メールマガジン労働情報 No.1864

■□――【メールマガジン労働情報/No.1864】

「女性版骨太の方針2023」の策定に向けて議論/男女共同参画会議 ほか

―2023年4月28日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】「女性版骨太の方針2023」の策定に向けて議論/男女共同参画会議 ほか
【統計】3月の完全失業率2.8%、前月比0.2ポイント上昇/労働力調査 ほか
【労使】「分厚い中間層」の形成に向け政策提言/経団連報告書 ほか
【動向】24年卒の大卒求人倍率1.71倍、コロナ前水準へ/民間調査
【イベント】「社会的連帯経済(SSE)の現在とその未来を考える」/法政大学連帯社会インスティテュート

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【JILPT研究成果情報】
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◇労働政策研究報告書 No.226『労働審判及び裁判上の和解における雇用終了事案の比較分析』
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2023/0226.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆「メールマガジン労働情報」は5月3日(水)と5日(金)の配信をお休みします。
 次回5月10日(水)は、JILPTの最近の研究成果等を紹介する特別号を配信します。

☆2023年度・第72回東京労働大学講座 総合講座(5月開講、オンライン開催)受講者募集中!

「人事管理・労働経済」部門 2023年5月9日(火曜)~7月5日(水曜)
「労働法」部門       2023年7月11日(火曜)~8月31日(木曜)

開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

◇『日本労働研究雑誌』2023年5月号を刊行しました!
 特集「DXが職場や仕事にもたらすもの」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2023/05/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』(電子版)2023年5月号を公開しました!
 「日本の人事制度の強みを今後も活かすために」
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2023/05/index.html

◇英文ジャーナル『Japan Labor Issues』(電子版)2023年5月号を公開しました!

 本号では、労働者の権利を守る公的機関の機能に関する論文をお届けします。
1本目は労働政策の形成過程における合議体としての労働政策審議会、2本目は
労働基準監督署、3本目は個別労働関係紛争を解決する労働審判制度を取り上げ、
それぞれ特色をまとめ、今後の課題を論じています。
https://www.jil.go.jp/english/jli/index.html

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【行政】
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●「女性版骨太の方針2023」の策定に向けて議論/男女共同参画会議

 政府は 27日、男女共同参画会議を開催し、「女性版骨太の方針2023」の策定に向けた検討等
について議論した。首相は議論を踏まえ、「女性版骨太の方針2023」の策定に向けた課題として、
日本を代表する大手企業(プライム市場上場企業)の女性役員比率を2030年までに30%以上と
するための数値目標の設定や行動計画の策定などにより女性登用の加速化を図ること、女性の
正規雇用率が20代後半をピークに右肩下がりで低下していく「L字カーブ」の解消に向け、
多様で柔軟な働き方の促進等により、非正規雇用の正規化を引き続き進めるとともに、女性の
デジタル人材の育成等のリスキリングのための環境を整備すること、などをあげた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202304/27danjo.html
(会議資料)
https://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/gijisidai/ka69-s.html

●こども・子育て政策の強化について議論/こども未来戦略会議

 政府は27日、こども未来戦略会議を開催し、こども・子育て政策の強化について議論した。
首相は議論を踏まえ、「政策推進の基本理念は、若い世代の所得増加、社会全体の構造・意識の改革、
全ての子育て世帯への切れ目ない支援」だとして、「若者・子育て世代の所得を増やすための一丁目
一番地は、構造的な賃上げの実現。男女ともに働きやすい環境の整備や同一労働同一賃金の徹底など
に加え、リスキリングによる能力向上の支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野
への労働移動の円滑化という三位一体の労働市場改革を加速する必要がある」などと述べた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202304/27kodomo.html
(議事次第・資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai2/gijisidai.html

●未来を創造する若者の留学促進に向け、第2次提言を議論/教育未来創造会議

 政府は27日、教育未来創造会議を開催し、「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ
<J-MIRAI>」第2次提言について議論した。首相は議論を踏まえ、「2033年までに日本人学生の
海外留学者数50万人、外国人留学生の受入数40万人の実現を目指す」とし、「実現に向けて、日本
人学生の海外派遣の拡大、有望な外国人留学生の受入れの環境整備、在留資格の見直しや企業への
就職円滑化の促進、国内大学等の国際化や外国人材への魅力的な教育環境整備等に取り組む」などと述べた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202304/27kyouikumirai.html
(配布資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kyouikumirai/dai6/gijisidai.html

●新しい資本主義実行計画改定に向け科学技術分野の検討事項等の論点案を提起/新しい資本主義実現会議

 政府は25日、新しい資本主義実現会議を開催し、科学技術・イノベーションの検討事項等に
関する論点案を議論した。論点案は、チャットGPTなどの生成AIについて、作業時間の短縮や
タスクの質の向上、人による差の縮小を可能にし、様々な分野で応用が期待されるとし、生成AIを
活用した人手不足への対応などの労働生産性の向上を進めるべく、利活用に向けた環境整備を進める
べきである、などとしている。首相は議論を踏まえ、6月の実行計画策定に向け、検討を進めるよう求めた。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai17/gijisidai.html
(論点案)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai17/shiryou2.pdf

●成長と分配の好循環を生み出す経済財政政策について議論/経済財政諮問会議

 政府は26日、第5回経済財政諮問会議を開催し、成長と分配の好循環を生み出す
経済財政政策等について議論した。首相は議論を踏まえ、高い賃上げ、企業の国内
投資意欲の高まりを背景に、海外からの対日直接投資の促進や、家計金融資産による
資産運用立国日本の実現について述べた。また、民間議員から、成長と分配の好循環の
実現に向けたメリハリのついた歳出と財政健全化に取り組む中期経済財政フレームの
強化が必要との意見が出た。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202304/26keizai.html
(会議資料)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0426/agenda.html

●変化する時代の多様な働き方に向け、労働政策の方向性示す/厚労省部会報告書

 厚生労働省は26日、労働政策審議会労働政策基本部会報告書(副題:変化する時代の
多様な働き方に向けて)を公表した。人材育成、人事制度、労働移動などの働き方に関する
課題を取り上げ、今後の労働政策の方向性については、企業にはリスキリングの必要性を
明確にしたうえで労使ともに能力開発に主体的に取り組む環境整備等、労働者には自律的な
キャリア形成、労働政策には働き方に中立的な社会保障制度の構築や雇用によらない働き方
などの様々な働き方の人々のセーフティネットへの組み入れ、転職しやすい環境整備、
また社会に対しては一人ひとりが自律的にキャリアについて考える方策の検討やリスキリングの
個人への直接支援等の対応を求めている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32734.html
(概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001090703.pdf
(報告書)
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001091574.pdf

●雇用保険の給付と負担の在り方などに関する「中間整理案」を提示 /厚労省研究会

 厚生労働省は26日、第8回「雇用保険制度研究会」を開催し、「中間整理案」を提示した。
コロナ禍に対する雇用調整助成金の支出増等により保険財政が枯渇する中、雇用保険制度の
役割や保護すべき対象は何か、「雇用のセーフティネット」としてどうあるべきかについて、
働き方の多様化、産業構造の変化等を踏まえて検討している。週所定労働時間20時間を
保険適用の下限とすることの妥当性、失業給付である基本手当等、失業以外の事由に対する
育児休業給付等のあり方など、幅広い論点について検討の視点を列挙している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32855.html
(中間整理案)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001090985.pdf

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【統計】
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●3月の完全失業率2.8%、前月比0.2ポイント上昇/労働力調査

 総務省は28日、2023年3月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。
完全失業率(季節調整値)は2.8%で、前月に比べ0.2ポイントの上昇。
完全失業者数は193万人(前年同月比13万人増)で、21カ月ぶりの増加。
就業者数は6,699万人(同15万人増)で、8カ月連続の増加、雇用者数は
6,036万人(同11万人増)で、13カ月連続の増加。同日公表された
2022年度平均の完全失業率は2.6%で、前年度に比べ0.2ポイントの低下。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
(概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf
(2022年度平均)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nendo/index.html
(2022年度平均概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nendo/pdf/gaiyou.pdf

●3月の新規求人、「生活関連サービス業・娯楽業」は前年同月比8.3%増/一般職業紹介状況

 厚生労働省は28日、「一般職業紹介状況」を公表した。2023年3月の
有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍で、前月比0.02ポイント低下。
新規求人倍率(同)は2.29倍で、前月比0.03ポイント低下。新規求人(原数値)は、
前年同月比で0.7%増。産業別では、生活関連サービス業・娯楽業(8.3%増)、
宿泊業・飲食サービス業(5.9%増)、卸売業・小売業(3.1%増)などで増加。
製造業(8.0%減)、建設業(6.3%減)、運輸業・郵便業(1.1%減)などで減少。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32763.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001089526.pdf

●基調判断「生産は弱含み」で据え置き/3月鉱工業指数

 経済産業省は28日、3月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を公表した。
生産指数(季節調整値)は95.7(前月比0.8%の上昇)で2か月連続の上昇。
業種別では、自動車工業、生産用機械工業、化学工業(無機・有機化学工業・医薬品を除く)
等が上昇し、電子部品・デバイス工業、汎用・業務用機械工業、無機・有機化学工業等が
低下した。出荷は同0.4%の上昇、在庫は同0.6%の上昇で、どちらも2か月連続の上昇。
在庫率は同2.1%の上昇で2か月ぶりの上昇。基調判断は「生産は緩やかな持ち直しの動き」
に引き上げ。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202303sj.pdf
(指数の解説)
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20230428_1.html

●基調判断「足踏みを示している」で据え置き/2月景気動向指数の改訂状況

 内閣府は27日、2月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は、前月差2.5ポイント上昇の98.6(速報値は99.2)。
「景気動向指数(CI一致指数)に基づく基調判断は、「足踏みを示している」で、
据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202302rsummary.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

●50年後の総人口は7割に減少、65歳以上は全体の4割へ/社人研推計

 社会保障・人口問題研究所は26日、2020年国勢調査をもとにした「日本の将来推計人口
(令和5年推計)」を公表した。総人口は、2070年には8,700万人に減少(2020年の69.0%)。
65歳以上人口の割合は、20年の28.6%から70年には38.7%へ上昇。17年の前回推計と比べ、
出生率は低下するが、平均寿命のわずかな伸びと外国人の入国超過により人口減少の進行は
わずかに緩和するとしている。
https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_PressRelease.pdf
(公表資料)
https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp_zenkoku2023.asp

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【労使】
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●「分厚い中間層」の形成に向け政策提言/経団連報告書

 日本経団連は26日、「サステイナブルな資本主義に向けた好循環の実現
―分厚い中間層の形成に向けた検討会議報告」を公表した。経団連は、
社会全体の底上げを通じた「分厚い中間層」の形成は、格差問題の解決に
直結するとともに、中間層自身が更なる需要を生み出し経済活動を活発化
させると指摘。本報告書では「分厚い中間層」形成のために必須な政策分
野として、(1)マクロ経済政策、(2)社会保障・税制、(3)労働政策の3つを
大きな柱として掲げ、労働政策においては、企業は賃上げの維持・強化や
働き方改革を推進し、政府は雇用のセーフティネットの見直しを通じて、
構造的な賃上げの継続を図るべきだとしている。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/030.html

●産学協働で取り組む人材育成・人への投資/経団連と大学協議会が報告書発表

 経団連と大学関係者で構成する「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は
26日、2022年度報告書「産学協働で取り組む人材育成としての『人への投資』」を
発表した。同協議会は、産業界が求める人材像や採用のあり方等について継続的に
意見交換を行う場として2019年1月に設置。22年度の報告書は、「採用・インターン
シップ分科会」「産学連携推進分科会」の活動内容のほか、文理融合を前提とした
理系分野への進学・従事する人材の拡充、など4つのテーマ別懇談会の検討報告が
掲載されている。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/031.html

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【動向】
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●24年卒の大卒求人倍率1.71倍、コロナ前水準へ/民間調査

 リクルートワークス研究所は26日、2024年3月卒業予定の大卒求人倍率(大学院卒含む)に
関する調査を発表した。24年卒予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.71倍で、
前年卒の1.58倍より0.13ポイント上昇。コロナ禍の影響のあった21年卒の1.53倍、
22年卒の1.50倍から、23年卒では1.58倍となり、採用意欲が回復に向かっていた。今回は
より採用意欲が高まり、コロナ禍前の水準(15年卒以降の1.6倍以上)に戻る結果となった。
前年(23年卒)は採用拡大に慎重であった従業員300人未満の中小企業で今年は採用意欲が
増加し対前年比11.6%増。また、建設業、流通業で求人倍率が大きく上昇した。
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2023/0426_12231.html
(詳細)
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20230426_hr_01.pdf

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【イベント】
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●「社会的連帯経済(SSE)の現在とその未来を考える」/法政大学連帯社会インスティテュート

 法政大学大学院連帯社会インスティテュートは、社会的連帯経済(SSE)をテーマとする
連続公開講座をオンラインで開催する。社会的連帯経済の現在と日本における将来の方向性
について、知識と経験を有する講師を各回ごとに迎え、5月6日から全6回(4日間)開講。
参加費無料、事前にWebフォームにて申込む。各回定員300名(先着順)。
https://www.hosei.ac.jp/gs/info/article-20230422140717/
(案内チラシ)
https://www.hosei.ac.jp/application/files/5416/8232/5607/2023_rentai_extension_lectures.pdf