誰が公務員を志望するか─学生調査による属性と意識の検証
要約
本稿は,2023年に実施した進路選択に関する学生意識調査をもとに,どのような属性や意識を有する学生が公務員を志望するかを明らかにした。この調査は,公務員志望であるか否かを問わず,進路未決定の大学生に対して実施した進路に関する大規模な意識調査である。近年,公務員志望者が減少する中で,誰が公務員を志望するのかという問いに注目が集まっているものの,日本の複数大学の学生を対象とした大規模調査は見当たらず,リクルートメント研究で取り上げられてきた属性や意識を網羅的に検証してこなかった。本調査では,国家公務員総合職試験の合格者が多い複数大学を対象とした調査を行うことで,誰が公務員を志望するのかという問いに対するより一般化可能な知見を導出することを試みた。分析の結果,特定の属性や意識を有する学生が公務員を志望することが明らかとなった。属性に関しては,女性,親の学歴が大卒未満,親の職業が公務員,地方出身者という属性を有する学生ほど公務員を志望していた。家庭の所得という要素は公務員志望度と関連していなかった。意識に関しては,高いパブリック・サービス・モチベーション,高収入を重視しない,安定性を重視する,高い倫理観,低い外向性や低い開放性を有する学生ほど公務員を志望していた。ワークライフバランス志向や働きがいを重視するかという要素は公務員志望度と関連していなかった。
【キーワード】雇用問題一般,労働市場,雇用管理
2026年5月号(No.790) ●論文(投稿)
2026年4月27日 掲載


