メールマガジン労働情報 No.1893

■□――【メールマガジン労働情報/No.1893】

全ての都道府県で最低賃金を引き上げ、全国加重平均額1,004円へ/厚労省 ほか

―2023年8月23日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】全ての都道府県で最低賃金を引き上げ、全国加重平均額1,004円へ/厚労省 ほか
【統計】2023年4~6月期のGDP実質成長率1.5%、年率6.0%/内閣府 ほか
【労使】相談受付件数、「パワハラ・嫌がらせ」が最多/連合「労働相談ダイヤル」(6月)
【動向】最低賃金引き上げへの対応、企業の7割が「賃上げ行う」/民間調査 ほか
【企業】選択的週休3日制を導入/レゴランド・ジャパン
【海外】エッセンシャルワークの重要性―ILO世界の雇用及び社会の見通し2023別冊/ILO ほか
【イベント】シンポジウム「もっと子どもたちと向きあいたい」/連合総研 ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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会 場:ビジョンセンター永田町(東京都千代田区)
受講料:4万5,000円(税込・各コース共通)
https://www.jil.go.jp/kouza/senmon/index.html

★「最近の統計調査結果から」(2023年7月)

 官公庁から最近発表された労働統計等をご紹介しています。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2023/202307.html
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2023/documents/202307.pdf

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【行政】
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●全ての都道府県で最低賃金を引き上げ、全国加重平均額1,004円へ/厚労省

 厚生労働省は18日、地方最低賃金審議会が答申した2023年度の地域別最低賃金の
改定額を取りまとめた。47都道府県で39円~47円の引上げとなり、改定額の全国
加重平均額は1,004円(昨年度961円)。全国加重平均額43円の引上げは、1978年度
に目安制度が始まって以降で最高額。最高額(1,113円)に対する最低額(893円)
の比率は、80.2%(昨年度79.6%)で9年連続の改善。引上げ額は、10月1日から
10月中旬までの間に順次発効される予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34684.html
(地域別最低賃金 答申状況)
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001136128.pdf

●2021年度の派遣労働者数、対前年度比8.6%増加/厚労省集計

 厚生労働省は9日、「労働者派遣事業報告書」(2021年度報告)集計結果を公表
した。派遣労働者数は約209万人(対前年度比8.6%増)、無期雇用派遣労働者数は
77万5,804人(同8.8%増)、有期雇用派遣労働者数は131万6,501人(同8.5%増)。
8時間換算・平均での派遣料金2万4,461円(同1.1%増)に対して 派遣労働者の
賃金は1万5,698円(同0.7%増)だった。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000199493_00017.html

●バス運転士の働き方改革、PR動画(第3弾)を公開/厚労省

 厚生労働省は18日、働き方改革PR動画『はたらきかたススメ』シリーズ第3弾」
を公開した。この動画シリーズは、2024年4月から開始する建設業で働く人やドラ
イバーへの時間外労働の上限規制の適用に向けて制作するもの。
 今回の第3弾は、バス運転士の働き方改革を進めるにあたり、発注者をはじめと
する人たちに周知したい内容を取り上げている。今後は、今年9月に「建設業編」
を公開する予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34701.html
(参考・自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html

●「世界経済の潮流2023(I)」を公表/内閣府

 内閣府は14日、「世界経済の潮流2023年(I):アメリカの回復・インドの発展」を
公表した。第1章「2023年前半の世界経済の動向」では、経済の先行きをみる上で
重要な、アメリカ、中国、ヨーロッパの各地域と国際金融におけるトピックや、
先行きの見通しとリスク要因等を分析。第2章「インドの発展の特徴と課題」では、
インドの製造業の発展を妨げている要因と産業・通商政策に加え、IT・サービス
産業や新技術の活用の動向を紹介。
https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh23-01/index-pdf.html
(概要)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2023/sekai123siryou.pdf

●三和商事不当労働行為再審査事件で初審命令を変更/中労委

 組合から日々雇用労働者の供給を受けていた有限会社三和商事が、(1)労働者供給の依頼を
打ち切ったこと、(2)供給依頼の回復等に関する団体交渉申入れに応じなかったことが不当
労働行為であると申立てがあった事件において、初審大阪府労働委員会は(1)(2)とも不当労
働行為に該当すると判断した。組合及び会社が申し立てた再審査事件において、中央労働
委員会は8月7日、初審命令を変更し、(2)に関する文書交付を命じ、その余の救済申立てを
棄却した。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/futouroudou/dl/r050808-1.pdf

●筑波学院大学不当労働行為再審査事件で初審命令を維持/中労委

 組合が、学校法人筑波学院大学から団体交渉における録音を認めない合理的な理由の説明が
ないため録音を行うと通知したところ、法人が一方的に録音するなら団体交渉を中止すると
回答したこと等が不当労働行為であると申立てがあった事件の再審査事件において、中央
労働委員会は8月8日、不当労働行為の成立を認めた初審命令を維持し、録音についての協議
及び組合から申し入れられた団体交渉に係る救済方法を変更した。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/futouroudou/dl/r050809-1.pdf

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【統計】
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●2023年4~6月期のGDP実質成長率1.5%、年率6.0%/内閣府

 内閣府は15日、2023年4~6月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表した。
GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質が1.5%、年率換算で6.0%。需要項目別では、
民間最終消費支出が実質マイナス0.5%(1~3月期は0.6%)、うち家計最終消費支出は
実質マイナス0.5%(同0.6%)。また、雇用者報酬の伸び率は実質0.6%、名目1.1%。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2023/qe232/gdemenuja.html

●労災の死亡者数8.4%減、休業4日以上死傷者数1.0%増/厚労省集計

 厚生労働省は17日、2023年の労働災害発生状況(8月速報値)を公表した。
2023年における死亡災害は、死亡者数が360人で前年同期比8.4%減少。業種別
では、建設業104人(同13.3%減)、第三次産業93人(同5.1%減)、製造業72人
(同13.3%減)、陸上貨物運送事業52人(同30.0%増)など。事故の型別では、
「墜落・転落」94人(同16.1%減)が最多のほか、交通事故(道路)70人
(同29.6%増)。休業4日以上の死傷者数は6万4,213人で、前年同期比1.0%増加。
業種別では、第三次産業の3万2,098人(同3.0%増)が最多。事故の型別では、
「転倒」1万7,761人(同0.8%増)、「墜落・転落」1万31人(同0.9%減)など。
なお、今回公表された数値は、新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害を
除いたもの。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/23-08.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html

●7月の生鮮食品を除く総合指数、前年同月比 3.3%上昇/全国消費者物価指数

 総務省は18日、2023年7月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く
総合指数は105.4で前年同月比3.1%の上昇、前月比(季節調整値)0.3%の上昇。
前年同月比での上昇に寄与したのは、からあげなどの調理食品10.0%(寄与度0.36)、
アイスクリームなどの菓子類11.5%(同0.28)、ハンバーガーなどの外食5.5%
(同0.26)など。下落は、電気代のマイナス16.6%(同マイナス0.67)。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

●7月の企業物価指数、前年比3.6%の上昇/日銀

 日本銀行は10日、企業物価指数(2023年7月速報)を公表した。国内企業物価指数は
119.3で、前月比0.1%、前年比は3.6%の上昇。製品別の前年比での上昇は、窯業・
土石製品(15.2%)、パルプ・紙・同製品(14.9%)、その他工業製品(8.1%)など。
6月からの上昇幅では「石油・石炭製品」が最大(2.2%)。輸入物価指数(ドルなどの
契約通貨ベース)は、前月比マイナス0.4%で10カ月連続の低下、前年比は
マイナス15.6%。円ベースでは前月比マイナス0.3%、前年比マイナス14.1%の低下。
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2307.pdf

●6月の生産指数、前月比2.4%上昇/鉱工業指数確報

 経済産業省は15日、6月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」
確報値を公表した。生産指数(季節調整済)は105.7、前月比2.4%の上昇。業種別では、
上昇したのは、自動車工業、電子部品・デバイス工業、化学工業(無機・有機化学を
除く)等。低下したのは、食料品・たばこ工業、石油・石炭製品工業、パルプ・紙・
紙加工品工業等。出荷は同1.6%、在庫は同0.2%、それぞれ上昇、在庫率は同マイナス
0.8%低下。速報と比べ、生産、出荷、在庫、在庫率のいずれも上方修正。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要冊子)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202306kj.pdf

●民間需要の機械受注額、2.7%増/機械受注統計

 内閣府は17日、機械受注統計調査報告(2023年6月実績)を公表した。
機械受注総額は、前月比0.2%増の2兆6,434億円(季節調整値)。民間設備投資の
先行指標である「民需(船舶・電力を除く)」は、同2.7%増の8,540億円。うち
船舶・電力を除く製造業は同1.6%増・4,296億円で、非製造業は同9.8%増・4,321億円。
基調判断は「足踏みがみられる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2306juchu.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2306gaiyou.pdf

●2023年8月の総人口、前年同月比54万人減/総務省人口推計

 総務省は21日、人口推計を公表した。2023年8月1日現在の総人口(概算値)
は1億2,454万人(前年同月比54万人・0.43%減)。23年3月1日現在の総人口
(確定値)は1億2,456万7千人(同53万5千人・0.43%減)。年齢階層別(確定値)
では、「65歳以上」が3,618万5千人(同0.15%減)、「15~64歳」が7,401万5千人
(同0.25%減)、「15歳未満」が1,436万7千人(同2.04%減)。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202308.pdf
(統計表等)
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

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【労使】
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●相談受付件数、「パワハラ・嫌がらせ」が最多/連合「労働相談ダイヤル」(6月)

 連合は7月21日、「なんでも労働相談ダイヤル」2023年6月分集計結果を発表した。
受付件数は1,850件(前年同月比233件減)。相談の内容は、「パワハラ・嫌がらせ」
(20.5%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(11.0%)、「解雇・退職強要・
契約打切」(7.2%)など。業種別では「医療・福祉」(22.8%)が最多、次いで
「サービス業(他に分類されないもの)」(19.8%)、「製造業」(13.5%)など。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/soudan_report/data/202306.pdf

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【動向】
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●最低賃金引き上げへの対応、企業の7割が「賃上げ行う」/民間調査

 帝国データバンクは9日、最低賃金引き上げにともなう企業の対応アンケート結果を
発表した。2023年度の最低賃金引上げを受けて、自社の対応の有無を尋ねたところ、何
らか「対応する」企業は83.2%。具体的な対応については、「もともと最低賃金より高
いが、賃上げを行う」(46.5%)が最も高く、次いで「最低賃金より低くなるため、賃上
げを行う」(25.0%)と、「賃上げ」を行う企業が70.6%だった。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230805.html

●5類移行後の出社頻度、5割が毎日出社、理想は「週3日以上」が最多/民間調査

 エン・ジャパンは22日、「アフターコロナの働き方に関する調査レポート」を発表した。
5月に新型コロナが5類化に移行しオフィス回帰が進むなか、会社への出社頻度を尋ね
たところ、「毎日出社」53%、「出社していない(テレワーク)」19%、「ハイブリッ
ドワーク」(出社とテレワークを掛け合わせて週何日か出社)が19%だった。理想の出社
頻度は、「週3日以上」を希望する人が63%(毎日出社、週4日、週3日がそれぞれ
21%)だった。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2023/34185.html

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【企業】
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●選択的週休3日制を導入/レゴランド・ジャパン

 レゴランド・ジャパンは17日、2023年9月1日より選択的週休3日制を導入すると
発表した。同制度は、育児・介護を目的として希望する従業員を対象に、年間休日数
を156日(通常120日)とし、毎月所定分の休日を付与する制度。同じ月内において、
週40時間の労働時間を維持しながら週休3日を取得することで給与を減額しない
「総労働時間維持型」と、勤務実態に応じて給与等が減額される「報酬削減型」を
自由に選択することができる。
https://www.legoland.jp/operation/news/press-release/press-release-154/

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<ILO>
▽エッセンシャルワークの重要性―ILO世界の雇用及び社会の見通し2023別冊

 ILOは2023年3月、報告書「世界の雇用と社会の見通し2023エッセンシャルワークの
重要性(World Employment and Social Outlook 2023: The value of essential work)」
を発表した。ILOは本報告書で、新型コロナパンデミックによるロックダウン(行動
制限時)であっても出勤していたエッセンシャルワーカーのことを「キーワーカー」と
定義し、これらの人々の重要性と労働環境の改善に向けた提言を示した。
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/08/ilo_01.html

<OECD>
▽多くの国で実質賃金が下落「OECD雇用見通し2023」、AIが雇用に与える影響分析も

 経済協力機構(OECD)は7月11日、「OECD雇用見通し2023:人工知能(AI)と労働市場
(OECD Employment Outlook 2023:Artificial Intelligence and the Labour Market)」
と題する報告書を発表した。それによると、OECD加盟国全体の雇用は2023年から24年に
かけて改善する見込みではあるものの、現時点では物価の高騰が実質賃金の下落を招き、
影を落としている。同書はまた、AIが労働市場に与える影響についても分析している。
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/08/oecd_01.html

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【イベント】
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●「もっと子どもたちと向きあいたい~教職員の働き方改革の促進にむけて~(仮)」/連合総研

 連合総研は9月6日(水)にシンポジウム「もっと子どもたちと向きあいたい~教職員
の働き方改革の促進にむけて~(仮)」をオンライン(ZOOMウェビナー)で開催する。
連合総研「日本における教職員の働き方・労働時間の実態に関する調査研究委員会」が
実施した「2022年教職員の働き方と労働時間の実態に関する調査」結果と教職員の働き方
改革の促進にむけた課題や方策についての報告など。受講無料、申込ページより参加登録
する(定員になり次第締切)。
https://www.rengo-soken.or.jp/info/2023/08/071422.html

●セミナー「いま中小企業が労務管理上知っておくべき法改正の動向について」/かながわ労働センター県央支所ほか

 神奈川県かながわ労働センター県央支所は9月8日(金)に神奈川県相模原商工会議所
との共催で中小企業労務管理セミナー「いま中小企業が労務管理上知っておくべき法改正
の動向について」をオンラインで開催する。社会保険の適用拡大、時間外労働の割増
賃金率の引き上げ等について解説する。参加無料、HPの申込フォームで申し込む。
募集人数100名、先着順。申込期限:9月6日(水)。
https://www.sagamihara-cci.or.jp/archives/56929

●「ストレスチェック結果からの職場環境改善セミナー」/中災防

 中央労働災害防止協会は9月11日(月)、「ストレスチェック結果からの職場環境改善
セミナー」を東京都港区で開催する。ストレスチェック制度実施のポイント、集団分析の
有効な活用方法、職場環境改善計画の作成および評価、計画の見直し等を実践事例から
学ぶ。参加費24,200円、定員36名。
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3680_mh_site.html