からの実践報告─」

 第1部 「VRTカード」講習会
  ※会場参加の受付終了。キャンセル待ち受付中です。
   講習会の一部(演習除く)をオンラインでもご視聴いただけます。
  日時 2月27日火曜 13時00分~14時25分
  会場 東京都中央区(AP日本橋)
 第2部  労働政策フォーラム ※ライブ配信
  日時 2月27日火曜 14時45分~17時10分
 <登壇者>
   原田千絵 (公財)愛知県労働協会 職業適性相談グループ主任
   奥村英生 北海道労働局 北見公共職業安定所所長
   玉手桃子 キャリアコンサルタント
   太幡竜一 (株)エイチ・アール・シー・キャリア 対人支援グループ
   深町珠由 JILPT主任研究員
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240227/index.html

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【行政】
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●2024年4月からハローワークの求人票に明示する労働条件が3点追加/厚労省

厚生労働省では、職業安定法施行規則改正により2024年4月1日以降、ハローワークに求人を申し込む場合は、
求人票に新たに「従事すべき業務の変更の範囲」、「就業場所の変更の範囲」、「有期労働契約を更新する
場合の基準」の明示が必要となることについて、リーフレットを公開している。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001188638.pdf

●建設業の一人親方の取組に関する今後の道筋(案)を公表/国交省

国土交通省は、建設業における社会保険加入促進対策や労働時間の上限規制の強化に伴い、技能者の一人親方化が
行われている可能性に着目、実態調査(資料15頁~22頁)において、雇用労働者であるにもかかわらず、偽装請負の
一人親方として従事している例も一定数存在することが確認されたことなどを踏まえ、「一人親方の取組に関する
今後の道筋(案)」をまとめた。2026年度以降の「適正でない一人親方の目安」の策定に向けた検討を進め、
目安策定にあたっては、技能者の技能レベルを示すため建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用を検討する、
などとしている(資料24頁)。「道筋(案)」は、業界団体や労働法等の有識者で構成する「建設業の一人親方問題に
関する検討会」(1月31日)に示されたもの。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk2_000133.html
▽資料
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001722115.pdf

●公務災害認定時にカスハラ等を参考とすべき出来事例に追加/人事院

人事院は14日、国家公務員災害補償制度における公務災害認定のための指針「精神疾患等の公務上災害の認定指針」等の
一部改正を発表した。認定に必要な調査・分析時の検討項目に「勤務間インターバル」を、留意事項に「2週間以上にわたる
連続勤務」を追加。認定に必要な調査・分析時に参考とすべき出来事例として、いわゆるカスハラを追加し、性的指向・性自認に
関するものを含むことを明記、など。2023年9月に労働者災害補償保険制度で心理的負荷による精神障害の認定基準が
改正されたことを考慮した。
https://www.jinji.go.jp/kisya/2402/seishin-shishinkaisei.html
▽精神疾患等の公務上災害の認定指針
https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/16_saigaihoshou/1611000_H20shokuho114.html

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【統計】
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●2023年10~12月期のGDP実質成長率、年率0.4%減/1次速報値

内閣府は15日、2023年10~12月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表した。
GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質がマイナス0.1%、年率換算でマイナス0.4%。7~9月期に続き
2期連続のマイナス。需要項目別では、民間最終消費支出が実質マイナス0.2%(前期はマイナス0.3%)、
うち家計最終消費支出は実質マイナス0.3%(同マイナス0.4%)。雇用者報酬の伸び率は実質0.1%、名目0.4%。
2023年1年間のGDPも公表され、実質成長率は1.9%だった。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
▽統計表
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2023/qe234/gdemenuja.html

●12月の生産指数、前月比1.4%上昇/鉱工業指数確報

経済産業省は15日、12月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」確報値を公表した。
生産指数(季節調整済)は105.5(前月比1.4%上昇)。業種別で上昇したのは「汎用・業務用機械工業」
「生産用機械工業」「電気・情報通信機械工業」等。低下は「食料品・たばこ工業」「その他工業」
「窯業・土石製品工業」等。出荷は104.9(同2.2%上昇)。生産、出荷は2カ月ぶりの上昇。
在庫(同-1.2%)、在庫率(同-2.9%)はいずれも低下。確報と速報を比べると、生産、出荷は下方修正、
在庫、在庫率は変わらず。生産の下方修正は、医薬品、石けん類等による。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要冊子
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202312kj.pdf

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【労使】
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●日産は総額で1万8,000円、本田は2万円/自動車大手労組が要求提出

自動車総連(金子晃浩会長、約79万9,000人)に加盟するメーカー部会の大手組合が14日、揃って
「2024年総合生活改善の取り組み」に関する要求書を経営側に提出した。日産労組の平均賃金要求は、
昨年要求を6,000円上回る総額1万8,000円で、本田技研労組と三菱自工労組は総額で2万円を掲げた。
一時金要求も、トヨタ労組が7.6カ月を要求するなど高水準の要求月数が目立った。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20240216.html

●2024年度に「賃上げ実施予定」の企業は61.3%/日商

日本商工会議所は14日、「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」結果を発表した。
人手不足の状況および対応について、「不足している」企業は65.6%。業種別では建設業、運輸業、
介護・看護業で8割近く、最も低い製造業でも6割近い。2024年度に「賃上げ実施予定」の企業は61.3%、
うち、「業績改善みられないが賃上げを実施予定(防衛的な賃上げ)」は60.3%。2024年度の賃上げ率の
見通しについては、「3%以上」とする企業が36.6%。最低賃金引上げについて、「最低賃金を下回ったため、
賃金を引上げた」企業は38.4%、「最低賃金を上回っていたが、引き上げた」企業は29.8%。
https://www.jcci.or.jp/research/2024/0214110000.html
▽調査結果
https://www.jcci.or.jp/20240214_survey_release.pdf

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【動向】
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●7割の企業が残業対策/民間調査

パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は9日、「残業」をテーマとした調査結果を発表した。
対象は、20~60歳代の個人と1,000名と企業・人事担当者500名。直近1年間に残業削減対策実施した企業は70.2%。
業種別では、4月から時間外労働の上限規制が適用される「運輸・物流」が78.8%で最も高かった。個人に、
2023年4月以前と以後(12月まで)の残業時間(月平均)を比較し変化を尋ねたところ、「変わらないと思う」が
最多の68.6%、「減ったと思う」は18.7%。具体的な残業時間では、23年4月以前の平均は「14.8時間」、4月以降は
「14.5時間」で差分はマイナス0.3時間となった。残業する理由は「業務が終わらないため」(75.3%)が最多。
残業時間の多さをきっかけに転職を考えるは、計55%(考える(18.9%)、やや考える(36.6%))。転職を考える
残業時間は、「40~60時間未満(12.9%)」が最多。
https://www.persol-career.co.jp/newsroom/news/research/2024/20240209_1329/

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【企業】
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●月額5,000~8,000円のベースアップと初任給改定/ミツウロコグループ

ミツウロコグループは7日、2024年4月に正社員従業員約1,110名(一部管理職及び一部会社を除く)を対象に、
月額5,000~8,000円のベースアップを実施すると発表した。また、初任給を改定し、同年4月以降の新入社員対象に
月額8,000円を増額する。グループ内のミツウロコヴェッセル総合職の場合、月額27万円となる。従業員が自身の
能力・スキルを発揮し、やりがい、働きがいを感じて働くことができる環境を提供し、エンゲージメントの向上を
実現する、としている。同グループではベースアップ及び初任給改定を22年、23年にも実施している。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8131/announcement/95920/00.pdf

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【海外】
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●フォーカス/JILPT

<ドイツ>
▽ドイツにおける労働時間改革の現状

ドイツでは、現在の連立政権が2021年連立協定において、2025年秋まで続く立法期間中の労働時間制度の分野で
幾つかの改革プロジェクトに合意した。しかし、決定は現在のところまだ保留されている。とりわけ大きな議論を
呼ぶものだけに、次の総選挙までに決定が下されるかどうかは、全く不確かである。特に大きな改革は2つあり、
第1に、労働時間記録の一般的導入、第2に、ホームオフィスの法整備、となっている。全ての関係者が納得する
実行可能な解決策を見つけて実行するためには、立法期間終了まで時間はあまり残されていない。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2024/02/germany.html

●国別労働トピック/JILPT

<ILO>
▽脆弱性が高まる中での労働市場の回復―ILO世界の雇用及び社会の見通し2024

ILOは2024年1月10日、年次報告「世界の雇用及び社会の見通し動向編2024年版(World Employment and Social Outlook:
Trends 2024)」を発表した。報告書によると、2023年の労働市場は経済の減速にもかかわらず堅調に回復したが、
2024年には失業率が悪化し、格差の拡大が解消されていないままであると予測している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/02/ilo_01.html

▽労働関連死者数は年間約300万人、労災に遭う労働者は3億9,500万人―ILO労働安全衛生推計

ILOは2023年11月、世界の労働安全衛生に関する報告書「すべての人に安全で健康的な労働環境を:世界における
安全で健康的な労働環境に対する基本的権利の実現(Safe and healthy working environments for all)」を発表した。
この報告書は2019年の調査をもとに、労働安全衛生に関するILOの最新の推計をまとめたものである。報告書によると、
世界で作業関連疾患によって死亡する労働者は年に260万人に上る。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/02/ilo_02.html

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【イベント】
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●「派遣先事業主・責任者研修会」/東京労働局

東京労働局は2月21日(水)、「派遣先事業主・責任者研修会」をオンラインで開催する。
男女雇用機会均等法等の派遣労働者への適用、派遣労働者と労働基準法等の適用、
外国人在留支援センターの紹介など、労働者派遣に関わるルールを説明する。
対象は主に派遣労働者を受け入れている(または受け入れ予定の)事業主。受講無料。
要事前申込。次回は3月19日(火)に同形式で開催予定。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_060221_hasaki.html

●「派遣労働者の同一労働同一賃金オンラインセミナー」/東京労働局

東京労働局は2月22日(木)、「派遣労働者の同一労働同一賃金オンラインセミナー~労使協定作成実務~」を
オンラインで開催する。労使協定作成実務担当者を主な対象として、派遣労働者の同一労働同一賃金に関する
労使協定の作成方法について説明。参加無料。要事前申込。今年度の開催は今回で終了。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_060222_0001.html

●企業向け採用・定着セミナー/千葉県

千葉県設置の就職氷河期世代向け就職支援の窓口「35歳からの正社員チャレンジスクエア」は2月28日(水)、
企業向け採用・定着セミナーをオンラインで開催する。内容は、「働き方改革関連法と多様な人材が活躍できる
職場づくり」。参加費無料。対象は県内企業の経営者及び採用担当者。定員は25名程度、要事前予約。
https://chiba-challenge-square.com/event/781/