ディスカッションペーパー 10-01
個人請負就業の将来性 ─日米の子持ち既婚女性に注目して─

平成22年1月22日

概要

本研究は、子どものいる既婚女性に注目して、自由で柔軟な働き方が特徴とされる個人請負就業が、彼女らにとって将来性ある働き方になり得るかどうかを、日米のデータを比較することによって探ったものです。

分析の結果、下記の知見が明らかになりました。

(1)日米の共通点として、6歳未満の乳幼児や未成年の子供をより多く持つ女性ほど、正社員よりも個人請負就業につく確率が高く、個人請負就業が、ワークライフバランスの面から考えて、将来性のある就業機会であると考えられること。

(2)一方で正社員と個人請負の年収比率は1.5倍(米国)~2.3倍(日本)にもなり、個人請負は処遇・労働条件の面で劣っていること。

(3)また、正社員に比べて個人請負が低収入・長時間労働に陥る確率は、米国ではそれぞれ17.1%ポイント、16.2%ポイント高いのに対して、日本ではそれぞれ47.1%ポイント、30.0%ポイント高いとなっており、日本の個人請負が「Bad Job」に陥るリスクは正社員に比べ際立って高いこと。

(4)こうした正社員との処遇格差は、学歴、社会経験、居住地域などの個人差や個人の選好の違いによって一部説明可能であるが、説明しきれてない部分もかなり残っていること。

本文

執筆担当者

周 燕飛
労働政策研究・研修機構 研究員

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※本論文は、執筆者個人の責任で発表するものであり、労働政策研究・研修機構としての見解を示すものではありません。

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