公共部門の非正規6万5000人を2015年までに無期契約に
政府は9月5日に開いた国家政策調整会議で、公共部門の非正規労働者を正規雇用に転換する新たな計画(2013~2015年)を発表した。公共部門で常時・継続的な性質の業務に従事する非正規労働者6万5711人を2015年までに無期契約に転換する方針である。
朴槿惠政権による新たな転換計画の策定
政府は、2011年に策定した「公共部門の非正規労働者の雇用条件を改善するための対策」に基づき、2013年までに公共部門において常時・継続的業務に従事する非正規労働者を無期契約に転換する計画であった。朴槿惠大統領は、この計画を新政権の国家政策アジェンダに引き継ぎ、2015年を期限とする新たな転換計画を策定した。47の中央行政機関、246の地方政府、430の公共機関および77の教育機関を含む、合計810の公共部門組織が対象となる。
「期間制および短時間労働者の保護等に関する法律」では、有期契約労働者の雇用期間を2年間に制限し、それを超える場合は期間の定めのない雇用契約を締結したものとみなすと規定している。ただし、臨時・断続的な業務に従事する労働者、1週の労働時間が15時間未満の労働者、高齢者、博士号を持つ専門家、欠勤や出向による空席を補充するために雇用された代替労働者、政府の福祉・失業対策プログラムに基づく業務に従事する者などは、雇用期間制限の例外とされている。このため、公共部門の非正規労働者合計25万1589人のうち、18万5878人は転換計画の対象とはならない。
正規雇用に転換される非正規労働者6万5711人のうち、3万904人(47%)は2013年、1万9908人(30%)は2014年、1万4899人(23%)は2015年にそれぞれ転換される予定である。
教育部は、学校に勤務する3万4000人の会計職員について、有期雇用契約の上限2年に達しなくとも、勤続1年後直ちに正規雇用に転換する計画である。このため、転換計画の達成時期は繰り上がると予想されている。
城東区管理会社、銅雀区施設管理会社および慶尚南道州政府を含む10組織は、雇用期間制限に該当しない高齢者、研究員およびスポーツ指導員などの216人の労働者を転換計画に盛り込んだ。ソウル特別市、仁川広域市、東大門区、ソウル特別市都市鉄道公社、ソウル・メトロなどはすでに、3000人以上の契約企業労働者を直接雇用に転換した。
組織数 | 非正規 労働者 |
転換計画から 除外された 非正規労働者 |
非正規労働者 の転換目標数 |
転換計画 | |||
2013 | 2014 | 2015 | |||||
合計 | 810 | 251,589 | 185,878 | 65,711 | 30,904 | 19,908 | 14,899 |
中央行政機関 | 47 | 20,281 | 13,115 | 7,166 | 2,499 | 3,388 | 1,279 |
地方政府 | 246 | 51,099 | 43,064 | 8,035 | 2,683 | 2,584 | 2,768 |
公共機関 | 302 | 46,130 | 32,989 | 13,141 | 5,485 | 4,942 | 2,714 |
地方公共企業 | 138 | 8,507 | 5,667 | 2,840 | 929 | 950 | 961 |
教育機関 | 77 | 125,572 | 91,043 | 34,529 | 19,308 | 8,044 | 7,177 |
資料出所:雇用労働部
転換計画を円滑に推進するための対策
政府は、非正規労働者の無期契約への転換を容易にし、組織と人事管理の効率性を改善するため詳細な対策を講ずる。
雇用労働部は、転換過程における公平性を保証し、業績評価、報酬、解雇、教育訓練等に関する基準を提供するため、無期契約労働者の管理に関する標準規則を2013年9月に策定し、普及させる。
企画財政部は、公共機関における非正規労働者の正規雇用(無期契約)への転換のためのガイドラインを2013年9月に制定する。このガイドラインに従って、公共機関は無期契約労働者をスタッフとして迎え入れ、彼らを別に管理する。総額人件費の上昇率を無期契約労働者にも適用して彼らの労働条件を毎年改善し、非正規労働者の数を段階的に削減する。
教育部は2013年下半期に、学校の会計職員の雇用を安定させ、労働条件を改善させるための対策を講じる。1年以上常時・継続的な業務に従事する会計職員を無期契約に転換し、彼らの長期勤続に基づく手当を段階的に引き上げる。
政府は2014年から、公共部門組織の業績を評価する際、非正規労働者の正規雇用への転換実績など、雇用慣行の改善状況を考慮に入れることとし、当該組織の積極的な転換努力を奨励する。
バン・ハナム雇用労働部長官は、「公共部門は、常時・継続的な性質の業務に従事する非正規労働者を正規雇用に積極的に転換することにより、非正規労働者の雇用の改善を先導する。我々は、公共部門非正規労働者タスクフォースや関連政府機関との協議を通じて追加対策を策定し、転換過程で生じる可能性のある問題に対処する」と述べた。
参考
- 雇用労働部ウェブサイト
2013年9月 韓国の記事一覧
- カギ握る時間制雇用の拡大―就業率70%達成の政策目標
- 企業の労働費用、前年比3.7%増加―雇用労働部調査
- 公共部門の非正規6万5000人を2015年までに無期契約に
関連情報
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