資料シリーズ No.231
中国のプラットフォーム就労関連裁判例の整理と分析

2020年3月30日

概要

研究の目的

日本におけるプラットフォーム・エコノミー関連業態の今後の展開を予測し、新たな就労形態の下での当事者関係に対する規制のあり方を検討するために、中国におけるプラットフォーム就労関連裁判例を整理・分析した。

研究の方法

現地調査、文献サーベイ、研究会の開催

主な事実発見

  1. 中国の場合、裁判実務上、プラットフォーム就労について原則として労働・雇用関係の成立を認めないが、交通事故等の場合、例外的にその成立を認め、プラットフォーム運営者に責任を負わせる状況にある。
  2. 労務提供者や依頼主から費用を徴収することなく、外部からの融資で事業運営を維持するプラットフォーム運営者があるが、彼らは労務提供者から利益を得ていないという事実を利用し、使用者責任から逃れようとする傾向にある。
  3. とりわけ地方都市において、プラットフォーム運営者は現地で代理商を立て、使用者責任を肩代わりさせることがある。

図表1 プラットフォーム就労関連裁判例の論理構成

図表1画像

図表2 代理商を利用する場合のプラットフォーム就労関係

図表1画像

政策的インプリケーション

  1. 場合によっては、労務提供者から利益を上げていなくても、プラットフォーム運営者の使用者性を認定できる理論構成を模索する必要がある。
  2. プラットフォーム企業が大きくなり、市場を寡占または独占すると、労働関係の認定によって人件費が増加し、プラットフォーム企業が倒産することによる大量失業問題を顧慮する必要がある。
  3. プラットフォーム運営者が地域ごとに代理商を立て、派遣または請負の形を取り、自分の代わりに代理商に労務提供者を雇用してもらう場合、使用者責任の認定をどのようにすべきかを検討する必要がある。

本文

本文がスムーズに表示しない場合は下記からご参照をお願いします。

研究の区分

プロジェクト研究「労使関係を中心とした労働条件決定システムに関する研究」
サブテーマ「雇用社会の変化に対応する労働法政策に関する研究」

研究期間

令和元年度

研究担当者

仲  琦
労働政策研究・研修機構 研究員
王天玉
中国社会科学院法学所研究員
石川 茉莉
労働政策研究・研修機構アシスタントフェロー

お問合せ先

内容について
研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ

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