フリーランスがより良く働くために必要なこと─JD-Rモデルに着目したフリーランスと会社員の比較

要約

能渡 真澄(株式会社ビジネスリサーチラボチーフフェロー)

藤井 貴之(株式会社ビジネスリサーチラボマネージャー)

伊達 洋駆(株式会社ビジネスリサーチラボ代表取締役)

近年,フリーランスという働き方が注目されているが,実証研究は未だ少ない。そこで本研究は,JD-Rモデルに焦点を当てて,フリーランスが働くうえで重視・満足している事柄や,フリーランスがより良く働くために有効な要因を,会社員と比較検証した。フリーランス413名,会社員387名の計800名に対して調査を実施した。分析の結果,フリーランスの方が会社員よりも,ワークエンゲイジメント,キャリアコミットメント,マーケタビリティを高めることを重視しつつ,より高い満足度を得ていることが示された。加えて,JD-Rモデルにおける仕事の資源・仕事の要求と種々の満足度の関連を重回帰分析で検証した。その結果,フリーランスと会社員の両方で,学習機会や組織のキャリアサポートからなる開発資源とすべての満足度の間に有意な正の関連が認められた。加えて,フリーランスのみ,サーヴァントリーダーシップや同僚からのサポートからなる社会資源と満足度の間に正の関連が示された。さらに,役割曖昧性と役割葛藤からなる妨害的要求による調整効果が,フリーランスと会社員で異なっていることが示された。フリーランスに関する施策は,フリーランスが求めるものを考慮しつつ,フリーランスがより良く働けるよう契約先組織で彼らが認められサポートされるようなコミュニケーションを強化するよう取り組むことが望ましい。

【キーワード】労働市場,職業心理,労働者意識


2026年7月号(No.792) ●研究ノート(投稿)

2026年6月25日 掲載