メールマガジン労働情報 No.1796

■□――【メールマガジン労働情報/No.1796】

地域別最賃の改定目安を答申 改定額31円(加重平均)は過去最高/中央最低賃金審議会 ほか

―2022年8月3日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】地域別最賃の改定目安を答申 改定額31円(加重平均)は過去最高/中央最低賃金審議会 ほか
【統計】6月の完全失業率2.6%、前月と同率/労働力調査 ほか
【労使】たたかう労働組合のバージョンアップを/全労連定期大会 ほか
【動向】資源価格高騰、8割超の企業で経営に「マイナス」/民間調査 ほか
【イベント】「事業場内メンタルヘルス推進担当者養成研修」/中央労働災害防止協会 ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇資料シリーズ No.258『韓国の非正規労働政策の展開と課題―正社員転換を中心に―』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2022/258.html

◇資料シリーズ No.257『「サービス化」の下での人材マネジメント―企業ヒアリング調査から―』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2022/257.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(8月1日更新)

 国内統計:完全失業率
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c06.html

 国内統計:有効求人倍率
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c07.html

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【行政】
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●地域別最賃の改定目安を答申 改定額31円(加重平均)は過去最高/中央最低賃金審議会

 中央最低賃金審議会は2日、2022年度の地域別最低賃金額改定の目安を答申した。
引上げ目安は、東京、愛知、大阪など「Aランク」と、兵庫など「Bランク」が31円、
北海道など「Cランク」と、福島、沖縄など「Dランク」が30円。全国加重平均は31円
(昨年度は28円)で、1978年度に目安制度が始まって以降の最高額となる。連合は
事務局長談話で「誰もが1,000円の実現に向けて継続的な引き上げが必要」などとした。
日本商工会議所は会頭コメントで、物価高騰を価格転嫁できない企業にとって
「非常に厳しい結果」とし、価格転嫁対策や生産性向上のための支援策の推進を政府に求めた。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27195.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000972066.pdf
(連合・事務局長談話)
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1205
(日本商工会議所・会頭コメント)
https://www.jcci.or.jp/news/2022/0802080000.html

●中長期の経済財政に関する試算などについて議論/経済財政諮問会議

 政府は7月29日、「第10回経済財政諮問会議」を開催し、中長期の経済財政に関する
試算等について議論した。総理は、「今回の中長期試算では、成長実現ケースで示された
力強い成長が実現し、これまでの歳出効率化努力を継続した場合には、国と地方を合わせた
基礎的財政収支は2025年度に黒字化する姿が示される結果」になったとし、その実現に向けて、
「人への投資を通じて、今後の成長分野への円滑な労働移動、持続的な所得の向上等を促す」
などと述べた。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0729/agenda.html
(中長期の経済財政に関する試算のポイント)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0729/shiryo_01-1.pdf
(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202207/29keizai.html

●1万986事業場で違法な時間外労働を確認、是正・改善指導/厚労省

 厚生労働省は7月29日、長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が
2021年度に実施した監督指導の結果を公表した。対象となった3万2,025事業場
のうち、違法な時間外労働があったのは1万986事業場(34.3%)で、月80時間を
超える時間外・休日労働が認められたのは4,158事業場(違法な時間外労働が
あった事業場の37.8%)。是正・改善指導を受けたその他の違反内容は、
過重労働による健康障害防止措置の未実施が6,020事業場(18.8%)、
賃金不払残業が2,652事業場(8.3%)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27109.html

●令和4年度「経済財政白書」を公表/内閣府

 内閣府は7月29日、「令和4年度 年次経済財政報告(経済財政白書)
―人への投資を原動力とする成長と分配の好循環実現へ―」を公表した。
第2章「労働力の確保・質の向上に向けた課題」では、一人当たり賃金は、
デフレが長期化する中で経済全体の稼ぐ力が十分に高まらなかったことに加え、
労働生産性の伸びに対し十分な分配が行われなかったことなどから伸び悩んで
いること、労働生産性の伸びと物価上昇率に見合った賃金上昇の実現が重要
であることなどを分析している。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html
(全体版)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2022/0729wp-keizai/setsumei00.pdf
(全文)
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je22/index_pdf.html

●「第17回若年者ものづくり競技大会」の入賞者を決定/厚労省

 厚生労働省は7月29日、「第17回若年者ものづくり競技大会」の入賞者を公表した。
7月27日、28日の両日、広島県内の会場で職業能力開発施設や工業高等学校
などで技能を習得中の若年者340名が、全15職種でものづくり技能を競った。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26784.html

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【統計】
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●6月の完全失業率2.6%、前月と同率/労働力調査

 総務省は7月29日、2022年6月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。
完全失業率(季節調整値)は2.6%で、前月と同率。完全失業者数は186万人
(前年同月比21万人減)で、12か月連続の減少。就業者数は6,759万人
(同21万人増)で、3か月連続の増加、雇用者数は6,048万人(同24万人増)で、
4か月連続の増加。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
(概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●6月の新規求人、「宿泊業・飲食サービス業」は前年同月比31%増/一般職業紹介状況

 厚生労働省は7月29日、「一般職業紹介状況」を公表した。2022年6月の
有効求人倍率(季節調整値)は1.27倍で、前月比0.03ポイント上昇。
新規求人倍率(同)は2.24倍で、同0.03ポイント低下。新規求人(原数値)は、
前年同月比で12.0%増。産業別では、宿泊業・飲食サービス業(30.9%増)、
製造業(16.9%増)、生活関連サービス業・娯楽業(16.7%増)、情報通信業
(13.5%増)などで増加。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26959.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000969056.pdf

●消費者マインドの基調判断、「弱含んでいる」へ下方修正/7月消費動向調査

 内閣府は7月29日、2022年7月の「消費動向調査」結果を公表した。「消費者態度指数
(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月比1.9ポイント低下し30.2。指数を構成する
各指標では、「雇用環境」が3.1ポイント低下し34.3、「耐久消費財の買い時判断」が
1.7ポイント低下し23.6、「暮らし向き」及び「収入の増え方」が共に1.4ポイント低下し、
それぞれ28.4、34.4となった。消費者マインドの基調判断は、「下げ止まりの動きがみられる」
から「弱含んでいる」へ下方修正。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/youten.pdf
(統計表等)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html

●基調判断「生産は一進一退」へ上方修正/6月鉱工業指数

 経済産業省は7月29日、2022年6月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を
公表した。生産指数(季節調整値)は95.8で、前月比8.9%の低下。業種別では、
自動車工業、電気・情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業等が上昇し、
鉄鋼・非鉄金属工業、パルプ・紙・紙加工品工業、汎用・業務用機械工業等が
低下した。出荷は同4.6%の上昇、在庫は同2.1%の上昇、在庫率は同1.0%の低下。
基調判断は「生産は弱含み」から「生産は一進一退」へ上方修正。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202206sj.pdf

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【労使】
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●たたかう労働組合のバージョンアップを/全労連定期大会

 全労連(小畑雅子議長、約72万4,000人)は7月27日から3日間、
都内でオンライン併用の定期大会を開き、今後2年間の運動方針を決めた。
方針は(1)すべての労働者のゆとりある生活と労働の確保へ
(2)地域の「公共」を取り戻し、持続可能な地域循環型の経済・社会の
確立を(3)平和憲法いかす政治への転換をはかる――の3つの要求の柱と、
それらに基づく取り組みに4つのアプローチ(戦略)を位置付けて実現を
めざすことを提起している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20220803a.html

●「2025年20万労連」と延長線上にある「25万労連」達成を/情報労連大会

 NTTやKDDIなどの労働組合でつくる情報労連(安藤京一委員長、19万7,000人)は
7月29日、都内でオンライン併用の定期大会を開き、昨年決定した「2021~2022年度
中期運動方針」を補強する「2022年度運動方針」を確認した。組織拡大では、
「2025年20万労連」と、その延長線上にある「25万労連」の達成に向けて、
すべての組織が取り組みを強化する。安藤委員長は、「労働組合の組織力向上に
組織人員増は必要不可欠。気概を持って、結果に拘り成果を出していく」と強調した。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20220803b.html

●医療・介護労働者の賃金・労働条件改善と人員体制の拡充を/日本医労連定期大会

 日本医労連(佐々木悦子委員長、14万9,000人)は7月19~21日の3日間、
都内でオンラインと併用の定期大会を開催し、2022年度の運動方針を決めた。
方針の柱は(1)いのちと平和を守る政治の実現(2)賃金底上げと大幅賃上げ
(3)大幅増員、働くルールの確立(4)安全・安心の医療・介護の実現
(5)20万人医労連の早期達成――を提示。コロナ禍の困難な状況が続く中で
奮闘する医療・介護労働者が、誇りを持って働き続けられる賃金・労働条件の
改善や、安全・安心な医療・介護を提供するための人員体制の拡充・強化などを
めざしている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20220803c.html

●7月の業況DI、改善するもコスト増により力強さを欠く/日商

 日本商工会議所は7月29日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表した。
7月の業況DI(全産業合計)はマイナス17.8で、前月比2.5ポイントの上昇。人流の回復
とともに、百貨店などの小売業で業況が改善し、民間の設備投資が堅調に推移した製造業や、
小売業・製造業に牽引された卸売業で業況が改善した一方で、感染者数の増加を受け、
飲食・宿泊業で予約キャンセルが出始めたサービス業などで業況は横ばいに留まった。
原材料価格の高騰、円安、深刻な人手不足に伴う人件費増などのコスト増に歯止めが
かからず、企業収益の足かせとなっており、コスト上昇分の価格転嫁も十分に行えない中、
中小企業の業況は、改善傾向が続くも力強さを欠くとしている。
https://www.jcci.or.jp/news/2022/0729105121.html

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【動向】
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●資源価格高騰、8割超の企業で経営に「マイナス」/民間調査

 帝国データバンクは7月27日、原油・LNG価格高騰に対する企業の意識調査結果
を発表した。価格高騰の経営に対する影響が「直接的にマイナス影響がある」
企業は48.2%。業界別では「運輸・倉庫」(79.3%)、「農・林・水産」(69.4%)
が上位となった。対策は、「節電・節約」(49.5%)、「コスト上昇分を販売価格へ転嫁」
(21.8%)など。価格水準が高止まりした場合の対策では、「販売価格へ転嫁」(29.6%)
が最も高くなった。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220708.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220708.pdf

●6割が「副業を希望している」/民間調査

 エン・ジャパンは7月29日、「副業」に関する意識調査結果を発表した。
「副業を希望している」と回答した人は60%(強く希望している25%、
やや希望している35%)、2020年10月調査より11ポイント増加。副業を希望
している理由は「収入を増やしたいため」が87%、希望する収入額は
「月3万円~5万円未満」(32%)が最多。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2022/30263.html

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【イベント】
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●「事業場内メンタルヘルス推進担当者養成研修」/中央労働災害防止協会

 中央労働災害防止協会は8月9・10日の2日間、「事業場内メンタルヘルス推進担当者
養成研修」を港区で開催する。厚生労働省が定めた「労働者の心の健康の保持増進
のための指針」では、メンタルヘルス推進担当者を選任することが求められている。
研修では、担当者に必要なメンタルヘルス対策に関する知識を包括的に学ぶ。
参加費40,700円。中小規模事業場に対する割引サービス(28,490円)が適用。
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3500_mh_syn.html

●「より深く学びたい方のための労働保険・社会保険の実務講座」

 大阪労働協会は9月20、22日の2日間、「より深く学びたい方のための労働保険・
社会保険の実務講座」を大阪市で開催する。企業等での労働保険・社会保険の
実務経験者を対象として、ダブルワークの保険手続き、外国人の保険手続き、
電子申請などについて、問題演習を交えながらより深く学び、実務に活かすことを
目指す。受講料8,000円(テキスト代込み)。定員100名。
https://www.l-osaka.or.jp/ork/pages/pageB.html#220920

●セミナー「最新の裁判例及び事例から学ぶ職場におけるパワハラ防止対策等」/神奈川県かながわ労働センター県央支所ほか

 神奈川県かながわ労働センター県央支所は9月2日、神奈川県相模原商工会議所
との共催で中小企業労務管理セミナー「最新の裁判例及び事例から学ぶ職場における
パワハラ防止対策等」をオンラインで開催する。職場において直面する様々なパワハラ
に対して、企業がいかにパワハラを防止し対処するのか、最新の裁判例や事例を交えて
解説する。参加無料。募集人数100人(先着順)。
https://www.sagamihara-cci.or.jp/archives/50098