メールマガジン労働情報 No.1930

■□――【メールマガジン労働情報/No.1930】

雇用保険部会報告を公表、週10時間以上へ適用拡大など盛り込む/厚労省 ほか

―2024年1月12日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】雇用保険部会報告を公表、週10時間以上へ適用拡大など盛り込む/厚労省 ほか
【統計】景気判断、全ての地域で「持ち直し」「緩やかに回復」「着実に回復」/日銀地域経済報告 ほか
【労使】相談受付件数、「パワハラ・嫌がらせ」が最多/連合「労働相談ダイヤル」(11月)
【動向】賃金増加幅が物価上昇幅より「小さい」は60.4%/連合総研調査 ほか
【企業】「パートナーシップ制度」導入、SOGIハラスメント禁止を明記/ユカリア
【イベント】セミナー「経営戦略としての働き方改革~取組事例と実践ノウハウ~」/東京都 ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズNo.234『JILPT個人パネル調査「仕事と生活、健康に関する調査」(第1回)』
https://www.jil.go.jp/institute/research/2023/234.html

◇調査シリーズNo.235『高度プロフェッショナル制度の適用労働者アンケート調査』
https://www.jil.go.jp/institute/research/2023/235.html

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【JILPTからのお知らせ】
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★第129回労働政策フォーラム(オンライン開催) 申込受付中!
 <労働関係図書優秀賞記念企画>

テーマ :仕事と介護の両立─介護離職ゼロに向けた課題
日 時 :第1部 記念講演        2月1日(木)~5日(月)
     第2部 パネルディスカッション 2月5日(月)14時00分~16時30分
開催方式:Zoomウェビナー
参加費無料/申込期限1月31日(水)

本フォーラムでは、働きながら家族の介護をしている人に寄り添った地域の支援や、職場・企業における
両立支援の取組の現状と課題について議論し、介護離職の防止に向けて何が求められているのか考察します。
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240205/index.html

◇英文ジャーナル『Japan Labor Issues』(電子版)2024年冬号を公開しました!

本号では、論文特集(II)として、転居を伴う転勤が夫に生じたとき妻は同居及び就業について
どのような選択をしているかを分析した論文と、日本企業における男性の育児休業の普及には
どのような要因が影響を与えていて、普及は企業業績に影響を与えているかについて検証する論文を掲載しています。
判例解説では、プラットフォームワーカーの労働組合法上の労働者性を争った事件(東京都労委2022年10月4日命令)を
取り上げています。そのほか、人手不足を補うための外国人労働者受け入れ政策の変容についての解説、
30年ぶりの高い賃上げ水準となった2023年春闘の総括を掲載しています。
https://www.jil.go.jp/english/jli/index.html

◇「最近の統計調査結果から」(2023年12月)

官公庁から最近発表された労働統計等をご紹介しています。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2023/202312.html
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2023/documents/202312.pdf

◇労働政策フォーラムの開催報告を掲載しています

第128回「外国にルーツを持つ世帯の子育てと労働を考える」(2023年10月13~19日開催)
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20231019/houkoku/index.html

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【行政】
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●雇用保険部会報告を公表、週10時間以上へ適用拡大など盛り込む/厚労省

厚生労働省は10日、労政審職業安定分科会雇用保険部会の報告を公表した。
雇用保険制度の適用拡大については、雇用のセーフティネットを拡げる観点から、週の所定労働時間が10時間以上
20時間未満の労働者にも適用すること(2028年度中に施行)、自己都合離職者の給付制限期間(給付開始までの待期期間)
については、現行の2カ月を2025年度から1カ月に短縮すること、「専門実践教育訓練給付金」については、受講前後を比べ
賃金が一定(5%)以上上昇した場合には費用の10%を追加することにともない、「教育訓練給付金」の給付率を
最大で受講費用の80%に引き上げること、育児休業給付金については、両親がともに一定期間以上の育休を
取得した場合には28日間を限度に、休業開始前賃金の80%相当額の給付を支給すること、2歳未満の子を養育する
時短勤務者には、「育児時短就業給付(仮称)」を創設し、給付率は時短勤務中の賃金額の10%とすること、などの内容。
雇用保険料率については、育児休業給付に係る保険料率0.4%を2025年度に0.5%に引き上げるとしつつ、財政状況に応じた
弾力的な仕組みの導入も提起した。厚労省はこの報告書の内容を踏まえ、2024年通常国会への法案提出に向けて
法案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000107715_00006.html
▽雇用保険部会報告
https://www.mhlw.go.jp/content/11607000/001187882.pdf

●就職氷河期世代対象の国家公務員採用試験、合格者数165人/人事院

人事院は12月25日、国家公務員中途採用者選考試験(就職氷河期世代)の合格者を発表した。
2023年度の合格者は165人で、申込者数は6,039人。同試験を開始した2020年度から今回まで、
毎年150人以上という採用目標を4年連続で上回った。
https://www.jinji.go.jp/kisya/2312/hyougaki_goukaku.html

●2024年度全国安全週間のスローガン募集/厚労省

厚生労働省は9日、2024年度全国安全週間のスローガンの募集を開始した。募集期間は2月9日まで(当日消印有効)。
スローガンは、全国安全週間の実施に当たり、各種の広報活動、週間行事の実施等に活用される。
全国安全週間は6月を準備月間、7月1日から7日を本週間として、1928年以来続けられ、2024年度で97回目となる。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37217.html

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【統計】
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●景気判断、全ての地域で「持ち直し」「緩やかに回復」「着実に回復」/日銀地域経済報告

日本銀行は11日、1月の「地域経済報告―さくらレポート―」を公表した。海外経済の回復ペース鈍化や
物価上昇の影響を受けつつも、すべての地域で景気は「持ち直し」、「緩やかに回復」、「着実に回復」と判断。
前回(10月時点)と比べ、全9地域中で総括判断引き上げは2地域(東海、九州・沖縄)、引き下げは近畿のみ。
雇用・所得情勢は、いずれの地域も「改善している」「緩やかに改善している」「着実に持ち直している」と判断している。
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rer240111.htm
▽全文
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rer240111.pdf

●11月の景気動向指数、4カ月ぶりの下降も、基調判断は「改善」で据え置き/内閣府

内閣府は11日、2023年11月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を示す「一致指数」は114.5で、
前月と比較して1.4ポイント下降し、4カ月ぶりの下降。マイナスに寄与したのは「輸出数量指数」
「投資財出荷指数 (輸送機械を除く)」「有効求人倍率(学卒を除く)」など。プラス寄与は「商業販売額(小売業)」
「耐久消費財出荷指数」など。一致指数の基調判断は「改善を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
▽概要
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202311psummary.pdf

●生活保護の申請件数、前年同月比1.3%増/10月被保護者調査

厚生労働省は10日、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2023年10月分概数)結果を公表した。
保護の申請件数は2万900件で、前年同月比1,200件(6.1%)増。保護開始世帯数は1万8,830世帯で、
同1,114世帯(6.3%)増。被保護世帯は165万2,145世帯で、同7,764世帯(0.5%)増。
被保護実人員は202万1,618人で、同2,577人(0.1%)減。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2023/10.html
▽報道資料
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2023/dl/10-01.pdf

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【労使】
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●相談受付件数、「パワハラ・嫌がらせ」が最多/連合「労働相談ダイヤル」(11月)

連合は12月21日、「なんでも労働相談ダイヤル」2023年11月分集計結果を発表した。受付件数は1,224件(前年同月比62件増)。
相談の内容は、「パワハラ・嫌がらせ」(16.4%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(10.0%)、
「解雇・退職強要・契約打切」(9.6%)、「退職手続」(6.6%)など。業種別では「医療・福祉」(23.9%)が最多、
次いで「サービス業(他に分類されないもの)」(18.4%)、「製造業」(13.5%)など。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/soudan_report/data/202311.pdf

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【動向】
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●賃金増加幅が物価上昇幅より「小さい」は60.4%/連合総研調査

連合総研は12月27日、第46回勤労者短観「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート」報告書を発表した。
10月に同アンケートの首都圏・関西圏版分析結果を発表しており、今回は全国対象の結果も併せて公表した。
全国分析によれば、1年前と比較した賃金収入の変動幅と物価上昇幅の差について、賃金の増加幅が物価上昇より
「小さい」とした回答は60.4%、「大きい」は6.6%。首都圏関西圏とそれ以外の地域で見ると
「小さい」は58.7%と62.1%で、「それ以外の地域」では賃金の増加幅が物価上昇より「小さい」が首都圏関西圏を3.4%上回った。
https://www.rengo-soken.or.jp/work/2023/12/271025.html

●景気は3カ月連続で改善、今後は横ばい傾向で推移/民間調査

帝国データバンクは11日、TDB景気動向調査(2023年12月調査)結果を発表した。
景気DIは前月比0.1ポイント増の44.9となり、3カ月連続で改善。年末需要が堅調だったなかで、
暖冬による季節商品の不振や自動車メーカーの不正問題などがマイナス要因となったが、
今後は、持続的な賃上げや金利動向などを受け、横ばい傾向で推移するとみられる。
今後の景況感については、7業種で大幅な回復を見込んでいるが、能登半島地震の影響が懸念される、としている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/202401_jp.pdf

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【企業】
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●「パートナーシップ制度」導入、SOGIハラスメント禁止を明記/ユカリア

病院経営支援及び高齢者施設運営を行うユカリアは9日、1月から事実婚や同性のパートナー、およびその子、親に対し、
法律上の配偶者や家族と同様に福利厚生や規程を適用する「パートナーシップ制度」を導入すると発表した。
適用される制度は休暇、手当、福利厚生関連。またSOGIハラスメントに関し「性自認や性的指向、性表現を侮辱するような発言を
すること」を禁止行為として「ハラスメントの防止に関する細則」を改定した、とした。
https://eucalia.jp/20240109pr/

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【イベント】
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●「医療・介護・保育等職業紹介事業の適正な運営に係る講習会」/東京労働局

東京労働局は26日(金)、「医療・介護・保育等職業紹介事業の適正な運営に係る講習会」を
会場(港区)とZoomオンラインで開催する。求人者からみた医療・介護・保育分野職業紹介事業者利用時の
問題点、適正事業者の認定制度、職業安定法の改正等について説明する。主に医療・介護・保育分野の
職業紹介事業者向けの内容。参加無料。要事前申込。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_060126_00001.html

●セミナー「経営戦略としての働き方改革~取組事例と実践ノウハウ~」/東京都

東京都労働相談情報センターは2月1日(木)・5日(月)、立川市で労働セミナー&相談会
「経営戦略としての働き方改革~取組事例と実践ノウハウ~」を開催する。
中小企業の経営者や働き方改革担当者向けに、中小企業の働き方改革取組事例を紹介し、
実践ノウハウを解説する。セミナー後に希望者のみ、社労士等によるオンライン相談会を実施。
受講無料。定員50名、要事前申込。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/detail?kanri_bango=seminar-zchuo-001440

●メンタルヘルスラインケア講座/神奈川県労働福祉協会

神奈川県労働福祉協会は2月8日(木)、「管理職、上司、リーダーなら!必ず知っておきたい!メンタルヘルスラインケア講座」を
Zoomで開催する。活気ある職場づくりのため管理者として取り組むべきラインケアの基礎知識と対策について、
具体的対処法を交え解説する。勤労者、一般の方を対象とした基礎講座。
講義翌々日から、オンデマンド配信もあり(1カ月間視聴可能)。受講料4,000円、要事前申込。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/linecare.html