メールマガジン労働情報 No.1795

■□――【メールマガジン労働情報/No.1795】

無期転換ルールなどについて議論/労政審労働条件分科会 ほか

―2022年7月29日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】無期転換ルールなどについて議論/労政審労働条件分科会 ほか
【統計】介護サービス受給者、約456万人/介護給付費等実態統計(4月) ほか
【労使】労働相談の受付数、前年同月比257件増の2,083件/連合「労働相談ダイヤル」(6月) ほか
【動向】「ゾンビ企業」は約16万社、全企業の1割強が該当/民間調査 ほか
【企業】「ミーティングフリー」日を導入/ルネサス エレクトロニクス
【法令】労働関係法令一覧(2022年6月公布分)
【イベント】労働セミナー「障がい者の採用・職場定着の実務ポイント」/東京都労働相談情報センター ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇資料シリーズ No.258『韓国の非正規労働政策の展開と課題―正社員転換を中心に―』

 無期転換制度がある韓国を対象に、無期転換制度や有期労働契約に関する規制の内容や
運用状況等の把握を図るために文献調査を実施しました。その結果、雇用期間2年超過の
有期契約労働者に対する企業の対応は、2010年から2020年までの11年間を平均すると、
雇用終了41.7%、正社員転換21.5%、継続雇用36.7%となりました。継続雇用は無期転換
ルールにより期間の定めのない労働契約を締結したとみなされるため、正社員転換を含めて
約6割の有期契約労働者の雇用安定が図られたことが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2022/258.html

◇資料シリーズ No.257『「サービス化」の下での人材マネジメント―企業ヒアリング調査から―』

 現在生じている環境変化の1つとして「サービス化」に着目し、「サービス化」と人事管理の
変化について企業ヒアリング調査等を実施しました。その結果、事業の「サービス化」に伴う
人事管理の変化として、長期雇用慣行は持続されていると考えられるが、その内部で変化も
生じていることが示唆されること、また、第三次産業における人事管理については、
コンテンツ産業では職種別労働市場が形成されており、特定の職種を単位に、より高い企業
ランクに上がっていくようなキャリアが存在していることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2022/257.html

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【JILPTからのお知らせ】
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◇『日本労働研究雑誌』2022年8月号を刊行しました!
 特集「働く人の心の健康と障害」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2022/08/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2022年8・9月号を公開しました!
 「働く女性の健康を支える」
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2022/08_09/index.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(7月26日更新)

 国際比較統計:実収賃金
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/f/f52.html

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【行政】
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●無期転換ルールなどについて議論/労政審労働条件分科会

 厚生労働省は27日、第176回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催し、
無期転換ルールのうち、無期転換者と他の無期契約労働者との均衡待遇や、
高度専門知識を有する有期雇用労働者等に関する特例について議論した。
あわせて、裁量労働制の今後の方向性などをまとめた「これからの労働時間
制度に関する検討会」報告書が示された。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27074.html
(無期転換ルールに関する論点)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000969228.pdf
(「これからの労働時間制度に関する検討会」報告書概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000969230.pdf

●外国人技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況を公表/厚労省

 厚生労働省は27日、全国の労働局や労働基準監督署が、2021年に外国人技能実習生の
実習実施者に対して行った監督指導や送検等の状況を公表した。労働基準関係
法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した9,036事業場のうち
6,556事業場(72.6%)。主な違反事項は、使用する機械等の安全基準(24.4%)、
割増賃金の支払(16.0%)、労働時間(14.9%)など。重大・悪質な労働基準関係
法令違反により送検されたのは25件。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27067.html

●自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況を公表/厚労省

 厚生労働省は27日、全国の労働局や労働基準監督署が、2021年にトラック、バス、
タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導や送検等の
状況を公表した。労働基準関係法令違反が認められた事業場は、監督指導を実施した
3,770事業場のうち3,054事業場(81.0%)。改善基準告示違反は2,010事業場(53.3%)。
主な違反事項は、労基法関係は労働時間(45.1%)、割増賃金の支払(21.2%)など、
改善基準告示関係は、最大拘束時間(39.1%)、総拘束時間(29.7%)、休息期間
(27.5%)。重大・悪質な労働基準関係法令違反による送検件数は42件。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27066.html

●「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」を開設/厚労省

 厚生労働省は、「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」を
8月1日に開設する。同センターでは、荷主企業からの作業環境改善に関する相談、
運送事業者からの労務管理上の改善や作業環境の改善に関する相談に対応するとともに、
利用者の希望に応じて、オンライン相談や現地での訪問支援を無料で実施する。
相談センターの設置期間は2023年3月31日まで。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27035.html

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【統計】
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●介護サービス受給者、約456万人/介護給付費等実態統計(4月)

 厚生労働省は27日、「介護給付費等実態統計月報」(2022年4月審査分)を
公表した。受給者総数は、介護サービス456万2,700人、介護予防サービス84万4,100人、
受給者1人当たり費用額は、介護サービス19万9,600円、介護予防サービス2万7,800円。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/2022/dl/202204_gaiyou.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/2022/04.html

●基調判断「改善を示している」で据え置き/5月・景気動向指数の改訂状況

 内閣府は27日、2022年5月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は、前月差1.9ポイント低下の94.9(速報値は95.5)。
基調判断は、「景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202205rsummary.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

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【労使】
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●労働相談の受付数、前年同月比257件増の2,083件/連合「労働相談ダイヤル」(6月)

 連合は22日、「なんでも労働相談ダイヤル」2022年6月分集計結果を発表した。
受付件数は2,083件で、前年同月比257件増。相談の内容は、「パワハラ・嫌がらせ」
(20.5%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(8.5%)、「解雇・退職強要・
契約打切」(8.1%)、「退職手続」(6.7%)、「年次有給休暇」(5.5%)など。
業種別では「医療・福祉」(24.5%)が最多、次いで「製造業」(14.8%)、
「サービス業(他に分類されないもの)」(14.8%)など。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/soudan_report/data/202206.pdf

●大手企業の賃上げ妥結結果の最終集計、賃上率は2.27%/経団連

 経団連は27日、「2022年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果」(加重平均、最終集計)
を発表した。調査対象である従業員500人以上の主要21業種大手253社のうち、
回答が示されたのは21業種202社。うち平均金額が不明等の67社を除く135社の
賃上げ率は2.27%(2021年1.84%)、額は7,562円(同6,124円)。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/072.pdf

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【動向】
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●「ゾンビ企業」は約16万社、全企業の1割強が該当/民間調査

 帝国データバンクは27日、2020年度の「ゾンビ企業」(利払いの負担を事業利益で
賄えない企業)は約16万5,000社(推計)、全企業の11.3%が該当と発表した。
最近10年で最高だった2011年度の約27万3,000社からは4割近く減少したが、19年度の
約14万6,000社からは1割以上増えており、再び「ゾンビ企業」の増加が危惧される
としている。業種別では、「建設」(構成比34.3%)、「製造」(同20.0%)で半数超
となった。従業員別では、20人以下の企業が全体の約7割を占めた。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220707.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220707.pdf

●採用選考を終了した企業は約25%/民間調査

 ディスコは26日、「新卒採用に関する企業調査― 中間調査」(2022年7月)の
結果を発表した。2023年卒の採用選考を「終了した」企業は25.6%で、前年同期調査
(29.8%)、コロナ禍で進捗が遅れていた前々年(26.0%)も下回った。充足率
(採用予定数に対する内定者の割合)は58.0%。従業員規模が大きいほど充足率も
上がり、中小企業は51.7%に対して大手企業は67.2%。
https://www.disc.co.jp/press_release/9279/
(詳細レポート)
https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/07/2023_chukanchosa_k.pdf

●就職活動にかかった費用、前年比8,693円増の3万3,651円/民間調査

 マイナビは22日、「2023年卒 学生就職モニター調査 6月の活動状況」発表した。
3~6月までの就職活動にかかった費用は3万3,651円(前年比8,693円増)で、
前年同月に比べ約1.3倍に増加した。主な理由は、4月以降の交通費・宿泊費の増加。
費用の捻出方法は、「アルバイト代・給料」(43.8%、前年比0.4ポイント増)が最多、
「保護者から就活で使うためにもらったお金」(24.2%、同6.4ポイント増)の割合が
増加している。
https://www.mynavi.jp/news/2022/07/post_34562.html

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【企業】
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●「ミーティングフリー」日を導入/ルネサス エレクトロニクス

 ルネサス エレクトロニクス株式会社は、8月に全社員を対象に「Renesas Day」
および「Focus Fridays」を導入すると発表した。「Renesas Day」は8月12日を
特別休暇として付与すもの、「Focus Fridays」は8月中全ての金曜日を会議や
打ち合わせを入れず「ミーティングフリー」とするもの。一斉休暇やミーティング
フリー日を持つことで、業務の効率性やモチベーションを高めるとしている。
https://www.renesas.com/jp/ja/about/press-room/renesas-introduces-renesas-day-and-focus-fridays-global-employees

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【法令】
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●労働関係法令一覧(2022年6月公布分)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202206.html

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【イベント】
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●労働セミナー「障がい者の採用・職場定着の実務ポイント」/東京都労働相談情報センター

 東京都労働相談情報センターは8月17日から9月6日まで、労働セミナー
「障がい者の採用・職場定着の実務ポイント 」をオンラインで開催する。
障がい者が職場で無理なく長く働き続けられるために、障がい者雇用の
正しい理解から採用・職場定着まで解説する。受講無料。定員200名。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/detail?kanri_bango=seminar-zchuo-001241

●「【実践人材育成】躍動する若手を育てるためのリーダーシップ」/中央職業能力開発協会

 中央職業能力開発協会は10月25日、12月1日の2日間、セミナー「【実践人材育成】
躍動する若手を育てるためのリーダーシップ」をオンラインで開催する。人材育成担当者、
部下を持つ上司が日常取り組むべき部下の能力開発の方法等について紹介する。
主なプログラムは、「若手の「自燃行動」を促進する」、「自燃行動を促進させる職場
づくりと上司のリーダーシップ」、「若手社員とのコミュニケーション・スキル」。
受講料5,000円。定員各回40名。
https://www.javada.or.jp/seminar/javada00/leader_2022.pdf

●「第81回 全国産業安全衛生大会in福岡」/中央労働災害防止協会

 中央労働災害防止協会は、10月19日~21日の3日間、「第81回 全国産業
安全衛生大会in福岡」を福岡市で開催する。安全管理やDXなどをテーマに、
事業場からの研究発表、安全衛生の講演など、総数200を超えるプログラムを
実施する。参加費16,500円。
https://online-academic-society.3esys.jp/jisha_taikai2022/contents/index

●「夏休みこども年金教室」/東京都社会保険労務士会

 東京都社会保険労務士会は8月18日、小学生とその保護者を対象として
「夏休みこども年金教室」をオンラインで開催する。社会保険労務士の解説により、
親子で年金のしくみを学ぶ。イベント内容は、年金劇場「ささえあいの年金」
(動画視聴)、「みんなで答えよう!年金クイズ」(オンライン参加)、
「自由研究に最適!年金新聞をつくってみよう!」(ワークショップ)など。
参加無料。定員50組100名。申込締切は8月5日。
https://www.tokyosr.jp/topics/2022-topics/49064/