労働政策レポート No.6
男女間賃金格差問題読本
―「説明されるべきもの」から「女性従業員の活躍度を示す指標」へ―

平成 21年 5月15日

概要

当機構では、平成20年度に「変化する賃金・雇用制度の下における男女間賃金格差の状況把握と関連施策に関する調査研究」を実施しました。この調査研究では、既存の統計分析などを行うとともに、2つのアンケート調査((1)企業を対象にその賃金制度に焦点を当てつつ関連する雇用制度を含めた実態を把握するための調査、(2)労使のトップ層を対象にこの問題をめぐる認識や意識を把握するための調査)を実施しました。その結果は、調査シリーズNo.52として公表しています。

本レポートは、こうした調査研究から得られた知見をベースにして、男女間賃金格差の動向や論点、調査研究から示唆される対応の方向などを、できる限り平易な形で提供しようとするものです。

今回の調査研究を通じて、個々の企業においては、男女の平均賃金を比較してみられる大きな格差に対する認識や問題意識が必ずしも広がりをもっていないことが窺われました。そこで、本レポートでは、関係者、とりわけ企業で人事管理に携わっておられる方々を主な読者として念頭に置き、男女間賃金格差はどのような問題であり、これまでどのような動向がみられたのか、現在その解消に取り組むことの意義や取組みの方向などを肩肘張らずに読んでいただける「読本」とすることを意図しています。

※なお、本レポートでは種々の政策方向が提示されているが、それはこれまでの研究成果から得られた政策的な示唆を担当の研究員が試論的に整理したものであり、当機構の任務の1つである政策論議の活性化に向けて、いわば議論のたたき台として提供するものである。

本文

執筆者

浅尾 裕
労働政策研究・研修機構 主席統括研究員

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