特集趣旨「ここにもあった労働問題」

2007年4月号(No.561)

私たちが日々受け取っている様々な財やサービスを子細に観察すると、様々な人たちの工夫や努力が基盤になっていることに気づかされる。一見労働問題とは関係ない事象でも、そこに人の手が働いていれば、「労働」が関与していると言える。社会は労働の連鎖でできあがっており、どの部分が欠けても、私たちが享受している財やサービスは供給されなくなる。

今回の特集では、私たちが生活の中で身近に見たり聞いたりすることを取り上げ、その背後にある労働問題を考えてみたい。当たり前だと思っていることが、他国との比較から見ると当たり前ではなかったり、よかれと思って取り入れた仕組みが逆の方向に働いていたり、社会の持つ複雑さと現代の日本社会を支える労働について考え直すきっかけになれば幸いである。

2007年9月25日 掲載