資料シリーズ No.168
マクロの労働移動、転職市場の実態
―既存統計とヒアリング調査より―

平成28年5月12日

概要

研究の目的

  1. 産業や職業、地域特性別に労働移動や転職市場の実態と動向を明らかにし、マクロの外部労働市場の見取り図を得ること
  2. 転職率が低く「行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換」という指摘の対象と考えられる「正社員ホワイトカラー層」の市場規模や労働移動促進の方向性を明らかにすること。

研究の方法

  1. 公開されている公的マクロ統計の再整理および既存の個票データの2次分析
  2. 正社員のホワイトカラー層を対象としている転職支援機関に対するヒアリング調査

主な事実発見

  1. 産業や職業、企業規模別に労働移動の発生頻度が異なっており、正社員の管理職や専門・技術職ほど労働移動が発生していない。転職経路も異なり、転職が頻繁に発生する分野ほど広告が、頻繁ではない分野ほど民間紹介機関や縁故が活躍している。
  2. 正社員のホワイトカラー層の中もさらに3層に分かれている。① 若年層と ② 高度な専門性を持った壮年層③ゼネラリストとして特定の専門分野を持たない壮年層である。それぞれの層では転職支援の活動特徴も異なっており、さらなる労働移動促進のために求められる公的支援の内容も異なる。

政策的インプリケーション

マクロの転職市場において、流通される人材は多様。労働移動促進に関する政策のそれぞれごとにターゲットを明確にする必要があると考えられる。

例えば、求人企業から引き合いがある人材も情報流通の問題により移動が実現されていないことから、これを解消する登録型・サーチ型の転職支援利用に対する助成金がヒアリングにおいて求められた。一方で、外部労働市場における市場価値が高くない人材層に対しては、教育など長期的対応が必要であることが指摘される。

政策への貢献

インプリケーションを元に、労働政策の効果的、効率的な推進(ハローワーク等現場活用を含む)に活用が予定される。

本文

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研究の区分

プロジェクト研究「我が国を取り巻く経済・社会環境の変化に応じた雇用・労働のあり方についての調査研究」

サブテーマ「労働力需給構造の変化と雇用・労働プロジェクト」

研究期間

平成27年度

執筆担当者(執筆時点)

小林 徹
労働政策研究・研修機構 研究員

入手方法等

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成果普及課 03(5903)6263

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