メールマガジン労働情報 No.1863

■□――【メールマガジン労働情報/No.1863】

経済の基調判断「一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」4月・月例経済報告 ほか

―2023年4月26日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】経済の基調判断「一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」4月・月例経済報告 ほか
【統計】3月の生鮮食品を除く総合指数、前年同月比3.1%上昇/全国消費者物価指数 ほか
【労使】「取引の適正化」実現に向け、中小企業庁へ要請/連合 ほか
【動向】企業選択のポイントは5年連続で「安定している会社」/民間調査 ほか
【海外】ストライキが増加傾向―2022年労働統計局集計、労組組織率は低下続く/アメリカ
【イベント】「人事労務管理の基礎実務講座」、「社会人の心構えとキャリア形成」/神奈川県労働福祉協会

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【JILPT研究成果情報】
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◇労働政策研究報告書 No.226『労働審判及び裁判上の和解における雇用終了事案の比較分析』

 解雇無効時の金銭救済制度については、厚生労働省の検討会が2023年4月に
報告書を取りまとめ、労政審分科会における審議が始まりました。
本調査研究では、裁判所で行われる労働審判及び裁判上の和解における
雇用終了事案を対象に、労働者属性、企業属性、時間的コスト、弁護士等の
利用、事案内容、請求金額、解決金額等について調査し、比較統計分析を
行っています。
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2023/0226.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆2023年度・第72回東京労働大学講座 総合講座(5月開講、オンライン開催)受講者募集中!

「人事管理・労働経済」部門 2023年5月9日(火曜)~7月5日(水曜)
「労働法」部門       2023年7月11日(火曜)~8月31日(木曜)

開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

◇『日本労働研究雑誌』2023年5月号を刊行しました!
 特集「DXが職場や仕事にもたらすもの」

 デジタル・トランスフォーメーション(DX)と呼ばれる,職場や業務の情報化に
おける新たな流れが進んでいます。最近、日本でも馴染みのある言葉となりましたが、
実態の解明や社会への実装は十分ではありません。本特集ではDXに関する論考を
示しています。
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2023/05/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2023年5月号を公開しました!
 「日本の人事制度の強みを今後も活かすために」

 デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展や働き方改革、人材獲得競争の
激化などを背景に、日本企業の人事制度や雇用システムの見直しに対する関心が
高まっています。本号では、日本企業の労使関係に精通する研究者と企業の人事制度
担当者が参加した労働政策フォーラムの内容を中心に、会社も労働者も納得する制度
構築に向けた道筋を探ります。
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2023/05/index.html

◇英文ジャーナル『Japan Labor Issues』(電子版)2023年5月号を公開しました!

 本号では、論文特集として、労働者の権利を守る公的機関の機能に関する
論文をお届けします。判例解説では、大学で語学の授業のみを担当する非常勤講師は
「研究者」に該当するのか否かとして、特例による10年ではなく5年超勤務による
無期転換が認められるかが争われた事件を取り上げています。
https://www.jil.go.jp/english/jli/index.html

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【行政】
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●経済の基調判断「一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」4月・月例経済報告

 政府は25日、4月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、
一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」で、先月から判断維持し、
先行きについても、「景気が持ち直していくことが期待される」と据え置いた。
個別判断では、国内企業物価は「上昇テンポが鈍化」から「横ばいとなっている」へ、
輸入は「弱含んでいる」から「おおむね横ばいとなっている」へ、倒産件数は
「低い水準ではあるものの、増加がみられる」から「増加がみられる」へ、表現を
変更した。雇用情勢は「持ち直している」で据え置き。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2023/0425getsurei/main.pdf
(関係閣僚会議資料)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2023/04kaigi.pdf

●G7倉敷労働雇用大臣会合、大臣宣言を公開/厚労省

 厚生労働省は23日、22~23日に開催されたG7倉敷労働雇用大臣会合の大臣宣言を
公開した。本会合では、G7各国が直面する人口動態変化、DX等を背景に「人への投資」
について議論。その中心となるリスキリングは「経費」ではなく「投資」であることを
共通認識として確認し、積極的取り組みを進める必要性があることを合意。また、産業構造
変化に柔軟に対応し公正な形で新しい社会への移行が進むよう、そしてパンデミックの
影響を受けたり、訓練機会が限られる層を取り残すことなく人への投資が行われるよう
取り組むことについて、G7労働雇用大臣の決意を示した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/g7labour2023.html
(概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/10501000/G7labour_summary.pdf

●職業紹介、求人の際の労働条件明示事項の追加等を提案/厚労省

 厚生労働省は21日、労働政策審議会職業安定分科会・労働力需給制度部会を開催した。
職業紹介、労働者の募集等における労働条件明示について、業務の変更の範囲や
就業場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約
期間又は更新回数の上限を含む)を追加することなどを提案した。労働基準法施行規則の
改正により、2024年4月1日から労働契約締結の際の労働条件明示事項が追加されること
に対応するもの。また、有料職業紹介事業者の手数料表、返戻金制度に関する事項を
記載した書面及び業務の運営に関する規程を事業所内の掲示に限らず、インターネット等
による情報提供も可とすることを提案した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32497.html
(資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001084106.pdf

●裁量労働制に関する改正省令等のリーフレットを公開/厚労省

 厚生労働省は、2024年4月施行の労基法施行規則で、専門型裁量労働制の労使協定事項に、
労働者同意や同意撤回を追加すること、企画型についても同意撤回や賃金・評価制度の変更等を
労使委員会の説明事項に追加すること等について、リーフレット「裁量労働制の導入・継続には
新たな手続きが必要です」を公開している。
(リーフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/001080850.pdf
(労基法施行規則等の改正省令)
https://www.mhlw.go.jp/content/001080852.pdf
(改正大臣告示)
https://www.mhlw.go.jp/content/001080854.pdf

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【統計】
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●3月の生鮮食品を除く総合指数、前年同月比3.1%上昇/全国消費者物価指数

 総務省は21日、2023年3月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く
総合指数は104.1で前年同月比3.1%の上昇、前月比(季節調整値)0.3%の上昇。
前年同月比での上昇に寄与したのは、さけなどの生鮮魚介15.9%(寄与度0.19)、
鶏卵などの乳卵類13.8%(寄与度0.17)、洗濯用洗剤などの家事用消耗品12.2%(同0.13)
など。下落は、電気代のマイナス8.5%(同マイナス0.33)。同日には、2022年度の
平均数値も公表し、生鮮食品を除く総合指数は103.0で、前年度比3.0%の上昇。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

●建設労働需給、3月は0.8%の不足/国交省

 国土交通省は25日、「建設労働需給調査」(2023年3月調査)結果を公表した。
左官、配管工など8職種の全国過不足率は0.8%の不足、前月と比べ0.2ポイント
不足幅が縮小した。職種別では、とび工で均衡、鉄筋工(土木)で過剰、その他の
職種で不足。東北地域では1.3%の不足、前月と比べ0.3ポイント不足幅が拡大。
8職種の今後の労働者の確保に関する見通し(5月及び6月)は、全国及び東北地域
とも「普通」としている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00145.html
(報道発表資料)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001602933.pdf

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【労使】
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●「取引の適正化」実現に向け、中小企業庁へ要請/連合

 連合は20日、中小企業庁に対して「取引の適正化」実現に向けた要請を行った。
要請内容は、「パートナーシップ構築宣言」の推進拡大と実効性の確保、価格交渉促進月間
(2023年3月)の効果検証と労務費の価格転嫁のルールづくり、中小企業などへの各種支援
策の検証と見直し等。連合は「フリーランスも含めたすべての働く者・生活者の雇用とくら
しを守るためにも、サプライチェーン全体の維持・確保に向けた事業者への支援の拡充など、
より一層の取り組みを求める」としている。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/news_detail.php?id=1962

●「最低賃金に関する要望」を厚労省に提出/日商

 日本商工会議所は24日、「最低賃金に関する要望」を厚生労働省に提出した。
法に定める三要素に基づく明確な根拠による審議決定、最低賃金の政府方針を示す
場合には労使双方の代表による議論の機会を設定すること、中小企業が自発的・持続的に
賃上げできる環境を整備すること、などを求めた。
https://www.jcci.or.jp/news/2023/0425102236.html

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【動向】
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●企業選択のポイントは5年連続で「安定している会社」/民間調査

 マイナビは25日、「2024年卒大学生就職意識調査」を発表した。24年卒の
大学生・大学院生に企業志向について聞いたところ、大手企業志向の割合は48.9%で
前年比で0.4ポイント増加したものの2年連続で半数を割り、中堅・中小企業志向は
同0.7ポイント減の47.1%。大手志向と中小・中堅志向の割合は前年に引き続き
同程度となった。企業選択のポイントは5年連続で「安定している会社」が最多で、
前年比4.9ポイント増の48.8%。行きたくない会社は「ノルマのきつそうな会社」が
前年に続き最多で38.2%、次いで「転勤の多い会社」で29.6%(同3.0ポイント増)。
https://www.mynavi.jp/news/2023/04/post_38478.html

●今年の“大型連休”6割の企業が5連休/民間調査

 東京商工リサーチは24日、今年5月の連休の日数に関する調査結果を発表した。
最多はカレンダー通りの5連休で、6割(60.6%)。続いて、4連休以下が19.2%、
9連休が11.9%。業種別では、4連休以下が多いのは「農・林・漁・鉱業」43.7%、
「小売業」40.1%、「運輸業」37.6%。9連休は「製造業」の19.0%が最多。
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1197612_1527.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<アメリカ>
▽ストライキが増加傾向―2022年労働統計局集計、労組組織率は低下続く

 米連邦労働省労働統計局(BLS)がこのほど発表した2022年における労働組合の
労働者組織率は10.1%で、前年を0.2ポイント下回った。労働組合員数は約1,430万人で、
前年より27.3万人(1.9%)増加している。また、1,000人以上が参加する大規模な
ストライキの発生件数は23件で、約12万人が参加。前年から7件、約4万人増加している。
カリフォルニア州では大学教職員による4万人規模のストライキが発生。このほか
各地のスターバックスの店舗では2021年の労組初結成後にストライキが多発している。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/04/usa_01.html

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【イベント】
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●「人事労務管理の基礎実務講座」、「社会人の心構えとキャリア形成」/神奈川県労働福祉協会

 (公財)神奈川県労働福祉協会は5月に、次の2つの講座をZoomライブ講義と
Webオンデマンド配信で開講する。

 ○「人事労務管理の基礎実務講座」
  管理職、人事労務管理担当者、人事労務管理の基礎知識・全体像を学びたい方などを
 対象とした基礎講座。
 Zoomライブ講義 5月23日(火)10:00~17:00(講義:6時間)、受講料15,000円
 https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/roumu-basic.html

 ○「社会人の心構えとキャリア形成」
  入社後に感じる理想とのギャップを越え、成長し、キャリアを形成していくために
 必要な考え方や、会社から求められる能力等について、専門家が解説する。
 Zoomライブ講義 5月25日(木)14:00 ~ 16:00、受講料4,000円
 https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/career_development.html