メールマガジン労働情報 No.1873

■□――【メールマガジン労働情報/No.1873】

女性版骨太の方針2023、女性役員比率2030年までに30%以上等を提案/政府会議 ほか

―2023年6月7日発行――――――――――――――□■

┏━━━━━━━━┓
  本号の主な内容
┗━━━━━━━━┛

【行政】女性版骨太の方針2023、女性役員比率2030年までに30%以上等を提案/政府会議 ほか
【統計】実質賃金3.0%減少、13カ月連続のマイナス/毎勤統計調査4月速報値 ほか
【労使】2022年の男性の育児休業取得率は47.5%、平均取得期間は43.7日/経団連調査 ほか
【企業】コア無しフレックスタイム制を全社員に導入/コクヨサプライロジスティクス
【海外】OECD、生成AIの台頭で国際指針の見直しへ/OECD ほか
【イベント】2023年度第73期「神奈川県労働大学講座」/神奈川県労働福祉協会 ほか

━━━━━━━━━━━━━━
【JILPTからのお知らせ】
━━━━━━━━━━━━━━

☆常設展示「職業紹介と職業訓練―千束屋看板と豊原又男―」/労働図書館

 JILPT労働図書館では、1日より「千束屋看板と豊原又男」を常設展示しています。
当館で所蔵する「千束屋看板」と、職業紹介事業の父であり千束屋看板の所有者であった
「豊原又男」について関連資料をご紹介しています。
https://www.jil.go.jp/lib/exhibition/index.html

☆2023年度・第72回東京労働大学講座 総合講座

「労働法」部門 受講者募集中!
  2023年7月11日(火曜)~8月31日(木曜)

開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

━━━━━━━━━━━━━━
【行政】
━━━━━━━━━━━━━━

●女性版骨太の方針2023、女性役員比率2030年までに30%以上等を提案/政府会議

 政府は5日、男女共同参画会議を開き、「女性活躍・男女共同参画の重点方針
2023(女性版骨太の方針2023)」(原案)を示した。女性活躍と経済の好循環に
向けた取り組みとして、東証プライム市場上場企業では、2025年目途に1名以上の
女性役員の選任、30年までに女性役員比率30%以上などの目標を設ける。女性の
所得向上・経済的自立の取組の強化では、女性の正社員比率が30歳代以降低下する
「L字カーブ」の解消に向けて、長時間労働の是正や、男性の育休取得の推進等の
性別役割分担の解消に向けた取り組みを進めるとしている。
https://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/gijisidai/ka70-s.html
(女性版骨太の方針2023(原案)概要)
https://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/siryo/pdf/ka70-s-1.pdf

●ものづくり企業における能力開発の現状やデジタル化への対応状況などを紹介/ものづくり白書

 政府は2日、「令和4年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)を
閣議決定した。製造業の就業者数は、2021年は1,045万人、22年は1,044万人と横ばい。
若年就業者数は2012年以降、ほぼ横ばい。製造業における自己啓発を行った労働者の割合
は、正社員、正社員以外とも、2019年度から21年度にかけて上昇。ものづくり企業に
おけるデジタル技術について、「活用している」企業は増加傾向。デジタル技術活用企業
の、デジタル技術活用に向けた人材確保の取組は、「自社の既存の人材に対してデジタル
技術に関連した研修・教育訓練を行う」が最も多い。なお「第1部 第2章」では、JILPT
の調査研究成果が活用されている。
(厚生労働省Webサイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00125.html
(経済産業省Webサイト)
https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230602003/20230602003.html
(ものづくり白書全体版)
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2023/pdf/all.pdf
▽白書に引用されたJILPTの調査研究成果
 記者発表「ものづくり産業のデジタル技術活用と人材確保・育成に関する調査」結果(5月26日)
https://www.jil.go.jp/press/documents/20220526.pdf

●物流に関する2024年問題についての政策パッケージ案/物流の革新に関する閣僚会議

 政府は2日、第2回「我が国の物流の革新に関する閣僚会議」で、物流革新に向けた
政策パッケージ案を提示した。首相は議論を踏まえ、トラックドライバーの時間外労働の
上限規制等が2024年4月から適用されることに伴い懸念される「2024年問題」に対応する
ため、「荷主・物流事業者・消費者の間で長年定着している構造を改革する必要」がある
とし、「トラック輸送に関する契約の見直し、荷主企業や物流事業者による自主行動計画
の策定と着実な実施を促す」などの取組みとともに、「荷待ち・荷役時間の削減」、「多
重下請構造の是正」、「適正な運賃収受や価格転嫁」等に向けた規制的措置について、
法制化を含めた枠組みの整備を指示した。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202306/02butsuryu.html
(配布資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/dai2/siryou.pdf

●令和5年度「輝くテレワーク賞」の募集を開始/厚労省

 厚生労働省では、令和5年度「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレ
ワーク賞)」の応募企業・団体を募集している。同賞は、テレワークの活用により、
労働者のワーク・ライフ・バランスの実現を図るとともに、他社の模範となる取組を
行っている企業や団体を表彰するもの。
応募期間は、6月6日(火)~7月31日(月)。詳細・応募は特設サイトから。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33402.html
(「輝くテレワーク賞」特設サイト)
https://kagayakutelework.jp/award/

●6月は「外国人労働者問題啓発月間」/厚労省

 厚生労働省は毎年6月1日から30日までの1か月間を「外国人労働者問題啓発
月間」と定めている。今年の標語は「誰もが活躍できる職場づくりを進めよう
~外国人雇用はルールを守って適正に~」。外国人労働者の就労状況は、雇用が
不安定な場合や、労働・社会保険関係法令が遵守されていない事例などが見られる
ことから、啓発月間では、ルールに則った外国人雇用や外国人労働者の雇用維持・
再就職援助などについて、積極的な周知・啓発活動を行うとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33017.html
(パンフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001100538.pdf

━━━━━━━━━━━━━━
【統計】
━━━━━━━━━━━━━━

●実質賃金3.0%減少、13カ月連続のマイナス/毎勤統計調査4月速報値

 厚生労働省は6日、4月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)
を公表した。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比1.0%増の28万5,176円、
うち一般労働者が同1.1%増の36万9,468円、パートタイム労働者が同1.9%増の
10万3,140円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金では、
前年同月比3.0%減。実質賃金の減少は13カ月連続となった。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2303p/dl/pdf2303p.pdf
(統計表等)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r05/2303p/2303p.html

●二人以上世帯の消費支出、前年同月比4.4%減/4月家計調査報告

 総務省は6日、4月の「家計調査報告」を公表した。二人以上世帯の1世帯当たりの
消費支出は、実質で前年同月比4.4%減、前月比(季節調整値)1.3%減の30万3,076円。
支出項目別でのマイナス寄与は、授業料、補習教育などの「教育」(マイナス1.55%)、
設備修繕・維持、家賃地代などの「住居」(マイナス0.89%)など。プラス寄与は
「教養娯楽」(0.43%)など。勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は、1世帯当たり
実質で55万3,975円(前年同月比1.4%減)。
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf

●出生率1.26に低下、出生数は過去最少/2022年人口動態統計

 厚生労働省は2日、2022年「人口動態統計月報年計(概数)」結果を公表した。
合計特殊出生率は1.26(対前年比0.05ポイント低下)で2016年以降、7年連続で低下。
出生数は77万747人(同4万875人減少)で過去最少。死亡数は156万8,961人
(同12万9,105人増加)で2年連続増加で過去最多。自然増減数(出生数と死亡数の差)
はマイナス79万8,214人、過去最大の減少で16年連続減少。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/index.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4houdou.pdf
(概況)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdf

●消費者マインドの基調判断、「持ち直している」の据え置き/5月消費動向調査

 内閣府は5月31日、2023年5月の「消費動向調査」結果を公表した。「消費者態度指数
(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月比0.6ポイント上昇し36.0。指数を構成する
各指標について前月差を見ると、「耐久消費財の買い時判断」が1.1ポイント上昇し30.3、
「暮らし向き」は0.7ポイント上昇し32.9、「雇用環境」は0.8ポイント上昇し42.0。
対して「収入の増え方」はマイナス0.2ポイントの37.9。消費者マインドの基調判断は、
「持ち直している」の据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/youten.pdf
(統計表等)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html

●海外現地法人数、アジア、欧州で減少/経産省調査

 経済産業省は5月30日、第52回「海外事業活動基本調査」(2022年7月調査)結果を
公表した。2021年度末における海外現地法人数は2万5,325社、地域別では、アジア、
欧州などが減少し、アジアではASEAN10の割合が11年連続で拡大、中国の割合は縮小し
ている。現地法人の従業者数は569万人で、前年度比1.2%の増加。地域別では、北米、
欧州が増加し、アジアが減少。アジアでは、中国、その他アジアが減少、ASEAN10が増加。
https://www.meti.go.jp/press/2023/05/20230530003/20230530003.html
(調査結果の概要)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00550120&tstat=000001011012&cycle=0&year=20220&month=0&tclass1=000001023635&tclass2=000001204721

━━━━━━━━━━━━━━
【労使】
━━━━━━━━━━━━━━

●2022年の男性の育児休業取得率は47.5%、平均取得期間は43.7日/経団連調査

 日本経団連は6日、「男性の家事・育児」に関するアンケ―ト調査結果を公表した。
2022年の男性の育児休業取得率は47.5%で、前年(29.3%)から大きく上昇。男性の
育休平均取得期間は43.7日で、1カ月以上取得している企業は約6割(59.9%)。
男性の家事・育児を促進する上での課題は、「家事・育児と仕事を両立する社員の代替
要員の不足」が最も多く(83.5%)、「アンコンシャス・バイアスなど家事・育児と
仕事を両立しづらい職場風土」(67.3%)、「長時間労働や硬直的な働き方」(59.4%)
が続く。調査は、企業会員を対象に、育児休業の取得状況や「男性の家事・育児」の促進
に関する施策内容、今後の課題等について調査したもの。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/040.pdf

●面接で「不適切だと思う質問や発言をされた」のは19.5%/連合調査

 連合は5月31日、「就職差別に関する調査2023」結果を公表した。
応募書類やエントリーシートで記入を求められたことがあるものとして、「性別」
80.5%、「本籍地や出生地に関すること」43.6%、「家族に関すること」37.2%、
「生活環境・家庭環境などに関すること」24.8%が続く。採用試験の面接で質問
されたことがあるものは、「転勤ができるかどうか」43.3%、「残業や休日出勤が
できるかどうか」42.8%、「性別」28.6%、「本籍地や出生地に関すること」28.3%。
面接で「不適切だと思う質問や発言をされた」ことがあるのは19.5%で、性別を理由
にした決めつけや、恋愛・結婚に関する質問や発言が多いようだとしている。調査は、
過去3年以内に採用試験を受けた、15~29歳の男女を対象にしたもの。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20230531.pdf?7008

━━━━━━━━━━━━━━
【企業】
━━━━━━━━━━━━━━

●コア無しフレックスタイム制を全社員に導入/コクヨサプライロジスティクス

 コクヨグループのコクヨサプライロジスティクス株式会社は1日、物流センター勤務
者を含む全社員にコアタイム無しのフレックスタイム制度を導入すると発表した。物流の
月ごと日ごと等の波動による業務時間の変動に対して、フレックスタイム制により社員が
業務時間を自律的に選択できるようにすることで、トラック運転手への労働時間規制が
適用される「2024年問題」等に対応するとともに、多様な人材が自分らしく働ける事
やワークライフバランスの向上を後押しし、物流現場での人材獲得と定着化を目指すと
している。
https://www.kokuyo-supplylogistics.com/news/2023/06/post-2.html

━━━━━━━━━━━━━━
【海外】
━━━━━━━━━━━━━━

●国別労働トピック/JILPT

<OECD>
▽OECD、生成AIの台頭で国際指針の見直しへ

 経済協力開発機構(OECD)は5月、ChatGPTに代表される生成AI(人工知能)の急速な
台頭を踏まえ、2019年に採択された国際的な政策指針である「AIに関するOECD原則」
を近く見直すとの方針を示した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/06/oecd_01.html

<イギリス>
▽公共部門等のストに最低限のサービス維持を義務付ける法案

 急激な物価上昇に伴う実質賃金の減少を背景に、広範な業種で賃上げなどを求める
労働争議が生じており、公共部門などでのストライキが国民生活に影響を及ぼす状況が
続いている。政府は対抗措置として、ストライキ中に最低限のサービス維持を労使に
義務付け、これに反する場合は労働者の解雇等を可能とする法案を議会に提出している。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/06/uk_01.html

━━━━━━━━━━━━━━
【イベント】
━━━━━━━━━━━━━━

●2023年度第73期「神奈川県労働大学講座」/神奈川県労働福祉協会

 公益財団法人神奈川県労働福祉協会は、2023年度第73期「神奈川県労働大学講座」を
Zoomライブ&WEBオンデマンドで開催する。「労働法・人事労務管理・社会保障」の3分
野を網羅し、労働全般に関する専門的知識を現在の社会情勢等を踏まえ体系的に学ぶ。
日程は、7月6日(木)~11月14日(火) にライブ講義をZoomで行ない、収録した講義を
オンデマンド講座として順次配信。全30回、受講料49,500円。科目ごとの受講も可。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/roudai.html

●シンポジウム「半径2メートルから始める―創造性を引き出すリーダーシップ」/リクルートワークス研究所

 リクルートワークス研究所は6月22日(木)に、シンポジウム「半径2メートルから
始める―創造性を引き出すリーダーシップ」をZoomウェビナーを使用して開催する。
職場で発揮されるべき創造性の姿やその発揮に関わる要因を明らかにする研究結果を
紹介し、議論する。参加無料、事前に同シンポジウムのHPから申し込む。
https://www.works-i.com/column/seminar/littlec.html