労働政策研究報告書No.101
母子家庭の母への就業支援に関する研究

平成 20 年 6月 12日

概要

2002年母子寡婦福祉法の改正により、母子家庭への政策の方向性が児童扶養手当を中心とする「経済的支援」から「就業支援」へ大きく転換されました。「就業支援」の具体策として、2003年度以降に、母子家庭等就業・自立支援センター事業等数々の新規事業が創設されました。

就業支援を進めていく上で、福祉対策と雇用対策の連携がより重要になってきています。しかしながら、その連携の度合いや就業支援の実績については、自治体により様々であり、実態や効果的な連携を図るために有効な方法の把握と検討が早急に求められています。

当機構では、2007年度に、厚生労働省から要請を受け、研究会を設置し、供給側(自治体)と需要側(母子家庭の母)の両面から母子家庭への就業支援の現状と課題を体系的に整理し、検討しました。

まず、ヒアリング調査を通じて、自治体がそれぞれの地域の実情に合わせて、特色のある就業支援を取り組んでいることが分りました。たとえば、「連絡票」等による自立支援センターとハローワークとの連携(千葉市)、独自の就業支援マニュアルの作成(横浜市)、就業支援サービスと児童福祉サービスの窓口の一本化(貝塚市)、またはNPO等民間団体の活用(釧路市)など、地域の独自色が多くみられました。

ただし、就業支援事業と母子家庭の母親のニーズとの間に乖離があることや、母子家庭の母にワンストップサービスを提供している自治体がまだまだ少ないこと、自立支援センターとハローワークとの役割分担と連携が十分でない、などの課題も明らかになりました。

一方、母子家庭の母へのアンケート調査を通じて、「事業を知らない」とのことで支援事業を利用しなかった母子家庭の母が非常に多いことが分かりました。自由記述では、事業案内の戸別郵送や、窓口での口頭説明、宣伝の強化など制度を周知するための要望が数多く寄せられました。

本文

研究期間

平成 19年度

執筆担当者

藤井 宏一
JILPT 統括研究員
周 燕飛
JILPT 研究員
中囿 桐代
釧路公立大学経済学部教授
渡辺 木綿子
JILPT 調査・解析部調査員
高田 しのぶ
JILPT アシスタントフェロー
金井 郁
JILPT 臨時研究協力員
新保 幸男
神奈川県立保健福祉大学社会福祉学科教授

入手方法等

入手方法

刊行物のご注文方法をご確認ください。

お問合せ先

内容について
研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ
ご購入について
成果普及課 03(5903)6263 
GET Adobe Acrobat Reader新しいウィンドウ PDF形式のファイルをご覧になるためにはAdobe Acrobat Readerが必要です。バナーのリンク先から最新版をダウンロードしてご利用ください(無償)。