ディスカッションペーパー 07-01
長時間労働とワークスタイル

平成19年3月2日

概要

本稿は、長時間労働について 2005年に実施した調査データを再集計し、(1)長時間労働の特徴と残業をする理由、(2)長時間労働の心身への影響、(3)労働時間管理の緩やかな労働者の問題、などについて分析した研究の成果です。分析の結果、(1)長時間労働と収入との相関はあまり高くない。残業の理由は多様性があるように見えるが、実際は仕事や会社の都合で規定されることが多い、(2)労働時間の長さだけでなく労働時間の変化(増加)も責任の重さや仕事量に関するストレスに影響している。相対的に労働時間が短くても家庭の事情を抱えた労働者のストレスは強い、(3)「時間管理の緩やかな労働者」の労働時間が長い。これらの労働者の仕事志向は強いが、「時間管理」がストレスに直接影響を及ぼしているとはいえない、といったことがわかりました。

以上のことから、必要な対策として、まず何よりも長時間労働を削減・防止するための措置が求められます。そのためには、業務量を減らすための真に適切な業務量管理の実施や労働時間の総量規制が求められます。また、家庭の事情等に対応した多様な労働時間管理も重要です。これらのことを総括すると、「労働時間の長さの選択肢」に多様性をもたらし、その選択権を労働者側にもっと委譲する必要がある、と指摘しています。

本文

執筆担当者

小倉 一哉
労働政策研究・研修機構 副主任研究員
藤本 隆史
労働政策研究・研修機構 アシスタント・フェロー

入手方法等

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非売品です

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研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ

※本論文は、執筆者個人の責任で発表するものであり、労働政策研究・研修機構としての見解を示すものではありません。

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