非典型時間帯就労と不健康行動
要約
本稿は,非典型時間帯就労と労働者の不健康行動との関連を実証的に検討する。経済のサービス化などに伴い,夕方・深夜・早朝など日中時間帯以外に働く労働者は一定数存在する。既存研究では非典型時間帯就労と健康や家庭生活との関連が指摘されているが,夕方・深夜・早朝といった就業時間帯の違いに着目して健康リスクに関わる生活習慣との関連を検討した研究は限られている。本研究では,非典型時間帯就労を夕方勤務(18時~22時),深夜勤務(22時~5時),早朝勤務(5時~8時)に区分し,クロスセクションデータをもとに,喫煙,飲酒,朝食欠食,睡眠休養感不足に表される不健康行動との関連を検討した。分析の結果,非典型時間帯就労はいくつかの不健康行動と関連しており,その関連は就業時間帯によって異なることが示された。具体的には,睡眠休養感不足は日中勤務と比べて,夕方勤務,深夜勤務,早朝勤務のいずれにおいても高い傾向がみられた。また,朝食欠食は深夜勤務および夕方勤務と関連し,飲酒は早朝勤務と関連していた。一方,喫煙については,就業時間帯との関連が確認されなかった。これらの結果は,非典型時間帯就労が生活時間構造や睡眠リズムの変化などを通じて健康関連行動に影響を及ぼしている可能性を示唆する。就業時間帯の多様化が進む中,労働者の健康を守るためには,労働時間の長さだけでなく,勤務時間帯の配置や休息時間の確保といった観点からの労働時間管理が重要である。
2026年5月号(No.790) 特集●生活時間と休み方から読み解く労働
2026年4月27日 掲載


