医療,警察,消防,現場労働におけるパワーハラスメントの許容可能性─通常許容されないような言動は許容されうるか
要約
本稿は,特集趣旨における「過酷な労働」について,ミスが原因になるなどして自ら又は他者の生命・身体等を侵害する可能性が他の業種等に比し高いと解される職場での労働と認識し,展開した。そうした職場においては,通常の職場では許容されないようなパワーハラスメントに該当するような言動でも「過酷」さゆえに許容されうる可能性があるのではないか,という問題意識から,複数の裁判例を概観した。上記のような職場として,本稿は,①医療,②警察・消防,③現場労働を想定した。しかし,ほとんどの事案は,通常のパワーハラスメント事案とほぼ同様に処理されており,職場の特性のみにより,当該言動の違法性が否定されることは,ほぼないものと解された。
2026年7月号(No.792) 特集●過酷な労働を取り巻く諸問題
2026年6月25日 掲載


