調査シリーズ No.70
入職時・起業時における地域間移動についての調査

平成22年6月7日

概要

研究の目的と方法

「都市から地方」あるいは「地方から都市」への移動を実現した者(実現者)と、これらの移動を検討してはいるものの未だ実現はしていない者(未実現者)の差について検討し、これらの移動を促進・阻害する要因を特定化することによって、地方企業の労働力確保方策を明らかにする。

 ウェブモニター調査として、「実現者調査」と「未実現者調査」を平成22年1月に実施した。

主な事実発見

「都市から地方」への移動について

  • Uターン移動は実現しやすいのに対して、非Uターン移動は実現しにくい傾向にあった(図表1参照)。
  • 生活面に係る移動阻害要因分析について、実現者では「特にない」という回答が過半数を超えていたのに対して、未実現者では30%程度であり、未実現者ほど生活面に係る問題を抱えている。

「地方から都市」への移動について

  • 移動前の立場が学生であったと回答した者ほど、移動を実現している傾向がある(図表2参照)。
  • 実現者、未実現者ともに、引っ越しの優先理由としては「入職」と回答した者の方が多いものの、「引っ越し後の県での生活」と回答した者の割合もそれぞれ47%、41%と少なくなく、入職以外の理由を優先して地方から流出する者もかなりいる。

政策的含意

「都市から地方」への移動について

  • 都市へ出て行った地元出身者などに訴えかけてUターンしたいと考える者の絶対数を増やすと同時に、彼らに照準を定めた支援を実施することは、効率的に地方への流入を増やしたい場合には有効である。
  • 仕事面における支援のみならず生活面における支援も移動を促進する上で重要である。

「地方から都市」への移動について

  • 地元での就職先をより積極的に紹介するなどの取り組みが必要になる。
  • 地元に居住している者に対して地方での生活の魅力を積極的にアピールすることなども必要である。

図表1 「都市から地方」への移動

図表1 「都市から地方」への移動/調査シリーズNo.70「入職時・起業時における地域間移動についての調査」

図表2 「地方から都市」への移動

図表2 「地方から都市」への移動/
調査シリーズNo.70「入職時・起業時における地域間移動についての調査」

本文

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執筆担当者

大谷 剛
労働政策研究・研修機構 研究員

研究期間

平成21年度

データ・アーカイブ

本調査のデータが収録されています(アーカイブNo.70)。

お問合せ先

内容について
研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ
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