メールマガジン労働情報 No.1878


■□――【メールマガジン労働情報/No.1878】

精神障害の労災認定基準について報告書案を公表/厚労省検討会 ほか

―2023年6月23日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】精神障害の労災認定基準、カスタマーハラスメント等を追加/厚労省検討会 ほか
【統計】4月の実質賃金、前年同月比2.3%減少/毎勤統計確報値 ほか
【動向】企業の人材確保、新型コロナ禍以降の変化の取り組みなど/日銀 ほか
【企業】社員の紹介による「リファラル採用」を新たに導入/小林製薬 ほか
【海外】非専門外国人労働者、最大10年まで滞在可能に―雇用許可制を改編/韓国
【イベント】セミナー「ハラスメント講座」/中災防

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【行政】
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●精神障害の労災認定基準、カスタマーハラスメント等を追加/厚労省検討会

 厚生労働省の「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」は19日、報告書案
をとりまとめた。業務による心理的負荷を原因とする精神障害については、負荷の大
きさに関する評価表に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」
(いわゆるカスタマーハラスメント)、「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務
に従事した」を類型として追加した。職場環境の変貌や心身の健康に対する関心の高
まりを踏まえ、2011年策定の認定基準を見直すもの。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33514.html

●ジェンダー・ギャップ指数の情報を更新、日本は全体の125位/内閣府

 内閣府は、21日の世界経済フォーラムの公表を受けて、男女共同参画に関する
国際的指数のうち、ジェンダー・ギャップ指数を更新した。日本は、146か国中の
125位、教育(高等教育の男女比等)47位、健康(健康寿命の男女比等)59位で
あるのに対して、経済(管理的職業従事者の男女比等)123位、政治(国会議員、
閣僚の男女比等)138位の値が低いとしている。
https://www.gender.go.jp/international/int_syogaikoku/int_shihyo/index.html
(Global Gender Gap Report 2023)
https://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2023.pdf

●経済の基調判断「緩やかに回復している」を維持/6月・月例経済報告

 政府は22日、6月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、緩やかに
回復している」を維持。先行きも「緩やかな回復が続くことが期待される」で変わらず。
個別判断では、雇用情勢は、「このところ改善の動きがみられる」に上方修正、国内
企業物価は、「横ばい」から「緩やかに下落」へ、企業収益は「改善しているが、その
テンポは緩やか」から「緩やかに改善」へ、修正した。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2023/0622getsurei/main.pdf

●令和5年版「高齢社会白書」を公表/内閣府

 内閣府は20日、令和5年版「高齢社会白書」を公表した。2022年時点の65歳以上
人口が占める割合は29.0%と増加し、高齢者の就業率も「65~69歳」50.8%、「70
~74歳」33.5%とそれぞれ上昇している。健康寿命は男性72.68年、女性75.38年と
延伸し、平均寿命と比較しても延びが大きいと指摘。
 特集に「高齢者の健康をめぐる動向」を取り上げ、若い時から健康に心がけ始め
た人や、「スポーツ・健康活動」「社会活動」に参加した人のほうが「健康状態が
良い」割合が高いことなど、調査の分析結果を紹介している。
(概要)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/gaiyou/05pdf_indexg.html
(全体版)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/zenbun/05pdf_index.html

●令和5年版「科学技術・イノベーション白書」を公表/文科省

 文部科学省は20日、令和5年版「科学技術・イノベーション白書」を公表した。
今回の特集では、地域の魅力と独自性に注目し、そこから生まれる様々なイノベー
ションを発掘・育成する試みと特色ある事例を多数紹介。
 知の拠点である地方大学等、地域の実情を把握している地方公共団体、及び産業界
の協働により、地域課題の解決やイノベーションを創出し、目指すべき地域ビジョン
を策定することが重要としている。
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa202301/1421221_00014.html

●令和5年版「障害者白書」を公表/内閣府

 内閣府は20日、令和5年版「障害者白書」を公表した。第3章の第2節「雇用・就労
の促進施策」では、民間企業や国・地方公共団体における障害者の在籍状況、障害のある
人の雇用対策(雇用率制度、納付金制度、助成金、職業訓練等)の状況、障害者雇用に
関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)等について紹介している。
(概要)
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r05hakusho/gaiyou/pdf/r05gaiyou.pdf
(全体版)
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r05hakusho/zenbun/index-pdf.html

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【統計】
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●4月の実質賃金、前年同月比2.3%減少/毎勤統計確報値

 厚生労働省は23日、4月の「毎月勤労統計調査」結果(確報、事業所規模5人以上)
を公表した。現金給与総額は、就業形態計で28万4,595円(前年同月比0.8%増)、
うち一般労働者が36万9,615円(同1.3%増)、パートタイム労働者が10万3,278円
(2.0%増)。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金は、同2.3%減
で13カ月連続の減少。総実労働時間は140.8時間(同0.5%減)。うち所定内労働時間は
130.3時間(同0.4%減)、所定外労働時間は10.5時間(同1.9%減)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2304r/dl/pdf2304r.pdf
(統計表等)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2304r/2304r.html

●5月の生鮮食品を除く総合指数、前年同月比3.2%上昇/全国消費者物価指数

 総務省は23日、2023年5月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く
総合指数は104.8で前年同月比3.2%の上昇、前月(季節調整値)とは同水準。
前年同月比での上昇に寄与したのは、鶏卵などの乳卵類17.5%(寄与度0.22)、
さけなどの生鮮魚介13.1%(寄与度0.16)、洗濯用洗剤などの家事用消耗品12.8%
(同0.14)など。下落は、電気代のマイナス17.1%(同マイナス0.67)。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

●2023年6月の総人口、前年同月比58万人減/総務省人口推計

 総務省が20日に公表した人口推計によると、2023年6月1日現在の総人口(概算値)
は1億2,452万人(前年同月比58万人・0.47%減)。23年1月1日現在の総人口
(確定値)は1億2,475万2千人(同55万7千人・0.44%減)。年齢階層別(確定値)
では、「65歳以上」が3,617万3千人(同0.11%減)「15~64歳」が7,414万6千人
(同0.31%減)、「15歳未満」が1,443万3千人(同1.94%減)。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202306.pdf
(統計表等)
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

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【動向】
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●企業の人材確保、新型コロナ禍以降の変化の取り組みなど/日銀レポート

 日本銀行は9日、「地域経済報告―さくらレポート」の別冊シリーズ「地域の企業
における人材確保に向けた取り組み-新型コロナ禍以降の変化を中心に」を公表した。
 日銀の本支店・事業所による聞き取り調査(2023年2月~5月/約2000件)をもと
に「賃上げの動き」「勤務環境の改善」「人材獲得の多様化」「ジョブ型雇用導入等
人事制度改革」「リスキリングによる能力開発」等に関する企業の現状と取組事例な
どを紹介している。
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rerb230609.htm

●生成AIを「活用・検討している」企業、6割超え/民間調査

 帝国データバンクは20日、「生成AIの活用に関する企業アンケート」結果を発
表した。生成AI(人工知能)を「業務で活用している」企業は9.1%、「活用を
検討している」は52.0%、「活用を検討していない」は 23.3%だった。
「検討している」企業の7割程度が「イメージが湧かない」と回答しており、前向
きに検討したいと考える一方で、現時点では業務での具体的な使い方やイメージが
湧きにくいという実態を指摘している。
 なお、「活用したことがある」「活用したい」生成AIは、ChatGPTなどの「文
章・コード生成AI(総合型)」が93.1%で最多だった。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230608.html
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230608.pdf

●レポート「実質賃金を押し下げる交易損失問題」/民間研究所

 第一生命経済研究所は16日、レポート「実質賃金を押し下げる交易損失問題~
賃上げでは解決できない難題~」をHPに掲載した。
 実質賃金と実質生産性の関係を分析し、両者の間にギャップを作る幾つかの要因
として「労働分配率の低下」と「デフレータの変化」を指摘。ただし労働分配率の
低下はそれほどのインパクトがなかったとして、デフレータの変化要因(交易条件
の改善・悪化)が実質賃金の低下に影響を与えているとしている。
https://www.dlri.co.jp/report/macro/255740.html

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【企業】
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●社員の紹介による「リファラル採用」を新たに導入/小林製薬

 小林製薬は20日、経営計画の実現に向け人材強化を図るため、社員の紹介による中途
採用である「リファラル採用」を新たに導入したと発表した。募集職種は、デジタル系
(10職種)、研究・開発系(3職種)、マーケティング系(3職種)、管理系(2職種)など多岐
にわたる。同社では今後、SNS等の活用により、採用活動を更に促進させ人材強化を
図りたいとしている。
https://www.kobayashi.co.jp/newsrelease/2023/20230620/

●23年度入社のキャリア採用を募集開始/JALグループ

 JALグループは19日、業務企画職および客室乗務職のキャリア採用(2023年度入社)
の募集を開始すると発表した。業務企画職では、職種を絞ることなく応募を受け付け、
入社後に本人の希望と適性に応じてキャリアパスを形成していく。客室乗務職は乗務を
主とした上で、十分な経験を積んだ後は個々の能力や強みを活かしたキャリアパスを
用意するとしている。それぞれ50名程度、180名程度の採用を予定。
https://press.jal.co.jp/ja/release/202306/007458.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<韓国>
▽非専門外国人労働者、最大10年まで滞在可能に―雇用許可制を改編

 韓国では、国内労働市場で必要な労働力を調達できない企業が合法的に外国人非専門
人材を雇用するための制度として、「雇用許可制」を運用している。2004年に雇用許可
制が導入されて以来、大きな変更なく20年が経ったが、国内の生産年齢人口の減少や
人手不足を受け、外国人労働者のさらなる活用に向けて滞在期間の延長や雇用許容業種
の拡大等制度の大幅な改編に着手した。
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/06/korea_01.html

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【イベント】
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●セミナー「ハラスメント講座」/中災防
 中央労働災害防止協会は9月12日(火)、セミナー「ハラスメント講座」を東京都
港区で開催する。午前は第1回「もっと知りたい! ハラスメント対策 ~メンタル
ヘルス不調者をどう守るか」、午後は第2回「科学データに基づくパワハラ上司をつ
くらない職場づくり」。参加費は各回19,800円、定員各30名。
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3981_anti_harassment.html