論文要旨 労働審判手続の解決と企業への影響

高橋 陽子(東京大学社会科学研究所特任研究員)

本稿は、労働審判制度利用者にその評価を尋ねた「労働審判制度についての意識調査」を用い、1)労働審判手続の結果に対する不満の割合が労働者側に比べて使用者側で大きいこと、2)労働審判手続には企業の人事管理の問題点を修正させる副次的効果があること、3)労働審判手続の解決には復職事例や、労働条件、賃金不払等の是正について申立てた労働者側が手続の終了後も当該企業に在職し続ける在職事例が少数だが存在することを示した。

2013年特別号(No.631) メインテーマセッション●労使紛争の現状と政策課題

2013年1月25日 掲載