メールマガジン労働情報 No.1783

■□――【メールマガジン労働情報/No.1783】

家族・結婚のあり方の多様化に対応した制度見直しを/令和4年版「男女共同参画白書」 ほか

―2022年6月17日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】家族・結婚のあり方の多様化に対応した制度見直しを/令和4年版「男女共同参画白書」 ほか
【統計】死傷者数は前年同期比で34%増加/労働災害発生状況(2022年6月速報)
【動向】東京の中小企業の景況感は大幅に改善/東商調査 ほか
【海外】プラットフォーム労働の従事者を保護する労働協約/イギリス ほか

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(6月16日更新)

 国内統計:輸出額、輸入額
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c15.html

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【行政】
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●家族・結婚のあり方の多様化に対応した制度見直しを/令和4年版「男女共同参画白書」

 内閣府は14日、令和4年版「男女共同参画白書」を公表した。白書では、
「コロナ下において男女共同参画が進んでいなかったことが改めて顕在化した」とし、
「問題の背景には、家族の姿が変化しているにもかかわらず、男女間の賃金格差や
働き方等の慣行、人々の意識、さまざまな政策や制度等が、依然として戦後の高度成長期、
昭和時代のままとなっている」と指摘。人生100年時代における男女共同参画の課題として、
女性の経済的自立を可能とする環境整備や世帯単位から個人を単位とした制度設計など、
幅広い分野における制度・政策の点検と見直しの必要性を提起している。
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/index.html
(概要版)
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/gaiyou/pdf/r04_gaiyou.pdf

●令和4年版「高齢社会白書」を公表/内閣府

 内閣府は14日、令和4年版「高齢社会白書」を公表した。「高齢期の暮らしの動向」では
65歳以上の経済的な暮らし向き等について紹介している。それによると、「家計にゆとりがあり、
まったく心配なく暮らしている」が12.0%、「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく
暮らしている」が56.5%と、経済的な暮らし向きに「心配ない」65歳以上が68.5%だった。
また、日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、元年時点で男性が72.68年、女性が75.38年で、
それぞれ平成22年と比べて延びている。
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html
(概要)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/gaiyou/04pdf_indexg.html
(全体版)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/04pdf_index.html

●令和4年版「少子化社会対策白書」を公表/内閣府

 内閣府は14日、令和4年版「少子化社会対策白書」を公表した。白書では、
少子化の状況及び少子化に対処するために講じた施策の概況について報告している。
特集「新型コロナウイルス感染症影響下における少子化の現状と対策」では、
「感染症の影響が続く中、婚姻件数及び妊娠届出数は2020年同様に減少傾向がみられる」
とし、「感染症拡大前(19年12月)に比べると、20、30歳代では、他の世代より
「生活の維持、年収」「仕事」「結婚、家族」の不安が増しているのに加え、
20歳代では「人間関係、社会との交流」の不安が、30歳代では「子どもの育児、教育」
の不安がそれぞれ増している傾向がみられる」としている。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/index.html
(概要)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2022/r04pdfgaiyoh/pdf/04gaiyoh.pdf

●障害者のテレワーク雇用に向けた企業向けコンサルティングを実施/厚労省

 厚生労働省は、障害者のテレワーク雇用に向けた企業向けコンサルティングを
実施している。障害者をテレワークで雇用することを検討している企業、
雇用はしているが課題を抱えている企業等に対して、電話・メール・事業所訪問・
オンラインで最大5回まで相談可能。相談無料。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26142.html
(コンサルティングの詳細)
https://mhlw-twconsulting.com/

●工期の適正性、休日の取得状況などについて調査/国交省調査

 国土交通省は15日、「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」
結果を公表した。注文者から提案された工期について、「妥当な工期の工事が多かった」
(66.6%)、「短い工期の工事が多かった」(29.2%)、「著しく短い工期の工事が
多かった」(1.6%)。平均的な休日の取得状況は、「4週6休程度」が44.1%で最多、
「4週8休以上」は 8.6%にとどまった。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00113.html
(報道発表資料)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001485761.pdf

●「テレワークセミナー」を開催/厚労省

 厚生労働省は7月13日、「テレワーク・セミナー」をオンラインで開催する。
テレワークを導入するに当たって、必要な労務管理、ICTにおける留意点、
テレワークの活用方法、導入企業の事例等を説明する。個別相談会も実施
(事前登録必要)。定員200名(先着順)。参加無料。
https://kagayakutelework.jp/seminar/2022/0713.html
(チラシ)
https://kagayakutelework.jp/seminar/pdf/telework_seminar_2022_0713.pdf

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【統計】
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●死傷者数は前年同期比で34%増加/労働災害発生状況(2022年6月速報)

 厚生労働省は16日、2022年の労働災害発生状況(6月速報値)を公表した。
休業4日以上の死傷者数は6万4,393人(前年同期比34.0%増)。業種別では
第三次産業の4万710人(同58.5%増)が最多。事故の類型別では、「その他」
(主に感染症による労働災害)2万3,196人(同227.9%増)が最多、次いで
「転倒」1万2,326人(同5.0%増)、「墜落・転落」6,733人(同2.9%減)など。
死亡者数は275人(同11.3%増)。業種別では建設業96人(同9.1%増)、
第三次産業67人(同21.8%増)、製造業63人(同50.0%増)など、事故の類型別では
「墜落・転落」88人(同18.9%増)が最多。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/22-06.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html

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【動向】
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●東京の中小企業の景況感は大幅に改善/東商調査

 東京商工会議所は13日、東京23区内の「中小企業の景況感に関する調査」(4~6月期)
結果を発表した。業況DIは前期比12.8ポイント改善のマイナス8.6となり、前期の業況の
悪化から一転し、改善に転じた。業種別では、小売業が19.9ポイント改善、サービス業が
18.3ポイント改善、卸売業が15.2ポイント改善となるなど、4業種でDI値が改善した。
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1029701

●東京の中小企業のテレワーク実施率は約3割、2月比8ポイント減/東商調査

 東京商工会議所は13日、「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」
結果を発表した。2022年5月の東京23区における中小企業のテレワーク
実施率は29.7%で、前回調査(22年2月・まん延防止等重点措置期間中)
と比較して、8.1ポイント減少、20年3月調査に次いで、過去2番目に低い
結果となった。テレワークの実施効果は、「働き方改革の進展」(46.9%)
が最多、テレワークの課題は、「情報セキュリティ」(56.2%)が最多。
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1029703
(調査結果詳細)
https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1029704

●4月以降に「値上げした/する」企業は約7割/民間調査

 帝国データバンクは15日、「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート」
調査結果を発表した。自社の主な商品・サービスについて、2022年4月以降に
「値上げした/する」企業は68.5%、6月以降に「値上げした/する予定」は37.0%。
4月に実施した同様の調査と比べて、7~9月頃に「値上げ予定」は8.6%から
19.9%へ10ポイント以上上昇した。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220607.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220607.pdf

●1ドル=130円で企業の約半数が経営に「マイナス」/民間調査

 東京商工リサーチは14日、「円安に関するアンケート」調査結果を発表した。
5月上旬の円相場1ドル=130円前後の円安推移で、経営に「マイナス」と回答
した企業46.7%。1ドル=122~124円台で推移した前回調査(4月)では、
「マイナス」の回答は39.6%。規模別では、「マイナス」の回答が中小企業の
約5割(48.2%)を占めたのに対し、輸出や海外進出のウェイトが大きい
大企業は37.7%で、大企業と中小企業の差は10.5ポイント。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220614_03.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<イギリス>
▽プラットフォーム労働の従事者を保護する労働協約

 プラットフォームを通じた料理配送サービスを行うデリバルー社と全国都市
一般労組(GMB)は、配送従事者に最低報酬の保証や団体交渉などを認める
労働協約を締結した。法的には自営業者のまま、労働者に類似した一部の権利を
保証する取り組みとして賛同の声がある一方、労働者としての法的地位を求めてきた
労組などはこれに反発している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/06/uk_01.html

▽介護分野の外国人労働者受け入れに関する報告書

 移民政策に関する政府諮問機関のMACは4月、介護労働者の受け入れに関する
報告書をまとめた。介護労働者の不足への当座の対応として、受け入れ緩和を
提言する一方、より根本的な課題の解決には、賃金水準の向上やこれに対応した
予算の拡充が必要であるとしている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/06/uk_02.html

<韓国>
▽ユン・ソンニョル新政権 110の国政課題を発表

 5月10日、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が就任し、韓国に5年ぶりの
保守政権が誕生した。韓国では次の政権に移行するにあたり、「大統領職引継ぎ委員会」
が構成される。この委員会は新政権の国政運営の大きな方針を決定するための組織で、
ここで決定した方針が、今後5年間の国政運営の成否を左右すると言われている。
大統領の就任にあたり構成された大統領職引継ぎ委員会は5月3日、国政ビジョン
として「110大国政課題」を発表した。これは今後、各議論を経て政策として確定
していくことになる。「110大国政課題」について、労働に係る分野に絞って、
概要を紹介する。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/06/korea_01.html

▽ユン・ソンニョル新政権の国政課題 労使が見解を表明

 大統領職引継ぎ委員会が5月3日に発表したユン・ソンニョル新政権の「6大国政目標」
とその下に策定された「110大国政課題」には、韓国を再び飛躍させるという意思が
込められている。規制緩和を通じ民間企業の活力と創意を引き出し、その牽引力を期待する
姿勢が表れている。また、各種の労働政策にも公正と自律を重視した新政権のビジョンが
反映されている。この度発表されたユン政権の「110大国政課題」に関し、労使団体が各々の
立場から見解を表明している。その一端を紹介する。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/06/korea_02.html

●第110回「ILO総会」が閉幕/ILO

 第110回「ILO総会」は11日、全ての日程を終えて閉幕した。
ガイ・ライダーILO事務局長は、今年の総会では特に労働安全衛生や
見習い研修制度、国際労働基準に取り組み「目覚ましい成果」を上げたとし、
「重要かつ協調的で、生産的だった」「安全で健康的な労働環境を
中核的労働基準に組み入れることを決定し、歴史に残る総会となった」
と述べた。同総会には、加盟国のうち178カ国から政府・労働者団体・
使用者団体の代表4,000人超が出席した。
https://www.ilo.org/tokyo/information/pr/WCMS_848332/lang--ja/index.htm