資料シリーズ No.210
企業における福利厚生施策の実態に関する調査
―ヒアリング結果―

2019年3月15日

概要

研究の目的

法定外福利厚生施策の実施について、現状を把握するため、ヒアリングによる事例収集を実施した。法定外福利厚生施策全般の実施状況を把握するほか、企業・法人の規模や業種による特徴を把握することが主な目的であり、とくに小規模企業・法人の状況を中心に事例把握を行った。併せて、企業および従業員のニーズ、アウトソーシング・カフェテリアプランの導入状況、非正規従業員に対する施策の適用状況の把握に努めた。事例についてはできる限り好事例となる要素を重視した。

研究の方法

平成29年度に実施した「今後の勤労者の福利厚生のあり方について」調査において、アンケート調査(10人以上規模の企業と、その企業で働く従業員が対象)を実施し、そのうえで、事例収集ヒアリングとサービス提供者(業界)ヒアリングを行った。全国規模の業界ヒアリングは、福利厚生事業会社最大手のベネフィットワン(同社がもつ「ヒューマンキャピタル研究所」の情報として大手5社の情報を併せて把握)と、9人以下の超零細企業が主なサービス提供先である中小企業勤労者福祉サービスセンター(以下「サービスセンター」)の多くを会員としている全福センターを対象に実施した。同年度はこのほか、アンケート調査回答企業(法人)1社、サービスセンター2カ所およびその会員企業2社の計5カ所にヒアリングを行った。

平成30年度第一四半期、この追加調査として、主に「9人以下の超零細企業及びサービスセンター」へのヒアリングを行った。アンケート調査回答企業3社、サービスセンター5カ所およびその会員企業5社にヒアリングを実施し、前年度と合わせて、合計20カ所(内訳:業界ヒアリング2カ所、アンケート調査回答企業・法人4カ所、サービスセンター7カ所およびその会員企業・法人7カ所)を対象としたヒアリング調査となった。

主な事実発見

  1. 業界ヒアリング 大手企業のアウトソーサー(受託企業)を中心として、アウトソーシング、カフェテリアプランの受託が伸びており、企業・法人ユーザーはこれらを活用しつつ福利厚生メニューの再構築を進めている。一方、全国の中小企業勤労者福祉センターは利益を上げることを目的とせず会員企業への給付・サービスを充実させているが、広告宣伝にコストをかけられず、広報・周知や情報提供が課題となっている。
  2. アンケート回答企業(法人) 規模、事業内容、企業立地、従業員構成、経営方針などにより、福利厚生施策に特徴がみられる。なお、このうち企業(法人)として健康保険組合1カ所を対象としており、ここでは被保険者向けの「健康管理」に該当するメニューの実施状況も聴取して、同関連施策について健康保険組合が担う役割について確認した。
  3. サービスセンターおよびその会員企業(法人) サービスセンターの入会金・会費、提供サービス内容はそれぞれに多くのバリエーションがある。主に市を中心とする自治体単位(複数の自治体を含む)で設立されており、規模が大きい、あるいはカバーする地域の加入率が高いとスケールメリットが生じる。センターの運営に対する自治体の関与・協力、地域の産業や企業の特徴などによっても運営の状況は異なる。また、センター幹部・職員の運営やサービス内容に対する創意工夫や熱意が、加入率増加・維持に寄与している。サービスセンターの会員企業(法人)(概ね10人未満・10人以上規模を含む)は、経営者自らが各センターのサービス提供を受け、加入している各センター事務局とのコミュニケーションを重ねて、従業員の福利厚生充実に取り組んでいる。

政策的インプリケーション

前項で述べたように、企業(法人)においては規模、事業内容、企業立地、従業員構成、経営方針などにより大きな差がみられ、今回収集した事例が、これらを踏まえて福利厚生施策の立案・実施の参考となることを想定している。また、とくに中小企業については、サービスセンター等のサービス提供者を含めた関係者にとって役立つことを期待している。

本文

研究の区分

情報収集

研究期間

平成30年

担当者

郡司 正人
労働政策研究・研修機構 調査部次長
吉田 和央(執筆)
労働政策研究・研修機構 調査部主任調査員

入手方法等

入手方法

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お問合せ先

内容について
研究調整部 研究調整課 電話:03-5991-5104
ご購入について
成果普及課 03-5903-6263 

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