メールマガジン労働情報 No.1831

■□――【メールマガジン労働情報/No.1831】

雇用保険料率、原則の1.55%への引き上げについて審議/労政審雇用保険部会 ほか

―2022年12月21日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】雇用保険料率、原則の1.55%への引き上げについて審議/労政審雇用保険部会 ほか
【統計】労組組織率16.5%、前年比0.4ポイント低下/労働組合基礎調査 ほか
【労使】カスタマー・ハラスメント、5割強が「暴言」/連合調査
【動向】2023年の景気、「悪化」を見込む企業は25%/民間調査
【海外】議会の介入で貨物鉄道のストライキを回避/アメリカ ほか
【イベント】「社会保険レベルアップ講座」/神奈川県労働福祉協会

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【JILPTからのお知らせ】
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◇『第5回改定厚生労働省編職業分類』を公開しました!

 厚生労働省編職業分類が2022年に改定されました。今回の改定は、産業構造、
職業構造の変化等に伴い、求人・求職のマッチング上の課題も散見されていた中で、
マッチングをより円滑に行えるようにするという観点から行われました。
旧大分類の異なる複数の項目を統合した新たな分類項目の設定や項目名の
見直しなどの大分類の見直し、労働市場の変化、マッチングの観点などからの
中分類や小分類項目の新設、分割、細分類の廃止などが特徴になっています。
(『職業分類表 改定の経緯とその内容』)
https://www.jil.go.jp/institute/seika/shokugyo/bunrui/index.html
(『職業名索引』)
https://www.jil.go.jp/institute/seika/shokugyo/sakuin/index.html

◇『ユースフル労働統計2022―労働統計加工指標集―』を公開しました!

 既存の労働統計から新しい統計指標を計算する方法と結果を紹介する資料集です。
2022年版より書籍としての刊行・販売を取り止め、ホームページにおける掲載(PDF)
に移行しました。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2022/index.html

☆任期付研究員の募集について(2023年度採用)

 労働政策研究・研修機構では、任期付研究員を募集します。
応募書類の提出期限は2023年1月16日(月曜)必着です。
https://www.jil.go.jp/information/koubo/kenkyuin/2022/06.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(12月15日更新)

 国内統計:鉱工業指数
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c14.html

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【行政】
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●雇用保険料率、原則の1.55%への引き上げについて審議/労政審雇用保険部会

 厚生労働省は19日、第179回「労働政策審議会雇用保険部会」を開催し、
雇用保険料率の原則である1.55%(労働者0.6%、使用者0.95%)への引き上げ
について審議した。雇用保険料率は、今年9月までの0.95%(労0.3%、使0.65%)を
10月から2023年3月までの間について1.35%(労0.5%、使0.85%)に引き上げている。
雇用保険は労使折半で負担する失業等給付と育児休業給付、使用者が負担する
雇用保険二事業に分かれるが、2023年4月以降については、低く抑えてきた
失業等給付分を原則の0.8%に戻すことが検討された。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29809.html
(雇用保険の財政運営等について)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001025513.pdf

●全世代型社会保障構築会議報告書について意見交換/全世代型社会保障構築会議

 政府は16日、第12回「全世代型社会保障構築会議」を開催し、「全世代型社会保障
構築会議報告書」について意見交換が行った。総理は意見交換を踏まえ、こども・子育て
支援の充実について「社会全体での費用負担の在り方の検討とあわせ、取り組んでいく」
などと述べた。報告書は、妊娠・出産・子育てを通じた包括的支援の方向性をまとめたもの。
仕事と子育ての両立支援では、「仕事か、子育てか」の二者択一状況の是正策として、
子育て期の長時間労働是正や柔軟な働き方の促進、育児休業給付の対象外の短時間労働者や
フリーランスへの支援などをあげている。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202212/16zensedai.html
(全世代型社会保障構築会議)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai12/gijisidai.html
(報告書)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai12/siryou1.pdf

●28%の企業が「70歳までの就業確保措置実施済み」/厚労省

 厚生労働省は16日、2022年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表した。
2021年4月に努力義務化された70歳までの就業確保措置の実施済み企業は27.9%
(前年度比2.3ポイント増)、中小企業は28.5%(同2.3ポイント増)、大企業は20.4%
(同2.6ポイント増)。従業員21人以上の約23万6,000社からの報告に基づき、
6月1日時点での実施状況をまとめた。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29133.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/000955633.pdf

●「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースを拡充/厚労省

 厚生労働省は、「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コース
について、常時使用する労働者数が30人以下の事業主が賃金引上げを達成した場合の
加算額を増額する。増額幅は賃金引上げ率等に応じており、3%以上引上げでは
最大300万円、5%以上引上げでは最大480万円へ拡充するなどとしている。申請期間は
12月12日から2023年1月13日まで。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html
(リーフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/001022579.pdf

●生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関する中間まとめを公表/厚労省

 厚生労働省は20日、生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関する
これまでの議論の整理(中間まとめ)を公表した。主なポイントは、基本的な考え方として、
社会福祉の共通理念である「地域共生社会」の理念を踏まえつつ、「平成30年改正等による
両制度の発展と課題への対応」、「新型コロナウイルス感染症感染拡大による生活困窮への
対応も踏まえた課題への対応」の2つの観点から、これまでの主な議論を中間的に整理
している。各論では、就労・家計改善支援のあり方として、生活困窮者の自立に向けた
相談支援機能を強化するため、就労準備支援事業・家計改善支援事業の必須事業化を
検討するとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29894.html
(中間まとめの主なポイント)
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/001026533.pdf
(中間まとめ)
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/001026532.pdf

●2023年3月高校卒業予定者の10月末現在の就職内定率、76.1%/文科省調査

 文部科学省は16日、「2023年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況
(2022年10月末現在)」を公表した。就職内定率は76.1%で、前年同月比
1.0ポイント増。男女別では男子77.0%(同0.7ポイント増)、女子74.6%
(同1.4ポイント増)。学科別では、内定率の高い順に、工業87.8%、
看護83.5%、商業81.3%など。普通科は63.2%。
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kousotsu/kekka/k_detail/mext_00023.html
(調査結果)
https://www.mext.go.jp/content/20221216-mxt_jidou01-000023944_1.pdf

●「高年齢者活躍企業コンテスト」を実施/厚労省・JEED

 厚生労働省は、高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)と共催で、2023年度
「高年齢者活躍企業コンテスト」を実施する。応募対象は、高年齢者が65歳以上
になっても働ける制度を導入した企業。高年齢者が働きやすい職場環境づくりや、
新たな職場・職務の創出など、年齢にかかわりなく生涯現役でいきいきと働くことが
できる環境等にするための改善策や創意工夫事例を募集する。応募期間は
2023年2月28日まで。優れた事例は、2023年10月に表彰を行う。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28652.html

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【統計】
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●労組組織率16.5%、前年比0.4ポイント低下/労働組合基礎調査

 厚生労働省は16日、2022年「労働組合基礎調査」結果を公表した。2022年6月30日
現在の推定組織率は16.5%で、前年比0.4ポイント低下した。労働組合員数は
999万2,000人で、同8万6,000人(0.8%)減少。パートタイム労働者については、
140万4,000人で、同4万1,000人(3.0%)増加、組織率は8.5%で同0.1ポイント上昇。
女性の労働組合員数は347万1,000人で、同2,000人(0.0%)増加、組織率は12.5%で
同0.3ポイント低下。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/22/index.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/22/dl/houdou.pdf

●10月の現金給与総額1.4%増、実質賃金は2.9%減/毎勤統計確報値

 厚生労働省は21日、10月の「毎月勤労統計調査」結果(確報、事業所規模5人以上)
を公表した。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比1.4%増の27万5,195円、
うち一般労働者が同1.9%増の35万7,120円、パートタイム労働者が同1.9%増の
9万9,996円。一方、実質賃金は、消費者物価の上昇等の影響により同2.9%減と
7か月連続のマイナスとなった。総実労働時間は同0.9%減の137.3時間。うち、
所定内労働時間は同1.5%減の126.8時間、所定外労働時間は同6.9%増の10.5時間。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r04/2210r/dl/pdf2210r.pdf
(統計表等)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r04/2210r/2210r.html

●入職率9.3%、離職率8.7%で入職超過/2022年上半期雇用動向調査

 厚生労働省は20日、2022年上半期「雇用動向調査」結果を公表した。入職率は9.3%
(前年同期比0.7ポイント上昇)、離職率は8.7%(同0.6ポイント上昇)。入職超過率
(入職率-離職率)は0.6ポイントで入職超過。産業別では、宿泊業・飲食サービス業は
入職率20.3%(同8.3ポイント上昇)、離職率15.0%(同0.6ポイント低下)で入職超過、
生活関連サービス業・娯楽業は入職率14.2%(同7.1ポイント低下)、離職率10.0%
(同1.0ポイント低下)で入職超過。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-1/index.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-1/dl/siryo.pdf

●労災の死亡者数5.5%減、休業4日以上死傷者数70%増/厚労省

 厚生労働省は16日、2022年の労働災害発生状況(12月速報値)を公表した。
2022年における死亡災害は、死亡者数が658人で前年同期比5.5%減少。
業種別では建設業242人(同0.4%減)、第三次産業160人(同8.6%減)、
製造業125人(同7.8%増)など。事故の類型別では「墜落・転落」196人
(同9.5%増)が最多。一方、休業4日以上の死傷者数は20万9,999人で
前年同期比70.5%増加した。業種別では、第三次産業の14万8,606人
(同126.6%増)が最多。事故の類型別では、「その他」(主に感染症による
労働災害)10万3,711人(同482.0%増)、「転倒」2万8,421人(同4.1%増)など。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/22-12.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html

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【労使】
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●カスタマー・ハラスメント、5割強が「暴言」/連合調査

 連合は16日、「カスタマー・ハラスメントに関する調査2022」結果を発表した。
直近3年間で自身が受けたことのあるカスタマー・ハラスメントは、「暴言」
(55.3%)、「説教など、権威的な態度」(46.7%)など。直近5年間での
カスタマー・ハラスメント状況の変化については、「発生件数が増えた」(36.9%)、
「深刻化した」(36.5%)。増加理由は、「格差、コロナ禍など社会の閉塞感などによる
ストレス」が最多、次いで「過剰な顧客第一主義の広がり」、「人手不足による
サービスの変化、低下」など。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20221216.pdf

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【動向】
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●2023年の景気、「悪化」を見込む企業は25%/民間調査

 帝国データバンクは19日、「2023年の景気見通しに対する企業の意識調査」
結果を発表した。2023年の景気について、「悪化」局面を見込む企業は25.3%で、
21年11月調査の22年見通しと比べて12.7ポイント増加、「回復」局面を見込む
企業は11.5%(同10.8ポイント減)、「踊り場」局面を見込む企業は39.1%
(同1.8ポイント減)。景気への懸念材料は、「原油・素材価格(の上昇)」
(72.7%)が最多、次いで「為替(円安)」(43.5%)、「物価上昇(インフレ)」
(33.3%)など。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p221209.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p221209.pdf

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<アメリカ>
▽議会の介入で貨物鉄道のストライキを回避

 バイデン大統領は12月2日、貨物鉄道の全国的なストライキを回避するため、
前日までに上下両院で可決した「暫定合意」の受入れを当事者に義務付ける
法案に署名した。貨物鉄道労使は9月15日に賃上げなどを内容とする
労働協約改定の「暫定合意」を交わしていたが、最大の組合員数を擁する
労組の組合員らが有給病気休暇の付与を求めて承認せず、ストライキの
可能性が再び高まっていた。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/12/usa_01.html

<イギリス>
▽最低賃金の改定

 政府は11月、最低賃金額を2023年4月から10.42ポンドに改定する方針を示した。
労働市場における需給の逼迫を背景に、賃金水準が急速に上昇したことを受けて、
例年を大きく上回る引き上げ幅となった。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/12/uk_01.html

<フランス>
▽非課税措置のボーナス支給と労組の反応―ボーナス増額を求めてストライキも

 購買力確保法に基づき各企業がボーナス支給を決定している。法律の定めた
非課税上限は3,000ユーロで、労使合意があれば上限6,000ユーロとなるが、
実際の支給額は1,000から1,500ユーロ程度に留まり、政府が期待したほどの
効果は得られていない。労組の反応は、会社側の提案を歓迎する動きが一部に
ある一方で、業績に見合ったボーナスの増額や更なる賃上げを要求する労組もあり、
場合によってはストライキに発展した企業もある。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/12/france_02.html

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【イベント】
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●「社会保険レベルアップ講座」/神奈川県労働福祉協会

 神奈川県労働福祉協会は2023年2月2日、「社会保険レベルアップ講座」を
オンラインでを開催する。実務担当者が知っておくべき必須知識と実務上の
重要ポイントやイレギュラーなケースなどを解説する。2月4日から3月5日
まではオンデマンド配信も行う。受講料15,000円。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/hoken-levelup.html