人を責めないコミュニケーションがもたらす効果─解決志向/問題志向コミュニケーションが心理的安全性とワーク・エンゲイジメントに与える影響の実証研究
要約
組織における良好なコミュニケーションが人間関係や働きやすさと密接に関連することは広く認められている。しかし,組織の有効性を高めるコミュニケーションとはどのような性質を持つのかについては,十分に明らかになっていない。本稿では,「人を責めないコミュニケーション」という特徴をもつ解決志向に着目し,心理的安全性を媒介変数としたワーク・エンゲイジメントとの関係を実証的に検討する。調査はインターネット調査会社に委託し,解決志向/問題志向コミュニケーション,心理的安全性とワーク・エンゲイジメントを,3週間の間隔を置いて測定した。分析の結果,解決志向コミュニケーションは心理的安全性を介してワーク・エンゲイジメントを高めるだけでなく,直接促進する効果を示した。一方,問題志向コミュニケーションは心理的安全性を低下させることを通じ,ワーク・エンゲイジメントを下げる効果が見られた。最後に,これらの知見が実務にもつ含意と,今後の研究課題について議論する。
【キーワード】産業・企業,職業一般,職業心理
2026年2・3月号(No.788) ●研究ノート(投稿)
2026年2月25日 掲載


